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第六章〜強盗事件
書かせて頂きました。投稿致します。もうすぐエピローグです。
健三が顔を上げて美桜を見た。
「その強盗による書店側の現金の被害額というのがね・・・」
「はい」
「二千円だというんだ。たったの二千円だよ。どう思うね。桜林クン?」
美桜は、ぱっと直感的に思いついたことを口にしてみた。
「あの、その・・・。盗られたのはその、例の二千円札だったのでは?」
「ふむ。やはり君もそう思うのかね。その通りだミオ君」
美桜は予想が当たったことに逆に驚いた。
「さよう。書店のな。レジスターの読み取った現金の出入りの記録と照合したところによってもそれは確認されている。本官の推理通りだったよ」
不謹慎にも彼の表情は自慢げで誇らしげだ。事件なのに。
「それで?」
美桜は思わず尋ねた。
「何故犯人はそのようなものを?」
有り難う御座いました。