表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
テレポーター  作者: SoLa
第9章 修学旅行編〈上〉
261/432

第0話 魔法世界エルトクリアとは

 お待たせしました。

 はじまるよ。

【魔法世界エルトクリア】

 魔法世界エルトクリアは、十の都市と玄関口アオバ、そして危険区域ガルダーによって構成される。アメリカ合衆国の領地の一角にあるが、魔法世界の周囲は堅牢な防護結界によって覆われており、出入りするには玄関口アオバにある大門を経由する他無い。十の都市とは、歓迎都市フェルリア、中央都市リスティル、武闘都市ホルン、交易都市クルリア、創造都市メルティ、近未来都市アズサ、宗教都市アメン、歓楽都市フィーナ、貴族都市ゴシャス、そして古代都市モルティナを指す。




【玄関口-アオバ-】

 魔法世界エルトクリアの周囲には防護結界が張り巡らされており、ここが唯一の玄関口となる。

 アオバとは、アオバ空港と魔法世界の入り口となる大門、そして大門を抜けた先にあるアオバ駅、その全てを指す。空港の設備は、飛行場とエントランス、そして待合室のみと必要最低限のものだけで構成されている。アオバ空港には発着を合わせて1日に4便しかフライトが無い。大門は、人が1人通れる大きさの第1門から、入出国する人数、荷物の量や大きさに合わせて第8門まである。大門には関所があり、その管理人が入国審査から大門の操作までを執り行っている。大門を抜けた先はアオバ駅構内直結となっており、入国した者はエルトクリア高速鉄道を利用して目当ての都市へ向かうことになる。


【歓迎都市-フェルリア-】

 アオバからエルトクリア高速鉄道で一駅目。初めて魔法世界を訪れた者なら、最初に訪れるべき都市。インフォメーションセンターを活用すれば、初めての旅行者でも有意義な観光になるはずだ。

 この都市には、魔法世界内で唯一、魔法世界の外(以下、外界)の銀行で預けているお金を引き出すことができる『エルトクリア大銀行』が存在する。また、外貨で利用することが出来る『ホテル・エルトクリア』があるのもこの都市。魔法世界エルトクリアは、通貨や通信設備等を含めた全てのライフラインを自給自足で補っているため、必要な準備を忘れてうっかり入国してしまった者はこの都市でお世話になることが多い。


【中央都市-リスティル-】

 魔法世界には、腕利きの魔法使いへ仕事を斡旋する機関・ギルドが存在する。その本部があるのはこの都市である。迷い猫の捜索から危険区域ガルダーに生息する貴重な薬草採取まで。今日もギルドは依頼主との交渉や荒くれ者同士の喧嘩など、多種多様な理由で賑わっている。

 他にも飲食店やら雑貨店やらと様々な店舗が立ち並ぶこの都市は、魔法世界に点在する数々の都市と違って何かひとつが突出しているわけではなく、様々な機能を満遍なく有しているまさに万能都市とも呼べる場所であり、数ある都市の中で一番大きな面積を持つ。


【武闘都市-ホルン-】

 収容人数約15万人、中央の決戦フィールドの直径は約400m。魔法世界が誇る世界最大規模の大闘技場、エルトクリア大闘技場があるのはもちろんこの都市ホルンである。

 大闘技場を中心に据えて円形に展開されているこの都市は、全てがこの大闘技場を中心に回っていると言っても過言ではない。月に一度開催されている『七属性の守護者杯』は外界でも有名な魔法大会で、各国様々な著名人が観戦に来るほどである。大闘技場の周囲に展開されている店舗は、守護者杯に関するグッズを扱うものから飲食店、安上がりで済ませることができる宿まで実に様々。

 大闘技場の近くには殿堂館と呼ばれる館があり、そこでは守護者杯における歴代の猛者たちを称える像や資料が展示されている。先日、満を持して設けられたT・メイカーのブースの影響で、連日驚くべき集客数を記録しているようだ。


【交易都市-クルリア-】

 玄関口アオバから伸びるエルトクリア高速鉄道によって運ばれてくる外界からの物資は、そのほとんどがこの都市へと集約されることになる。防護結界によって閉鎖空間となっている魔法世界において、外界の物資が手に入る場所は貴重だ。一般の人間も立ち入り可能な大市場や、目玉の飛び出るような価格で取引されるオークションなど。今日も交易都市クルリアでは、様々な物資のやり取りが行われている。


【創造都市-メルティ-】

 この都市を紹介する上で外してはならないものと言えば、魔法世界エルトクリアにおける唯一の教育機関、王立エルトクリア魔法学習院が挙げられるだろう。魔法に携わる者ならば、一度は聞いたことのある大魔法使いたちを数多く輩出してきた歴史ある学び舎である。現役の王族護衛集団『トランプ』の一角であるウィリアム・スペードや、同人物をリーダーに据えた、世界的に有名なロックバンド『アイ・マイ・ミー・マイン』のボーカルを務める今井修が在籍するなど、現在もこの学園に対する認知度は非常に高い。

 学習院の周囲に立ち並ぶ店の数々は、そのほとんどが魔法書を扱う書店であったりマジックアイテム専門店であったり、はたまた魔法使い御用達のMCチューニング店であったりと、魔法使いならば一度は訪れておきたい都市と言えるだろう。


【近未来都市-アズサ-】

 魔法と科学文明の結合によって発展を遂げてきた魔法世界において、もっとも発達している都市。天を突かんばかりの高層ビルが立ち並ぶ光景は、発展を遂げつつも古き良き時代の面影を残す他の都市とは一線を画する。超一流のホテルから名立たる有名企業の立ち並ぶオフィス街まで備えるこの都市は、ビジネス目的の者なら必ず立ち寄る場所となるだろう。


【宗教都市-アメン-】

 魔法を語る上で避けては通れないのが、『始まりの魔法使い』であり『七属性の守護者』である。この都市には、メイジと彼に付き従った7人の弟子を崇拝する神殿が立ち並ぶ。

 都市の性質上、ここに住む住民は敬虔な者たちが多いが、崇拝する対象が違ってもいざこざが起きることは滅多にない。例え信仰の対象に優先順位があったとしても、彼らが恐れ敬うのは『七属性の守護者』であり『始まりの魔法使い』であり、そして『魔法という奇跡』なのだから。

 都市の端にひっそりと佇むメイジを祀る神殿の最奥には、聖女の住まう聖域が存在する。


【歓楽都市-フィーナ-】

 酒にギャンブル、娼館から果ては奴隷市場まで。人の欲望を満たすものなら何でも揃うであろう都市。エルトクリア魔法聖騎士団の巡回も比較的緩い都市であり、それは国が黙認していることを示す。どれだけ厳しく取り締まろうとも根絶されることのない闇は、まさに人の欲望を具現化した姿であると言える。魔法世界にある他の都市の治安が世界的に見ても「良い」と評価されるのは、こうしたガス抜きのできる場所があるからだ。唯一ドラッグだけは無いとされているが、実際のところは……。


【貴族都市-ゴシャス-】

 別名『白亜の頂』。

 王命がなければ貴族位を持たない者は立ち入りすらも禁じられている都市である。魔法世界の中で一番高い山で、その山頂には王城エルトクリアがあり、そのエルトクリア城を頂点とし、山の麓までは貴族たちの屋敷が建つ。この国の貴族たちは、偉ければ偉いほど広い土地を持つのではない。偉い人間ほど王城の近くへ、つまり標高の高い位置に土地を持つのだ。


【古代都市-モルティナ-】

 別名『廃墟街』。

 モルティナとは、かつて魔法世界が誕生する前、つまりアメリカ合衆国が自治権を与えていなかった頃に、魔法使い達が住んでいた都市の名称だ。とある事件により一夜で廃墟となった。以降、魔法世界エルトクリアが誕生してからも手つかずのままとなっている。そこに住む者たちの意向もあるとされているが、公式の記録上ではモルティナに住む人間はゼロである。

 現在は立ち入り禁止区域となっており、無断で立ち入る者は処罰の対象となる。


【危険区域-ガルダー-】

 魔法世界の防護結界をこの危険区域ガルダーまで含めることで、外界に脅威をもたらさないようにする。それこそが、アメリカ合衆国に魔法世界の自治権を認めさせる最後の一押しとなった。必要になる犠牲者の数と損害額に目を瞑りさえすれば、おそらく当初からこの危険区域を完全に抹消することもできただろう。しかしそれをしないのは、この区域が存在することによって得られるリターンが大きいからだ。

 ガルダーとは、魔力濃度の濃い魔法世界において更にその上をいく魔力の充満した密林を指す名称であり、ガルダーの中でも特に警戒が必要とされてる地区から順に、『S』『A』『B』『C』『D』の5段階に危険度が分けられる。当然ながら一般人の立ち入りは禁止。足を踏み入れることが許されるのは、国が認可したギルドの依頼などごく一部に限られる。

 危険区域と隣接している中央都市リスティル、古代都市モルティナ、そして歓楽都市フィーナの境界には堅牢な壁が設けられているが、ガルダーの正式な入り口は中央都市にしかなく、そこには国とギルドが用意した厳重な警備が敷かれている。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ