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異世界転生チート勇者様、私に惚れているらしく、他の何にも興味がないらしい  作者: よつ丸トナカイ
【第3章】 新しい僕らのパーティ

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第45話 手にした素敵な宝物

 翌朝、目が覚めると美味しそうな香りが漂っていた。


「みなさん、起きましたか。朝ですよ!」

 リサはいつも朝から元気がいい。


「朝ごはんを食べて、お宝を探しに行きますよ!」



 僕は眠い目を擦りながら顔を洗う為、水たまりへと歩き出した。

 辺りに広がる朝食の美味しそうな香りが心の奥まで届く。

 この街で過ごしている、当たり前の日常を幸せに感じていた。


 顔を洗い頭の中も次第にはっきりとしだした。

 そして視線を横にずらすと盗賊も顔を洗っていてお互い目が合った。

 きっとお互い同じことを思っているに違いない。


( 爽やかな朝なのに、最初に目にするのがお前かよ! )




 僕達は、朝食を済まし荷物をまとめて宝探しの続きの準備を整えた。

 リサが僕達の方へ振り返る。


「みなさん、今日こそはお宝を見つけ出しますよ! おーー!」


 僕達も手を掲げた。

「おーー!」



 洞窟の先へ進んでも、やはり何もない。

 罠もなければモンスターもいない。

 ダンジョンとは作りや仕組みが違うのだろう。今度ギルドに行った時に尋ねてみようかな。



 何事もなく進んでいるので、正直僕は安心している。

 いくら僕や三人の盗賊達がいてもリサに危険な目に合わせたくはない。

 このまま無事にお宝の場所までたどり着ければいいな。



 願いがかなったのか、進んだ先で扉が現れた。

 今回、謎解きは無い。

 だけど心配だから探知魔法を発動して状態の確認をしてみた。


 目を閉じて集中する。

 白目になった瞬間、探知魔法を発動した。

 頭の中で「ピーン!」と甲高い音が響き渡り、僕の意識が全周囲に広がった。


 頭の中で平衡感覚を一瞬なくしてしまい、足元がふらついて座り込んでしまった。

 初めての感覚なので、気持ちが悪い。まるで車酔いの様だ。

 でも、おかげで僕達の周辺の探知に成功し、危険なモンスターや罠が無い事を確認できた。


 リサが僕の背中をさすってくれた。

「お疲れさまです。あまり無理をされないでくださいね」




「しばらくして、気分も戻ったことだしお宝をGetしに行きますか」


 僕は立ち上がり扉へと近づいた。


「この扉の向こう側に宝箱を探知しました。そしてその中に宝物があります」



 リサは笑顔になり両手を胸の前で握っていた。

「いよいよですね。素敵なお宝だといいですね!」

「おいらは、伝説の武器か宝石だと嬉しいですね」

 盗賊達もお宝に期待を寄せている。



 扉を押して開ける。まるで大聖堂の様に大きく広がる空間の真ん中に宝箱が置かれていた。

 僕達はその宝箱に近づき目の前に立つ。



「いよいよですね。開けます」

 僕は、宝箱を開けた。


 全員宝箱の中を覗き込む。




 宝箱の中には―――、一枚の紙切れが入っていた。



「……紙?」

 拍子抜けだ。ここまで来て紙切れ一枚か。

 僕は紙を手に取り、書いてある文字を読んでみた。

 どうやら新しい魔法の説明書のようだ。



 説明を読み終えたリサは笑顔になった。

「勇者様、良いお宝ですね」


 盗賊達のも笑顔になっている。

「へへっ、勇者様にぴったりですよ」


 僕も彼らに笑顔を向けた。

「…うん、これは確かに良い魔法だね」





「では、早速新しく取得した魔法を披露しようじゃないか!」


 リサ達は驚いている。

「えっ、ここで発動しても大丈夫なのですか!」


 僕は頷く。

「心配しなくても大丈夫。むしろ今発動させたい」




 僕は目を閉じて魔法発動の準備をした。

 この中級魔法である為、承認まで少し時間がかかる。

 ブツブツとつぶやいて、白目になる。


 新しい魔法を発動!




 その瞬間、僕の周りが一気に七色の光に包まれた。その光は僕達がいる空間の上空に素早く広がり形作った。


 その形作られた頭上の光の姿を見たリサの瞳も七色に輝いている。

 隣にいる盗賊達も童心に戻ったような表情だ。



 リサは胸に手を当て、その七色の光に見惚れながら笑顔でつぶやいた。



「虹を作る魔法って綺麗で、素敵です!」


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