第七話
この小説はリレー形式で掲載します。
作者 oga
ワンドがパソコンをシャットダウンしている最中、ダンジョンは冷蔵庫をあさり始めた。
「喉が渇いたんだが、これは飲めるんだろうな?」
「あ、それは……」
「ねえワンド、この漫画読んでいい?」
「あっ、ちょっと……」
「このコップ使わせてもらうぞ」
「あっ……」
ダンジョンがお茶とポテトチップスを持ってきて、その場にドサリと腰を下ろし、テレビをつけた。
「あ、ダンジョンずりー。 俺にも食わせろよ」
バリバリと2人でポテチを食べていると、うしろの方から声が聞こえる。
「あの…… 私の話を……」
「ヨシムラ、聞いてやれ」
「そりゃねーだろっ、せっかく来たんだから聞いてやれよ。 あとヨシピコだし! って何回このやりとりすんだよ!」
「俺が飽きるまでだ。 しかし、晴れてヒーラーのワンドも仲間になったところで、これから本格的に魔王と戦わなければならんな」
「魔王かぁ、ダンジョンって魔王がどこに住んでるのか知ってるのか?」
「あ、あの」
「魔王はコウモリヶ丘の城に住んでいる。 それくらい常識だろう」
「いちいち腹立つなー、お前」
「私、仲間やめます」
突然の発言に、俺とダンジョンはびっくりした。
「な、どうしたんだよ!?」
「あなたたちといるなら、魔王の方がいいです」
これはガチで言っている。
そう悟った俺とダンジョンは姿勢を正し、ワンドの方に向き直って話を聞くことにした。
「私は昔、魔女裁判にかけられました」
「ま、魔女裁判!?」
「聞いたことがある。 政府が魔王の側近を次々に処刑していった裁判のことだ。 確か罪のない能力者も容疑にかけられて処刑されてから、反対派の運動によってなくなったって聞いたが」
ワンドはコクリ、とうなずいた。
「はい。 裁判では能力があるとみなされたら即有罪でした。 必死で魔王の側近ではないと主張したのですが…… そこで私はある手を使って逃げ出しました。 あるバラバラになったパーツを証拠品として持ち込み、ヒールを使ってそれをもとに戻しました」
「……爆弾か」
それはニュースにもなったらしい。
そのため、ダンジョンも知っていたようだ。
「法廷爆破事件。 まさか君がそれを仕掛けた張本人だったとはな」
「でもその件以降、私は外を出るのが怖くなってしまいました。 外に出たらまた捕まるんじゃないかって…… でも、お告げを聞いて、いつまでもこのままじゃいけないと思ったんです。 私も魔王を倒すために、協力します」
こうして、お告げ通り3人の仲間が揃った。