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第五章〜新事実
投稿させて頂きます。宜しく御読みになって頂けましたら幸いです!
「よろしい」
健三が細かくこくこくと、頷いた。
しかし、そこまではわかって当然、という意味が読み取れる。
本題は多分、この先だ。
案の定、健三が待ってましたとばかりの顔で続けた。
「だが、ここまではただの茶番だ」
「ええ」
それは美桜としても予想通りの言葉であった。
「さて。ところで、先程、所轄の本部から連絡があったのだ」
「はい」
「この交番の管轄内で、ある案件が起きたのだ」
「はい」
美桜は、従順に 上官の言葉に耳を傾ける。
「強盗事件と認定された案件だ。先程、捜査本部の設置も決められたばかりだ」
「はい」
「事件発生日時は、本日の午前10時十五分。現場は先ほども言ったろう・・・」
「は」
「例の書店だよ。佐伯さんがご自身の財布を紛失する直前に買い物をした、あの書店、な」
そこで健三が意味ありげに言葉を切ったのだ。
有り難う御座いました。