4. 会社員・宇佐美友哉の場合
宇佐美友哉は26歳で、会社員として働いている。大学生時代から付き合っている彼女へのプロポーズを考えていた。友哉はいわゆるブラック企業で働いていて、繁忙期は会社に泊まったこともあるくらいだ。退職したいけれど、彼女にプロポーズするのにまとまったお金が必要なので、なかなか退職にら踏み切れなかった。
そんなある日、友哉のLINEに男友達からある写真が送られてくる。それは彼女が違う男性と腕を組んで歩いている写真だ。
「お前の彼女、浮気してるっぽい」
LINEにはそう書かれていたものの、友哉はまさか彼女に限って浮気なんてという気持ちだった。ある程度様子を見てからどうするか考えようと思い、一定期間泳がせる。
すると彼女の家に泊まりに行った際、彼女のスマホに男から「次はどこのホテルに行く?」というLINEの通知が来ているのを友哉は見つけた。ホテルってことは浮気か? あいつが言ってたのは事実だったんだな。トイレから戻ってきた彼女に浮気しているのかと友哉が問い詰めると、彼女はあっさり事実を認めた。それどころか、
「この人と付き合うことになったから、もう友哉は用無しね」
と開き直る発言もした。そこで友哉はすかさず彼女の家から飛び出し、「悩める人のための食堂」を見つける。誰でも良いから話を聞いてほしい。友哉はそんな気持ちでいっぱいだった。
個室にて、友哉は男性店員からヒアリングを受ける。友哉はブラック企業で働いていて退職を考えていることや、結婚を考えていた彼女の裏切りについて打ち明けた。男性店員は友哉の話を真摯に聞き、
「今日は宇佐美さんを元気づけるためにある料理を用意します」
とキッチンに向かっていく。それから友哉に提供されたのはオムライスだ。オムライスを食べている最中、友哉は転職や違う場所に引っ越しをして一からリセットしようと考えた。