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異世界転生チート勇者様、私に惚れているらしく、他の何にも興味がないらしい  作者: よつ丸トナカイ
【第3章】 新しい僕らのパーティ

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第33話 ダンジョン、リベンジ!

 今日は、先日のダンジョンに再挑戦する為、再開したマジソンと街道を歩いている。

 数日振りの僕の所属パーティ「のんびり倶楽部」の活動だな。




 しばらく進むと、山賊の女性と出会った地点に着いた。


「マジソン、今日は流石に誰もいないね」

「先日、山賊のアジトを僕達が制圧したから、この辺の治安も良くなったとギルドで聞きました。皆さんその話でもちきりでしたよ。」


「えっ、冒険者ギルドそんな事になっているの?」

「はい、おかげで『のんびり倶楽部』の知名度も上がって、今では僕も人気者です!」


「よかったじゃない。人気者になったら色んな人が寄ってくるね」

「実は既に、どうやって制圧したの、その後の山賊の管理は? とか聞かれまくりです。

 だからね、僕の活躍をみんなに話してあげているんですよ。」



 嬉しそうに話をしているマジソンを見て僕は思ってしまった。


(制圧に関しては、君、何もしていないんじゃん!)



 そんな事は心にとめ、先を急いだ。

 この辺りは山賊が良く襲撃に使っていた場所。

 だけど、いまだに周辺で気配を感じる。


「あいつら、まだ山賊行為しているのか?」



 少し不安に思いながら周りを見渡した。

 草藪の中から山賊の頭領が、ひょっこり顔を出す。



「これは、勇者様。今回はどのようなご用事で?」

「先日行きそびれたダンジョンに向かう途中だ」


「そうですか、それはお気をつけて!」

「で、お前らいまだに山賊行為をしているのか!?」


「滅相もございません。あれから心を入れ替えてこの辺りの清掃・治安警備を致しております」

 頭領は、ぎこちない笑顔を浮かべて答えた。



 僕は安心した。

 言われてみれば、以前来た時より街道が綺麗に整備されている。

 しかも不審な人物も見かけなかった。

 だけど、一つ心配な事がある。



「それは、良い心がけだ。だが山賊行為を止めた今、収入はどうしているんだ?」

「へい、都市間での警護が主な収益源でございます。」



 僕は驚いた。山賊行為という違法な事をしなくても、ちゃんと真面目にやれるじゃないか。


「おかげさまで、地域の治安向上にもつながり、この地域の領民の方々にも信頼を得始めてます。

 最近では、感謝されて採れたての野菜を頂いたりもしております」



 頭領の笑顔が眩しい。

 先日までの笑顔は邪悪で欲にまみれていたが、今は違う。

 自分たちの使命を感じた誇りを持つ笑顔だ。



 その話を聞いて、マジソンも笑顔で声をかけた。

「その調子で、これからも頑張れよ!」


 頭領の笑顔がなくなり、まるで邪鬼の様な表情に変わる。

「てめえ、うっせーぞ。 今度俺様にそんな口の利き方したら、丸太にくくりつけて滝の上から投げ捨てるからな!」



 マジソンは怯えて、僕の後ろに隠れた。

 やっぱりマジソンには厳しいんだね。

 先日の『僕に歯向かわないようにする魔法』、少し間違えたかな?

 マジソンには厳しくする魔法なんて、入れていないはずだけどな。



 とりあえず、このままだとマジソンの身が危ない。

 頭領に挨拶をしてその場を離れた。



「マジソン、凄く嫌われていたね。君、山賊たちに何したの?」

 マジソンは首をかしげていた。


「とくに何もしていないはずですけど。あえて言うならアジトを占領した後に、頭領の机の上に立ち上がり、勝者の証として頭領の帽子を燃やしただけですけどね。特に何もしていないな?」



 ――― こいつは、やはり馬鹿だろう ―――



「マジソン君、それは駄目だよ。山賊にもプライドがあるんだから」

「でも、普通はしますよ?」


「この世界ではそのような事をするかもしれないけど、負けた相手にそれは駄目だよ。相手を上手く持ち上げて、いい気持にさせた方が今後の為にも大切だよ」


 気が付くと僕は、邪悪な笑顔で説明していた。




 実は、転生前のブラック企業で同じことを僕はやらかしていた。

 とある件で上司と言い争いとなった。

 最後は社長が間に入り僕の正しさを認めてくれたので、その口論は僕が勝った。


 だが、問題は次の日からだ。

 あからさまに上司による嫌がらせ。

 ノルマが増え、横取りは当たり前。

 しかも誰も行きたがらない顧客の担当までやらされた。


 つまり、長い目で見たら僕の負けだ。




 マジソンはまだ若いからその事を理解していないかと思う。

 これもいい勉強の機会だ。

 山賊からは一生嫌われ続けるけれど、何とか上手くやって欲しい。




 いいこと、思いついた。

 さっきの山賊の管理の担当、マジソンにしてもらおうかな(笑)

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