第三章〜推理する
御早う御座います。宜しく御願い申し上げます!まだまだ書きます。
━━しかし、なにか引っ掛かるような気もする。
美桜はそのレシートを手に取り、じっと観察してみた。
『お釣り』の表示の次の数字が目に入った。
・・・¥1600とあった。
━━成る程、書店で¥400の文庫本を買って、¥1600の釣り銭を受け取ったのか、この財布の持ち主は・・が。
それだけの情報は手に入った。
それだけ?
いや━━。
何か引っ掛かる。
━━そうだ。
通常、¥400の物を購入して、¥1600のお釣りを手にする数字の組み合わせって、あったろうか?
あ!
なるほど。
二千円札ではないのか?
そう。この財布の持ち主は、どういう経緯かは知らないが、たまたま二千円札を保有していたのではないか?
そしてその二千円札を書店で使用したということか?
【今はなき】と思われた、かつて限定的に発行された二千円札。
数は少なくとも、まだ残っているという噂は美桜も聞いたことはあった。
こんなころに!
といったものだ。流通量は少ないといえど立派な紙幣なのだから、一般的な場所で使用できないはずはない。
そうか その2000円札を使ったのだな。
美桜はとりあえずもそれだけは閃いた。
健三の顔を見てみた。
有り難う御座いました!