第一章〜遺失物
書かせて頂きました。宜しく御読みになって頂けましたら幸いです!
━━どうしてだろう?なにか、違和感があるのよ。なんでだろう?
美桜は、何か滅多に目にすることのない珍しいものでも見てしまったかのような違和感を感じてならないのであった。
━━なんだろう?
美桜は気になった。
一方、大林 健三巡査部長の方はといえば、やはり何かを示すように美桜の顔を見つめている。
「ひとの顔を見つ
めるのはおやめください。巡査部長殿?」
堪らず美桜は訴えるが、彼には聞き入れて貰えそうになかった。
もはや健三はあからさまに笑顔を作っていた。
彼はとうとう言った。
「きみはこの財布、また財布の中身から何かを推理しないかね?」
彼の声は太くよく通る。
美桜はその声が少し苦手であった。
渋々(しぶしぶ)、応える。
「はぁ。ほ、本官にはとくに・・・、なにも・・・わかりません」
新人らしく正直に答えたのだ。
「そうか」
彼は少し残念そうだ。美桜があまり優秀ではないと諦観しているといったふうだ。
もえ一度、美桜は机に並べられた財布の中身に目を遣った。
が、とくに変わったことはないように思えてならなかった。
健三は相変わらず余裕を示すかのような笑み。
━━なんですの?失礼な。
美桜は言ってやりたかったが、何とかその言葉を呑み込んで耐えた。
御読みになって頂きまして、誠に有り難う御座いました!