SEE
一人称が揺らぐ
それでも
お前の淋しげな笑みに似た歌を
目隠ししたまま
探してしまう
今日という日
俺の事を
その微笑みで
笑いますか
どこかでその結末を
この心が
待っている気さえしても
欲しいものはそう簡単に
与えてくれないんだろ
越えられない距離は
今残る唯一の
温もりだと言ったら
どんな顔をする?
瞳は
守りきれなかった
あの日を見ている
それでも与えられる未来を
どんな顔して
歩めばいい
止まった刻は
微笑んだまま
じっと動かない
そこで見ていて
くれたんだろ
知っていたけど
口にはしなかった
振り向いたが最後
頬を伝うそれが
止まらなくなって
しまいそうだったから
何にも気づかないような顔をして
痛みなど知らない素振りで
未だ光と影を指先でなぞり
グラスの氷が
音を立てるだけで
動けなくなる
使い物にならなくなった
心を抱いたまま
生きる方途を
未だ探している
こんな姿さえ
そこで見ていてくれたんだろ
見ていてくれるものは
あるような気がするのです。