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異世界転生チート勇者様、私に惚れているらしく、他の何にも興味がないらしい  作者: よつ丸トナカイ
【第2章】郡領都市 マーズフォレト

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第21話 閃きとリサの決意

 私はリサ。

 この街に来てから毎日、「医薬局製造所」で助手として働かせてもらっています。

 また、仕事の合間には医薬局のメディソン課長から薬の調合を学ばせてもらっており、私が調合できる薬の種類も増やすことが出来ました。

 これらの薬が村の発展に役立つ日が待ち遠しいです。



 課長は机に座わり、険しい顔で考え事をしていた。

 その姿を見て、私はお茶を準備してメディソン課長の元へ持って行った。


「課長、そんな眉間にしわを寄せながら考えていたら、解決する問題も解決できませんよ!

 お茶でも飲んで、リラックスしてください!」



 課長に笑顔が戻った。お茶を受け取り、首を左右に揺らしながらリサに話しかけた。

「どうしても、薬の良い調合方法が見つからないんだ。

 とある素材を潰すと汁がでてしまい、他の素材と混ぜる事が出来ないんだよ」


 私も腕組みをしながら一緒に考えた。

 だけど、調合を最近学び始めた私には、その問題を解決するだけの知識など持っていない。

 出来る事は、課長にアイデアが浮かぶよう、サポートするだけだ。




 課長の机に置かれていたフライドポテトの皿が目に留まった。

 皿を持ち課長の前に差し出した。

「課長どうですか、フライドポテト食べたら名案が浮かぶかもしれませんよ。

 でも、この街でポテト料理は初めて見ました。

 どのお店に行っても人気のあるカボチャ料理ばかりですからね」



 課長は勧められたフライドポテトを一本つまみ、口に入れようとする。

 その時、課長の動きが止まった。

 課長は、フライドポテトを凝視し、塩の塊を指でつついた。


「そうか、この方法ならいける!」

 課長は立ち上がり、作業机へ向かう。私も後を追った。



 数種類の薬草を細かくすり潰す。

 課長はアイデアが閃いて興奮しているのか、すり鉢が暴れ中身がこぼれそうになった。

 私はこぼれない様、すり鉢を支えた。


 課長は私をちらっと見て頷き、そのまま作業を続けている。

 最後に問題となっていた小さい素材をそのまま混ぜた。



 課長は静かにすり棒を作業台に置いた。

 私は静かに課長を見つめる。


「これで良かったんだ。無理にすり潰す必要はなかったんだ。

 他のすり潰した薬草と一緒に服用しても、体の中で消化・吸収できる。

 とても単純な解決方法だったよ」



 私は笑顔になった。

「解決できてよかったです」

「さっき進めてくれたフライドポテトの塩を見て閃いたんだ。

 フライドポテトの塩は表面に付着しているだけだ。だけどちゃんとフライドポテトには塩味がするよね。」


 私は目を輝かしながらつぶやいた。

「本当に凄いです!やはり薬学の知識がある人から見ると、些細な事でもヒントになるんですね」


 照れくさそうに課長は頭をかいた。

「たまたまだよ。だけど、知識を持ち活用する事が、私たちの生活を向上させる為には大切な事だよ。リサさんも、たくさん知識を身につけて活用してくださいね」


 私は笑顔で返事した。

「はい! 頑張ります」



 私には、力をつける事は出来ないけれど、知識をつける事は出来る。

 だから、その知識を武器に村の発展をさせようと、改めて決意した。


 あっ、力が必要な時は勇者様にお願いすればいいか。


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