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知らぬ間に勇者になりました。ー天秤の勇者になるまでの軌跡ー  作者: 九渡
第1章 チャブター1 ー異世界転移ー
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13 僕の疑問と、行動と……

 ーそう言えば、なんで僕が魔物を倒したことをみんな知らないの?


【それのことか。簡単なことじゃ。おぬしが魔物を倒したとき外見が変化しとったからのう】


 ー外見が変化?


【そうそう、おぬしはレグルスの力を借りておったからのう。あのときの外見は獅子のようなブロンドヘアーになっとたぞ】


 ーなんだって?

 ー力を借りると僕の外見は変わるの?


【普通は変わらんのじゃが、おぬしの抵抗値があまりに低いから力を貸す者の影響を強く受けたのじゃろうな】


 ーということはこれからも抵抗値が上がるまでは僕がやったと気づかれない可能性があるってことか。

 ーなんか変身ヒーローみたいだね。


【なぁはっはぁ、変身ヒーローか、面白いことを言うもんじゃ。ちょうどよいかもしれんのう。われのことを他の者にバレる危険性が下がるのじゃからのう】


 ーえっ?

 ーリブラのことを他人に知られると危険なことでもあるのか?


【ちと面倒なことがあってのう。われはあまり知られとうないのじゃ】


 ー知られるとどうなるんだ?


【最悪殺されるじゃろう。われのことをしつこく狙うものもおるしのう】


 ーまじですか……。

 ーそれじゃあ早乙女とか召喚者のみんなに言わないほうがいいのか?


【言わないほうがよいじゃろう。人の口を閉じることは出来んもんじゃ。誰からか話は漏れ、拡がるからのう】


 ーそっか少し残念だ。

 ーあのとき魔物倒したの僕なんだよ。

 ーって言えないんだね。


【なぁはっはぁ、そんな小さなことで誉められんでも、おぬしは今後もっと凄いことで誉められることをするじゃろうて】


 ーなにを根拠に?

 ー予言の魔術でも使ったの?


【そんなもん使わんでも当然のことじゃ。われがおぬしに知恵を授けるからのう】



 ーはっはっ、すごい自信の魔物に住まわれたもんだ。


【われはリブラ、運命の天秤じゃからのう】


 ーはい、はい。

 ー僕の魔物さん。

 ーどうか僕に良い運命を回してくださいな。


【まかせておくのじゃ。それでは善は急げじゃ。アルハゲ城から南にある『ガルドシール』の街に行くぞ】



 ーそこに行けば何かあるのか?


【行けばわかるわい。そのためにもまずはどうやってこの城から脱出、もとい出るか考えんといかんのう】


 ーシルヴァニアさんに言えばいいだけじゃないの?


【この阿呆が、なんといって出るつもりじゃ。ガルドシールに行きたいです、などと言ってもうなずかれる筈が無かろうが】


 ーう~ん。

 ー例えばこんなのどうかなぁ―――――。

 ライはリブラに自分の考えを伝えた。


【おおぅ。おぬしが考えたにしてはまともじゃのう】


 ーリブラは僕のことのなにを知っているっていうの。


【おぬしのことか、煩悩の塊ということは知っとるのう】


 ーはっは、そのとおりだね。


 ライは久しぶりにおもしろ可笑しく笑った。





 ライはリブラと長いこと会話をしていたので、いつの間にか時間は過ぎていった。



 トンっトンっトン、ガチャ。


 扉はノックされ、ライが返事をする前に扉は開けられた。


「やったよ!ライくん!」


 早乙女美樹がとても嬉しそうにしながら話しかけてきた。


「みんな死ぬことなく勇者に成れたよ」


 早乙女は嬉しそうな顔をしてライにみんなの報告をした。


「おめでとう」


 ライはそう言えた。昨日までのライならば言えなかった言葉であった。いまはなぜだが心が軽く言うことが出来た。


「ライくんやこの国の人たちを守れるように、うち強くなるから魔物退治はまかせといてね」

 早乙女は胸を張って言った。



 ーなんで早乙女は僕に気を使って話しかけてくるんだろうか。

 ーでももう気にしないでいいか。

 ー僕は僕が生き延びられるように行動しないと。


 ライはもううじうじ悩むことをやめて、いま自分がやるべきことをするために行動した。


「早乙女さん、あのさぁシルヴァニアさんといまって会うことができるのかな?少し話したいことがあるんだよ」


「シルヴァニア?いまは議会にいると思うよ」


「そっか、ありがとう。ちょっと会ってくるよ」


「うちも付いてこうか?」


「いいよ。独りで行ってくる」


 そう言ってライは部屋から出た。早乙女がライのことを心配そうに見てた気がするがライは思い過ごしと思った。







 ライは議会場の前に着くと、扉の横に立っている騎士に伝言を頼んだ。


「天道ライです。シルヴァニアさんにお話があります。入ってもよろしいでしょうか」


 騎士は議会場に入り確認を取りに行った、少しの間があったあとに「どうぞお入りください」と声がかけられた。


「失礼します」


 ーさあ、シルヴァニアさんに説明しないとな。


 ライは心が晴れやかな気分で扉をくぐった。

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