序
「しょうがないだろ
熱くなっちゃったんだから」
「まぁあの時熱くなっちゃうのは当たり前か
俺らはみんな未来に不安を持ってる
だからこーやって集まったんじゃん」
「あん時の言葉は多分、自分に言ってたんだと思う
ここんとこずっと悩んでたから」
俺は言ってる時に自分で思ってたことを言った
「引きずるのも当然だよね」
舞夏は暗い顔をしていた
「でももう前を向かなきゃってね」
俺は頑張って笑顔を見せて、安心させようとした
けど神様は俺達に優しくなかった...
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?said
俺は空港にいた
やっぱり帰ってきてしまった...
プルルル、プルルル
俺のケータイの着信がなる
「もしもし」
「青桐
着いた?」
俺の留学先で世話してくれた人からだった
「はい、着きました」
「本当に良かったの?」
「はい、もう目を逸らすの止めようと思うんで」
「話してくれてありがとね
お父さんのこと...
元気でね」
そう言って、おばさんは電話を切った
俺が留学しに行った理由は現実から目を逸らしたからだった
俺の父親は俺らが小さい時に事故で死んで、双子の兄と二人で暮らしてた
その父親が..