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異世界転生チート勇者様、私に惚れているらしく、他の何にも興味がないらしい  作者: よつ丸トナカイ
【第2章】郡領都市 マーズフォレト

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第17話 冒険者ギルドから、初の依頼

「翔馬さん…。」


僕は苦笑いをしながら冒険者ギルドの「依頼達成確認窓口」に立っている。

初めての冒険者ギルドからの依頼「アマガエルを10匹捕まえる」の達成報告に来ているのだが、何故だか怒られている。



窓口の黒縁のメガネをかけた職員は大きくため息をつき、僕を見つめて話し始めた。

「いいですか、ギルドからの初回の依頼、単に『アマガエルを10匹』持ってくれば良いのではありません。冒険者ギルドでの流れを知ってもらう大切な意味があるんですよ。

でなければ、こんなアマガエル10匹持ってこられても、こちらとしても迷惑です!」



僕の冒険者ギルドからの初めての依頼は「失格」だった。

初回依頼が「失敗」は時々あるらしいが、「失格」は初めてらしい。

他の冒険者とは違うところを見せられた!と自慢したら、更にその受付の人に怒られてしまった。



実は、この依頼、あまりにも内容が簡単すぎてやる気が起きなかった。

だから、路地裏で遊んでいた子供たちにお金を握らせて、10匹のアマガエルを持ってきてもらったのだ。


で、それが冒険者ギルドにバレてしまったと。

でもそのギルドの黒縁メガネ君はとても優しい。再度チャンスを僕にくれた。




真面目にアマガエルを捕まえる為、街の外に広がる水田へ向かった。

そこに生息しているらしい。


水田を見て気づいたのだが、この辺りは小麦でなく米が栽培されている。

エジマーズフォレト村とは違い、街の周りが湿地になっているのが理由だろう。

米が収穫できるという事は…。お茶漬けが食べられるのか!

まさか異世界で日本食が食べられるとは思わなかった。

街に戻ったらお米を買いに行こう!




その前に、依頼を達成しないと何も始まらない。

アマガエルが居るかそっと水田をのぞき込んだ。

水面は鏡の様に静かで、遠くの風景を映し出している。生物の気配は全くない。

でも水底に何かが居る。手に取った石を投げた瞬間、すごい数のアマガエルが散らばり逃げて行った。



沢山いるじゃん!



わざわざ子供にお金を渡してまでする事でなかった。

お金、もったいなかったな。

やはり、ギルドの黒縁メガネ君は正しかった。



だが、ギルドの依頼にされるぐらいだ。きっと、すばしっこく逃げ回り捕まえるのが困難なんだろう。

僕は1匹のアマガエルにゆっくり近づき、静かに両手を伸ばした。



「捕まえた・‥。」



その後残りのアマガエルも同様捕まえる。

所要時間 1分。


ギルドに戻り達成報告をした。

所要時間 1分。



僕はギルドから渡された『依頼達成書』を見つめながら、冒険者ギルドを後にした。

冒険者ギルドでの初依頼、終わってしまった。

非常に簡単だったが、これでいいのか?


正面を向き、胸を張って歩き始める。

大丈夫だ。これで完了している。

これで僕も正式に「伝説の勇者」になったはずだ。



そして、目の前の空間で指を横に動かしステータス画面を開いた。

魔法と勇者の免許がそれぞれ「仮免許」から「免許」に変わっている。

有効期限も伸びている!


こうして僕は正式に『勇者』となった。



あぁ、転生してから今まで、特に何もなかったけど、長かった。

これからは、『新生、伝説の勇者』として気を引き締めて歩んでいこう。


気を引き締めながら、リサへとの待ち合わせ場所に向かう新生・伝説の勇者であった。


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