表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/11

第四話

この小説はリレー形式で掲載していきます。


作者 oga

握手をかわし、晴れて俺たちは仲間になった。


「ちょっと質問なんだけどさ、ダンジョンは何で俺が勇者だって知ってたんだ? お告げのことは話してないし」


「……俺も聞いたんだよ。 正直、勇者がお前みたいな阿呆だとは全く思わなかったがな」


「あ、阿呆ってなんで分かんだよ!」


くっそ、まさか戦士がこんなむかつくやつだとは……

これから仲良くやってけるのか?


「とにかくさっ、まずは仲間集めだよな! ヒーラーを探さなきゃいけないんだけど、どんな奴か分かるか? 俺最後までお告げ聞いてなかったんだよな」


あっはっは、と笑いながら答えると、ダンジョンはふう、とため息をついた。


「……ヒーラーは少女。 それだけしか情報はない。 そもそも、なんで俺が戦士なんだ……」


「なっちまったんだから諦めろよ。 ヒーラーってことは、医者か? でも少女だもんなぁ。 どうやって探したらいいか検討もつかねーわ。 なんかいい手ある?」


「なんでもかんでも俺に頼るな。 いいか? お前を助けたのは仕事だったからだ。 別に魔王を倒す使命に燃えてたわけじゃない」


なっ、マジかよ……

こいつが戦士とか、人選ミスじゃねーか?

しかし、ダンジョンは腕を組んでふうっと一息吐くと、こう言った。


「だが、お前の言う通りだ。 選ばれたものは仕方がない。 ヒーラー探し、協力する」


……!

なんだよ、ちょっとは話の分かるやつじゃねーか。

たまにイラっとくるけど、まあ弁護士だし、頼りにはなりそーだ。


「よっしゃ! じゃあ、街に繰り出そうぜ!」






俺たちは「ヒーラーになりたい方はいらっしゃいませんか?」というプラカードを掲げて街を歩くことになった。


「ダンジョンさ、もっといい案なかったの?」


「……黙れ、この阿呆勇者」


「なっ」


持ってるプラカードで殴りつけようかと思ったが、ぐっとこらえた。

弁護士といい、留置所の警察官といい、口悪すぎだっつの。


だが、このプラカード作戦、思ったより悪くはない。

もしヒーラーもお告げを聞いてたとしたら、俺たちを探してる可能性があるからだ。

俺たちは街を2時間ほど練り歩いた。


「この街じゃないのかなあ。 みんな冷ややかな目で俺たちを見てくるんだけど」


「……とりあえず飯でも食うか? ヨシノヤ」


「ヨシピコな」


ダンジョンに言われたら急に腹減って来たな。

ちょうど12時だし。


「了解、飯にすっか」


結局、その日は収穫もなく、また翌日プラカードを持ってで街を練り歩くこととなった。

この行為が巷で噂となり、ユーチュー○などに俺たちが歩く様子がアップされるようになった。


「あなたたちが今話題の勇者と戦士ですか?」


マスコミなどにも取り上げられ、インタビューも何回か受けた。


「俺たち、結構有名になっちゃったな」


「……ああ、だが肝心のヒーラーが見つからなければ意味がない」


確かに。

ヒーラーになった少女、どっかで俺たちのこと見てないかなあ……


そんなことをぼやいていた翌日、なんとダンジョンの事務所にヒーラーと名乗る少女から連絡が入った。





評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ