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異世界転生チート勇者様、私に惚れているらしく、他の何にも興味がないらしい  作者: よつ丸トナカイ
【第1章】 勇者登場!

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第7話 勇者の能力。そして驚くリサ

村長からの「ボルトフィッシュ」捕獲依頼を受けることにした。

歓迎会のお礼と、この依頼は断ったら駄目だと僕の直感が訴えていたからである。




まずは、ボルトフィッシュがどのような魚かを調べなければいけない。

村長は電撃で周りに衝撃を与えるとしか教えてくれなかった。

たぶん、村長もよく知らないんだろう。



大きさや習性、そして生息地何もわからない。

とにかく、村人に聞き込みをしていこう。




まず、広場にいた人に聞いてみた。

石を投げてきた。

どうやらその人は「肉派」らしく、



場所を変え、川で選択をしている女性に尋ねた。

水をかけられた。



この村は、どれだけ魚に恨みがあるんだ?

きっと、先祖が魚に殺されたか、何かされたのだろう。




やっと魚派の村人に話を聞いたが、何も知らないと。

使えねえな。魚派は。



途方に暮れていたところ、僕の天使「リサ」様が笑顔で近づいてきた。

マジ可愛い。マジ天使!




リサに状況を説明したら、リサも肉派だった。

今日から僕も肉派に改宗する事を決めた。




とりあえず、ボルトフィッシュを捕獲して、使えない奴ら…、でなく「魚派」の村長に渡さないといけない。




リサは肉派にしては人格者で一緒に捕獲に付き合ってくれるとの事。


ちなみに、リサが僕に言った

「勇者様!私、付き合います!」

その一言で僕は違う意味を想像してしまいテンションが爆上がりである。




リサの説明によると、ボルトフィッシュは村の横を流れている川が湖に流れ込む辺りで捕獲しやすいとの事だ。


ところが捕獲方法が少し厄介なのである。


捕まえたり、衝撃を加えたりすると強い電流で周りに衝撃を与える。

川の側に水たまりを作り小さい水路で川とつなぐ。

そこにエサとなる虫を入れると、匂いにつられボルトフィッシュが集まってくる。

最後に水路を塞ぐと水たまりに閉じ込め成功だ。



だが、そのままでは電撃の餌食になってしまう。

だから水たまりの水が蒸発し、極限まで弱ったところで捕獲するらしい。


この方法だと、時間もかかるし、捕獲するタイミングが悪いと腐れてしまう。

途中で雨が降り増水すると逃げられたりもする。

だから、この村では肉を食べる習慣になったのだろう。




さて、ボルトフィッシュの捕まえ方が分かったが、どうやって捕獲しようか。

リサと捕獲地点へ移動しながら考えた時、とある方法を閃いた。




いつもの通り、水たまりにボルトフィッシュを誘い込み閉じ込める。

ボルトフィッシュを初めて見たが体長50cmぐらいで想像より大きいな。




10匹ほど集まったから、この辺で水路を埋めて水たまりに閉じ込めた。

さて、ここからが伝説の勇者の本領発揮と行こうではないか!



「リサさん、今から魔法を使いますので私の後ろに離れていてください」



リサは初めて見る魔法に興味を持ち、目を輝かしながら勇者を見つめていた。




勇者は水たまりから少し離れた場所に立ち、うつむいた。

集中した。

近くの草藪が揺れている音が、次第に聞こえなくなる。



次の瞬間勇者は頭を上げ白目を剥いた。

と思ったら、叫びだした。


「マテリアル・フロー!」



水たまりを中心に周りから風が集まってくる。

その風は段々と強くなり、激しく音を立てはじめ、木の葉も一緒に渦を作る。


その渦が水たまりと一つになった瞬間、水たまりがふわりと浮かび上がり

大きな水の玉の中で魚が踊っていた。




リサは感激のあまり、嬉しそうな笑顔でその光景を眺めている。

リサは両手をバチバチ叩きながら歓声を上げた。


「凄いです! 流石伝説の勇者様です! 素敵!」




『素敵!』



その言葉は勇者の集中力をなくすには十分な威力だ。

勇者の頬が緩んだ瞬間、魔法のバランスが崩れ1匹のボルトフィッシュが藪の中に落ちた。


ビリビリッ! ドーーーン!


落ちた衝撃で周辺に電撃が走った。



「うわっ! この魚恐えー! 

直撃喰らったら、ヤバイな」



直後、草藪の奥から「バタッ」と何かが倒れる音が二度した。

リサが慌てて確認に向かう。


その間僕は、冷凍魔法を発動し、弱まったところで解凍、カゴへ収納した。



リサの後を追い、草藪に入るとイノシシが一頭倒れていた。




リサは倒れたイノシシの側で笑みをこぼしながら僕に話した。

「思わぬ収穫ですね! このイノシシも確保です!」


「でも、2回倒れる音がしたら、も一頭近くにいますよ」



他の藪も慎重に調べてみた。

別の藪をかき分けると、目の前には…。




「村長!」


なぜ、こんなところに?

まさかの、巻き添え被害である。




勇者は悟った。



あぁー、あれだ。

僕がいつ肉派に寝返るか心配になって見張っていたんだ。


以前のブラック企業でも事務所内に監視カメラがあった。

それを社長室のモニターで監視してたな。



怖い怖い…。


村長も目覚め、リサが手当てをする。

まだ全身に痺れが残っているようだ。




サラリーマン時代を思い出したら、気のせいか全身に寒気を感じていた。

それか、先程の冷凍魔法がまだ効いているのかもしれない。





とにかく、異世界転生して初めての依頼は無事終了!


ボルトフィッシュ10匹 達成

イノシシ 1頭 追加ボーナス

村長   おまけ


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