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テレポーター  作者: SoLa
第3章 魔法文化祭編〈下〉
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第1話 表と裏で




 午前10時。

 文化祭開会のアナウンスとともに、生徒会館会議室の窓が破られた。


「きゃあっ!?」


 悲鳴を上げたのは副会長と花宮(はなみや)のみ。俺、蔵屋敷(くらやしき)先輩、片桐(かたぎり)は、その割れた窓ガラスへと視線を向けただけ。会長に至っては、自分の直ぐ背後の窓ガラスが割れたにも拘わらず、肩についた破片を手で払っただけだった。


 続けざまに二投目が放られたらしい。会議室の中に、派手な色をした筒状の何かが飛び込んでくる。それには導火線があり、火がつけられていた。


「ちょっ」


 慌てて副会長がそれに手を伸ばす。その腕を蔵屋敷先輩が掴んだ。俺の隣に座っていた片桐が動く。目にも留まらぬ速さで抜刀されたそれは、導火線と本体を瞬時に切り離した。


「やるな」


 テーブルに転がったのは、魔法処理が施された爆竹だった。いやがらせか?


「造作も無いことです」


 淡々と返される。

 しかし、次の言葉を投げかけるよりも先に更なるアクションがあった。

 先ほどと同じ物が、今度は大量に窓から投げ込まれる。言うまでもなく全てに火がついており、今度はご丁寧に導火線が既に虫の息状態のものだった。


「おいおいっ」


 問答無用か。

 思わず腰を浮かせかけたが、もう間に合わない。僅かだった導火線が燃え尽き、本体へと着火する。


 が。

 それが効力を及ぼすことは無かった。全て本体へと火が届いていたはずなのに、まるでその全てが不発弾だったかのように沈黙する。


「……これは会長が?」


「まぁね」


 ため息を吐きながら会長が立ち上がる。同時に、蔵屋敷先輩と片桐も立ち上がった。俺もそれに倣う。


「スマートじゃない。全然そそられないねぇ」


 会長が振り返り、窓の外へと視線を移す。直後、続けて放られてきた爆竹の群れは、会議室へと入り込む前に空中で全てが爆散した。

 思わずその攻撃の発信源へと目を向ける。そこでは涼しい顔をした蔵屋敷先輩が、木刀をスカートのベルトへと戻すところだった。


 空気が波打つように震えていた。この現象を、俺は見たことがある。選抜試験だ。浅草流奥義の1つ、『水衝(スイショウ)』。これ対象に接触しなくても使えたのかよ。片桐が手加減していたのか、それともあの技の強化版なのか、はたまたまったく別の技なのか。見当もつかないほど見事な手並みだった。


「……鈴音(リオン)君。できればもう少し安全な方法で無力化して欲しかったな」


 後ろ向きで、しかも首の動きだけでそれを回避していた会長が言う。


「これがもっとも安全な方法だったのではありませんこと?」


 それに対して、蔵屋敷先輩は平然とそう言ってのけた。会長が苦笑する。


「まあ、信頼されている、と受け取っておくよ」


「ちょっと!! 何でみんなそんなに冷静なのよ!! 今何どういう状況なの誰か説明してー!!」


 いつの間にやらテーブルの下へと避難していた副会長が叫んだ。見れば花宮も一緒になってプルプル震えている。

 ……おい。お前の障壁魔法『浄化の乱障壁(プリシアミナス)』を展開すりゃ、もう少し安全に済んだんだぞ。


「お相手はどちらの方ですの?」


「1人だ。紅赤(べにあか)魔法学園の制服だね」


 蔵屋敷先輩の問いに、会長が答える。続けて口を開きかけた片桐だったが、それはノックの音によって止められた。

 こちらの反応を待たずして、扉は開く。


「お初に」


 入ってきた男は、にこりともせずそうのたまう。


「随分と礼儀がなっていないね。黄黄(おうき)魔法学園の社会教育はどうなっているんだい」


「それは、この場で議論すべきものではない」


 黄色というより黄土色に近い色をした制服を身に纏った男は、抑揚のないのっぺりとした声で返してきた。


「お前は誰だ」


「その問いに答える意味が無いことは、君が一番分かっていると思うが」


 俺の問いに対して、こう言ってくるということは。

 ……なるほど。既に操作魔法(コントロール)の制御下にある、と。確かに、それならこの傀儡の素性を知ったところで意味は無いだろう。


「では質問を変えさせてもらおうか」


 生徒会館の外にいる紅赤の学園生へと視線を戻しながら、会長は黄黄の学園生へと問う。


「君たちは、何をしにここへ?」


「宣戦布告をしに」


 黄黄の学園生は、躊躇い無くそう宣言した。表情を何1つ変えることなく、声色を変化させることもなく、淡々と告げる。


「青藍にいる全ての人間が人質だ。回避することが何を意味するかは、理解できるな?」


「そうだね」


 会長がそれに答えた瞬間、黄黄の学園生は目視できない(、、、、、、)何かによって(、、、、、、)叩き潰された(、、、、、、)。抵抗することなく沈む。

 これは、……“魔法の一撃(マジック・バーン)”、……か。シスター・メリッサにこの技法を教えたのは、やはりこの男で間違いないようだ。


「下のを潰してきてくれるかい、鈴音君」


「もちろん」


 会長とすれ違うようにして、蔵屋敷先輩が窓枠へと足を掛ける。


「リ、鈴音さん。行くなら私が――」


「沙耶ちゃんは紫と愛ちゃんを連れて新館にある出張所で待機。指示があるまで動かないこと。異変を感じたら直ぐに連絡をくれ。そして中条君は」


 一度言葉を切り、会長が俺へと目を向ける。


「少し残ってくれ」


「……分かりました」







「少し時間をずらしてから、この2人は教員に引き渡そう」


 蔵屋敷先輩が引き摺ってきた紅赤の学園生を一瞥して、会長はそう結論付けた。


「時間をずらしてから、ですか」


「何か不満でも?」


「いえ……」


 会長からの問いかけに首を振る。

 襲撃はアナウンスとほぼ同時。正門からここまで、歩いて20分はかかる。魔法を使ったって直ぐに来れる場所では無い。そして、アナウンスが終わるまで門は開いていない。つまり正規手段でこの学園に入ったわけではないということだ。どんな理由を付けて引き渡すにせよ、このタイミングで行うのはよろしくない。


 会長は屈み込んで紅赤の学園生の懐を漁り出した。次々に爆竹が出てくる。


「正当防衛としては、十分すぎる証拠になる」


「確かに」


 つまらなそうにそれを放った会長へ頷いた。

 魔法の爆竹は中々に威力が高い。人ごみの中で破裂すれば相当な被害になるだろう。


「しかし操られていたわけですから、記憶に無いと主張するかもしれませんよ?」


 現に俺は操られた時の記憶が無い。


「証拠品はあるんだ。信用してもらえるだけの関係はちゃんと築いているさ。それに、問題はそこではない」


 立ち上がりながら会長は言う。


「中条君。俺と鈴音君はここに残る。生徒会館防衛の為なのはもちろんだが、なにより本来の仕事も忘れてはならないからね」


「まぁ、そうでしょうね」


 俺たちは生徒会だ。文化祭実行委員の面々に運営をほぼ丸投げしているとはいえ、やるべきことはある。先ほど宣戦布告とやらをした黄黄の学園生の話を信じるのならば、もう文化祭中止という選択肢は取れないのだ。表面上は、何事も無いかのように運営していかなければならない。


「実行委員の面々も、立ち寄るなら出張所だ。こちらには来ない。できれば会場とは隔離されたこの空間で仕留められればいいが、そうもいかないだろう」


「では、俺の仕事は?」


 回りくどい言い方をする必要は無いと、言外に告げてやる。会長は俺の反応を見て満足したのか、不敵な笑みを浮かべながらゆっくりと頷いた。


「遊撃だ」


 そうだろうとは思ったよ。


「こちらから別途指示を出すまでは、基本的に自由に動いてもらって構わない。不審な人間を見付けたら、無力化してくれ。証拠集めはしなくていい」


「……そう簡単に怪しい奴が見付かるとも思えませんが」


 足元に転がる、気絶した2人の学園生を見た。無力化というのは、つまりはそういうことなんだろう。ただ、確実に怪しいと断言できるような不審人物がいるとも思えない。


「君が少しでも違和感を感じたらそれでいい。例え違ったとしても、こちらで理由は何とでも付ける」


 本気か? 結構凄いことを言っているが、その自覚がこの男にはあるのだろうか。


「おいおい中条君、何て顔をしてるんだい」


 表情でこちらの心境を悟ったのか、会長がおどけるように言う。


「目には目を、歯には歯を。生徒会役員を狙っているのか、特定個人を狙っているのかは知らないが、これだけ手荒な挑戦状を叩き付けられたんだ。なら、こちらも相応の歓迎をしてやらないと失礼だろう」


 ただの学園間のいざこざじゃない。

 目の前の男は、もしかしたらそれに気付いているのかもしれない。







 青藍魔法学園の文化祭は、表向きは華々しく、何の問題も無くスタートしていた。

 正門からは次々と雪崩れ込むように来場客が踏み入ってくる。軽い荷物検査はあるが、それ以外はほぼスルーだ。紅赤、黄黄という青藍と張り合う魔法学園の学園生の他、魔法科が無い学校の生徒、この地域では滅多に見かけない制服の生徒もいる。そして来るのは学生だけではない。青藍の学園生の親御さんだったり、入学希望の親子だったり、冷やかし目的の一般人だったり、様々。


 その中に、2人はいた。


「すげーすげー、スクールのフェスティバルなのにこんな人が集まるのか!!」


「ウィル、お忍びで来てるっていうのを忘れてはいけないよ。もう少しトーンを落とさなきゃ」


「そうかそうか。悪い」


 少しも悪びれた顔をせず形式だけの謝罪を述べるバンド仲間に、今井修(いまいおさむ)は苦笑せざるを得ない。


 ロックバンド『アイ・マイ・ミー・マイン』のボーカルとギターをそれぞれ務める2人は、この場で正体がバレてしまおうものなら、今日の主役の座をそのまま掻っ攫ってしまうほどの知名度を誇っている。しかも、それに加えてウィリアム・スペードといえば、魔法世界に君臨する王族直属の護衛集団『トランプ』の一員だ。例えミーハーなファンでなくとも、魔法に少しでも携わっている者がこの場で見れば悲鳴をあげてしまうだろう。世界最高戦力の1人に数えられる彼は、やろうと思えば単独で国1つを相手取って戦争を行えるほどの実力を持っているのだから。


 2人は自らの正体がバレないようにニット帽をかぶり、サングラスを掛けている。が、見る人が見れば当然気付く。当ても無く文化祭をふらつくなど、本来すべき立場にはいないのだが。


「まったくどうしてこうなるんだい? 彼とは明日でも会えるじゃないか。生徒会というこの文化祭の運営メンバーであることは昨日説明しただろう?」


「それじゃあエニシが傍にいるじゃないか。深くは話せないメンバーもな。できればあいつとは一対一で話してみたい」


 サングラスで隠れているが、キラキラとした目で語っているであろうことは間違いない。修は肩を竦める以外に今の心情を的確に表すジェスチャーが思い浮かばなかった。


「……中条聖夜君、だったか。彼の何が気に入ったんだい? まだ彼の能力が何なのかは分からないんだろう?」


「能力は別にどうでもいい」


「え?」


 ウィリアムから返された予想外の言葉に、思わず修の動きが止まる。それを意図的に無視しているのか、ウィリアムは歩調を保ったまま口角を吊り上げて言う。


「一目見て分かった。あれは逸材だ。オサムは感じなかったか? 俺には何でセイヤナカジョーがこんな平和なスクールで生徒やってるのか信じられないくらいだぜ」







 教会の辺りまで下りてくると、流石に喧騒が耳に届いてきた。宗教染みた噴水が設置されている踊り場から伸びる、生徒会館と『約束の泉』に繋がるそれぞれの階段にはポールが置かれており、立ち入り禁止の処置がされている。

 対面の、本館の方から伸びている階段を上ってきた数人の男女は周囲をきょろきょろと見渡した後、来た階段でそのまま引き返していった。ここには特に催し物は無いし、妥当な判断と言えるだろう。

 教会へと目をやり、先ほどの事情を報告していくべきか迷ったが、直ぐに答えは出た。


 する必要は無い。

 したところで、あのシスターが何かしてくれるとは思えないし、深く突っ込まれたところで何かが分かっているわけではない。ただ生徒会館が襲撃されましたと言っても無駄だろう。幽霊騒動繋がりであるかどうかも怪しい。正規手段で入園していないことは間違いないが、それがどんな手法を用いたものかも分かっていないのだから。

 それにしてもだ。


「まさか宣戦布告をしてくるとは思わなかったな」


 紅赤の制服を纏っていた一獲千金(いっかくせんきん)は、あたかも標的は俺だけのような発言をしていたと思う。


『あぁ? もしかして自分の立場、ご理解頂けてない?』

『くくっ、くくくくくっ。知らぬは本人のみってか』

『無系統のお披露目は次のお楽しみだ。今度は文化祭で会おうぜ、中条』


 そして、先日の黄黄の女、合縁奇縁(あいえんきえん)。なぜ操った時点で俺の命を狙わなかったのかは不明だが、この両者の行動から、狙いは俺だけだと考えていた。しかしそれは思い過ごしということなのだろうか。特定の1人を狙うのであれば、このような大袈裟な舞台を用意する必要は無い。ひっそりと暗殺でも企てた方が効率的だろう。


 ……あとは、混乱に乗じて標的が誰だか分からぬようにするため、か。

 考えても相手方の目的は見えてこない。仕方が無い。やはり見つけ出して締め上げる以外に方法は無いようだ。


「……面白ぇ、……っと」


 感情に呼応して、漏れ出しかけた魔力を抑える。師匠から何度も注意されているように、どうにも感情に左右されてしまう。気を付けなければいけない。好戦的なオーラを纏って巡回していたら、向こうからもアクションを起こしにくいだろう。下手に隙を見せずに過ごせば断念されてしまう可能性もある。……その可能性は少ないか。


 とにかく、絶えず目をギラギラさせているのはよろしくない。腕に巻かれていたMC(マジックコンダクター)を撫でていた右手を慌てて止める。無意識とは恐ろしいものだ。


「意図せずして手に入れてしまった自由時間を好きに過ごさせてもらうか」


 この際、楽観的に考えることにした。

 文化祭は隅々までぎっちぎちにスケジュールを詰め込まれると思っていたが、緊急事態となったからかそうはならなかった。遊撃、臨機応変と聞こえは良いがつまりは好きにやれということだ。ならば、この状況をうまく利用させてもらうことにする。

 もしかすると、会長は俺がここまで考えることを見越してこの役割を与えたのかもしれないが。


「……とりあえず、咲夜のところにでも顔を出してみるか」


 そのあたりも深く考えないことにする。 

 生徒会として見回りをしているところも見せておかなければ、文化祭で生徒会は何をやっていたんだということになりかねない。出張所にいる3人がそれなりには行動してくれるだろうが、それだけでは足りないだろう。

 周囲へ注意を向けつつ、うまく回っていくことにしよう。

 今後の方向性を決めたところで、本館へと足を向けることにした。







 青藍魔法文化祭は好調な滑り出しを迎えたようだった。

 それは行き交う人の表情を見れば直ぐに分かる。老若男女、様々な人とすれ違う。年齢層の幅がここまであるとは思わなかった。学園生の家族か、孫の入学希望先を見に来たのか、高齢の人がいるのはおそらくそういうことだろう。

 賑やかな声、楽しそうな笑い声を聞いていると、ほっとするのと同時にお祭り特有のウキウキ感が湧き上がってくる。先ほどの襲撃のせいで薄れかけていたが、今日はお祭りなのだ。浮かれているくらいがちょうど良い。……はず。


 そんなことを考えているうちに、1年のフロアへと到着する。

 廊下もかなりの混雑だ。少なくとも自分のペースでは歩けない。そして目的地まで一直線で向かうこともできない。右側通行左側通行といった言葉は存在しないらしい。何度も人とぶつかり、その度に謝り合い次の人とまたぶつかる。これが日本の抱える国際問題、ラッシュというやつか。


「あっ、中条先輩!!」


 不意に名前を呼ばれる。何人かと押し合いへし合いを繰り返し、ようやく俺を呼んだ女の子の前まで辿り着いた。名前も知らないし多分話したこともない子だが、浴衣を着ているということは1年A組、つまりは咲夜のクラスメイトだろう。咲夜のクラスはお祭りの露店を教室の中で再現する企画だ。


「順調なようだな」


 1年A組の入り口前で受付をしていたその子に話しかける。見れば、A組の壁に沿って列ができあがっていた。歩いている時は混雑でまったく気付かなかったが、人混みの中にもちゃんと順番があったようだ。列に並んでいる数人から、怪訝な視線を向けられる。


「中条先輩、腕章無いんですか?」


「え? ああ、そうか」


 ポケットに突っ込んだままだったそれを取り出す。列に並んでいた人たちからは「順番守らず入る気か」という疑問でも投げかけられていたのだろう。『生徒会』と書かれた腕章を巻いてしっかりと関係者であることをアピールしておく。


「それはもう大盛況ですよ~。中条先輩に『人が集まり過ぎた場合の入場規制の対応法』を聞いてなかったら危なかったです」


「そりゃ良かった」


 副会長のご助言をそのまま伝えただけだけどね。


姫百合(ひめゆり)さんに用事ですか?」


「いや、思いの外早く時間ができてな。ちょっと様子を見に来ただけで――」


「姫百合さーんっ!! 中条先輩が迎えに来てるよー!!」


「お、おいっ!!」


 俺の返答もそこそこに、咲夜(さくや)のクラスメイトは扉を開けて中へと首を突っ込んだ。勘弁して欲しい。こっちは咲夜のタイムスケジュールもばっちり頂いてしまっているのだ。敢えてその時間を無視して来た俺の意向はどこへ行く。


 賑やかな喧騒の中、どったんばったんと激しい音がした挙句に、「しょーがないっ!! 姫百合さんは休憩時間繰り上げっ」とか「中条先輩忙しいから仕方ないよね!!」とか「せっかく迎えに来てくれてるんだから!!」とか聞こえたような気がするが気のせいだろう。

 そうだ、気のせいに違いない。


 第一、俺にデートまがいのことなんてしている暇は無いのだ。襲撃されているんだぞ? それも嫌がらせの領域を遥かに超えた手段で、だ。他の生徒会役員が厳戒態勢で文化祭に臨んでいるなか、まさか俺1人が女の子を侍らせて学園内を歩くわけにも行くまい。同僚に見つかったら死刑宣告間違いなしである。


 それにだ。

 まさかあの咲夜が自分に割り当てられた仕事もそこそこに出てくるはずなんて、


「お、おおお待たせしましたっ!!」


 ……。

 出てきちゃったー。

みなさま、よいお年を!!


【今後の投稿スケジュール】

1月1日0時 第2話

1月2日0時 第3話

1月3日0時 第4話

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[良い点] 咲夜ちゃんかわいい…
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