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捧げられた乙女

悪魔との契約のIfルートというか一つの肉付けの形 一種の逆ハールート、但し主人公は気付いてない

呼び名の元ネタは反映されたりされなかったり

内藤涙ナイトウルイ或いはイシス ハピにしようかと思ったらおっぱいのある男神だった件

罪人≒魔術師


何処かで道を間違えたんだろう、と思う。今更言っても詮のない話ではあるんだけど。


私が仕事の同僚に誘われてこの街…アマルティアにやって来たのは、10月の終わりの事だった。この街で行われるという彼岸の祭りを見物する為である。

この街へやってくる為にはロープウェイを使う事になる。別に他の方法で来る事が出来ない訳ではないが、公共交通機関はそれと列車しかない。両者の駅は同じ場所にあるけれど、それぞれ行ける場所は限られている。

まあ、それはともかく。

私はロープウェイを使ってこの街に来て、早々に迷子になってしまったのだった。

全く土地勘のない土地の上に携帯電話は通じない。私はすぐに合流を諦め、一人で祭りを見て回る事に決めた。別に、一人で行動する事には慣れている。他人と折り合いを付けるのが苦手な私は、気がつけばそうなっている事が多いのだった。


その後の事は、実はもう断片的にしか覚えていない。色々な事があり過ぎた。

何だかよくわからない内に謎の組織に捕まってしまったかと思えば、いっしょに捕まった人に連れられて逃げ出して、ヤギを乗り物代わりに走って、仲間かと思った人と敵対する事になって、やっとロープウェイに乗って街から出ようとしたらそこで気絶して。

結局私は謎の組織…ペッカートルに再び"保護"されてしまったのだった。


日帰りのつもりで訪れたはずなのに、もう随分と長く滞在している。街から出ようとすると気が遠くなるのだから仕方がない。帰りたくても、帰れない。不本意極まりないけれど。


ペッカートルは罪人ツミビトと呼ばれる人達によって作られたマフィアの様な組織である。少なくとも、私の知る情報から判断するとそうなる。そして私もまた罪人である。…と、最初は思われていたのだが、事態はもう少し複雑だった。

私は罪人が悪魔と契約する為に捧げた供物…まあ、イケニエみたいなものだったのである。いつの間にそんな事になっていたのかさっぱりだが、少なくとも、私が一人で街を回り始めた時点でそういう事になっていたようだ。

そして、何を隠そう、罪人と契約を結んだ悪魔こそ、例の逃走劇中私と行動を共にしていたヤギだったのだ。いや、人語を話すわ、宙を走るわ、あからさまに普通じゃないヤギだと思っていたけれど、まさか悪魔だとは思わなかった。そもそも、悪魔なんておとぎ話の中の物だと思ってた。

まあとにかく、そんなこんなで、その契約が原因で私は街から出られなくなっていたのである。傍迷惑な話だ。


「イシス、悪魔との契約を破棄する方法がわかりました」

「本当ですか?」

神妙な顔で頷いたホルスさんは少し悲しそうな顔?をしていた。

「それで、お前は何でそんな辛気臭い顔をしているんだ」

アヌビスさんが苛々した様子で問いかけるのと反対に、セトさんはニマニマと楽しそうに笑っている。オシリスさんは普段通りの穏やかな表情、ラーさんは居眠りをしているし、トトさんは退屈そうだ。

「ええと、ですね…」

ホルスさんは迷う様に言葉を濁す。

「悪魔と罪人が結んだ契約…彼女を悪魔に捧げるという契約コントラクトは、より正確には彼女の純潔を与える、というものなんです」

「成程、つまり、彼女が悪魔以外の存在によって純潔を失えば、契約不履行となって契約破棄が出来るわけだ」

オシリスさんがホルスさんの言葉を補足する。

「純潔、って…」

アヌビスさんが絶句する。セトさんがニヤニヤと笑う。

「悪魔との契約で純潔って言うなら、当然アレだろう?」

「う?イシスの純潔を誰が貰うって?」

「そりゃ、勿論イシスの合意が得られる人だろ」

その場に居る人間の視線が私に集中する。

「え、えっと…」

注目されるのは苦手だ。私は視線を彷徨わせる。

「ちなみに、イシスは何処まで経験があるんだ?」

「何処まで、ですか?」

何の話なのか、よくわからない。オシリスさんなのだから、真面目な話だとは思うのだけれど。

「初心っぽいし、マウストゥマウスのキスの経験もなかったりするのか?」

ニヤニヤと笑いながらセトさんが口を挟んだ。その発言の意味を理解した所で、私は真っ赤になる。

「?!そ、そんな、えっと、男の人と手を繋いだのもこの街に来てからアヌビスさんに手を引かれたのが初めてなのに、経験があるわけないじゃないですか。恋人がいた事もないのに」

「なら、"恋人"に気兼ねする必要はねぇな」

「居るならそいつを呼び寄せなければならなかった所だね」

「ボクも欲しいなー、イシスの純潔」

「あ、一応オレも立候補してみようかな?イシスのお相手」

「おい待てお前ら、何勝手に話を進めてるんだ」

「…こうなると思ったから他の方には教えたくなかったのに…」

…ええと、この人達は、一体何の話をしてる…のかな?何か碌でもない事言ってるのが数人いる気がするぞ?

『おいおい、雑魚どもが何言っちゃってんの?子猫ちゃんはオレ様のもんだろ?』

「黙れ糞ヤギ野郎」








イシス/内藤涙ないとうるい:平凡系ヒロイン。但し地味に顔立ちは整っているので化粧すれば化けるタイプ。女子校に通っていたわけでもないのにシスター並に貞操が守られている。二十代前半~中盤位。ぽやん系天然ボケキャラ。マイペースを極めている。

アヌビス:長身イケメン系ツンデレ男。一番最初にイシスに出会ってからずっと守るべき相手と認識している。実はイシスと同年代。本名を知っているが呼べない。

ホルス:白皙の真面目っ子青年。罪人の取りまとめ役でありペッカートルのリーダー。イシスと同年代、アヌビスよりは年下。イシスを守るべき年下の少女と認識している。

セト:目つきの悪いドS男。名目上ホルスの部下という事にはなっているが、野心家であり下剋上をいつもたくらんでいる。年上組。アヌビスとは心底仲が悪い。

オシリス:穏やかな紳士。彼女にイシスというコードネームを与えた。年上組。お茶目な面も持っている。イシスの事は当初年の離れた妹程度の扱いをしていた。

ラー:のんびりものの少年。年下組。居眠りが多い。弟キャラだがお姉ちゃんとは呼んでくれない。

トト:無邪気系素直少年。年下組。最年少だが気の強さからラーより年上とイシスに認識されている。

ヤギ:悪魔。角が立派な雄山羊にしか見えないが、本来はとても強い力を持った悪魔であるらしい。契約履行ルートに入ると人化して異形の男になるとかなんとか。


悪魔の横恋慕ルートで同僚が既に悪魔に喰われていて、そいつのランクが低かった為に人型ではなくヤギになっていた事が判明する 

場合によっては(トゥルーじゃない場合?)相手キャラが悪魔化する

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