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勇者として異世界召喚されたんだが、巻き込まれて一緒に召喚された人が実はヤバかった件  作者: 鷹沢綾乃
Act.3 深まる謎

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17.勇者たちの独り言 その3

 いつもの、勇者たちのぶっちゃけ話です。

 主人公以外の勇者たちから見た、軍師殿(笑)の話でもあります。


―火村視点―


 領主様がいた町を後にして、オレたちはさらに進んでいくことになった。

でも、うっかり見つけちまったんだ、明らかに、人族の町じゃないっていうか、つくりが街の造りじゃないところ。

 要は、有角族(ホーンド)の軍事拠点ってやつ。

 見つけたのは、もうすぐ昼になるかなってぐらいの頃。

 大きさは、真ん丸な形ではないけど、ちょっとした丘の上に建てられていて、大体直径300メートルくらいある、結構な広さのところ。

 ……見つけたくなかったんだけどなあ……


 見つけたからには、破壊工作を仕掛けるっていうのが、“ゲリラ戦をやる”っていうオレたちの戦い方っていうか、早見さんの方針だから。

 そのどこぞの誰かさんは、『勇者に仕える交渉役』とかぬかしてたけど、そんなわけあるかよっ!? どう考えても、オレたちの指揮官じゃねーか。

 一応、今のオレのステータス、こんな感じ。


「火村 吉輝」

異世界の勇者(6Lv)

――――――――

STR(筋力)   190

DEX(敏捷)   160

INT(知力)   88

VIT(体力)   180

MAG(魔力)  140

PER(知覚)   143

――――――――

HP     260

MP    195

――――――――

<火の精霊神の加護>

<神聖魔法>

<武器:斧槍(ハルバード)6Lv>

<武器:小剣5Lv>

<火魔法:火矢(ファイア・アロー)4Lv>

<火魔法:火球(ファイア・ボール)3Lv>

<風魔法:風(ウインド)操作(・コントロ―ル)3Lv>

<土魔法:土罠(スネア)3Lv>

<無属性:身体強化3Lv>

<無属性:清浄(クリーン)1Lv>


 だいぶ強くなってはきたと思うんだけどな。

 けど、みんなにはっきり言われてるんだけど、オレ、魔法の加減がよくわからないんだわ。だから、魔法より武器で戦う能力を伸ばせって言われるんだが……

 せっかく魔法がある世界に来たんだし、魔法使いまくりたいって思うのは、人情じゃねーかって思うんだけどなあ……


 で、遠くのほうに明らかに人の背丈をはるかに超える石積みの壁がそびえたち、見えている門の前には、がっちり武装した明らかに有角族(ホーンド)とわかる連中が、左右にひとりずつ。

 さらに、内部に何人も詰めている気配が感じられる。

 ……この門を破って中に突撃するの、きつくねーか?

 ……作戦考えんの、早見さんだろうけどな。オレには、全然思いつかねえんだもん。

 で、作戦が出来たら、オレたちがそれを実行する、と。

 あんまり、変な作戦考えないでくれよ、早見さん。

 女の子たちのほうが、いろいろひらめく気がするんで、何とか、無茶な作戦にならないよう、頑張ってほしいもんだけどなぁ……


  *  *  *  *  *



―水谷視点―


 正直見つかってほしくなかったけど、軍事拠点、見つかってしまったのよね。

 遠目に見ても、普通の町じゃないって、すぐわかったし。

 それで、早見さんは早速、『どうやって破壊工作するか、考えないとね』といつも通り真面目な顔で告げてくる。

 ホントにこの人、戦闘能力はないくせに、軍師的なことやらせるとちゃんとこなせるのよね。


 その施設の存在に気が付いたのは、皮肉なことに私たちが街道をわざと外れて進んでいたから。

 街道沿いに進んでいたら、気づかなかったかもしれない場所に、それはあった。

 街道から、ちょうどちょっとした森を挟んだ位置にあったから。場所としては、“馬”で進んだら3~4日で例の占領した陣地にたどり着けるかな、っていう位置。


 馬車だったらもう少しかかるだろうけど、私たちが慎重にゆっくり目に歩いてきたことを考えると―体力のない早見さんが、充分ついてこれてたんだから、ゆっくりだったはず―そこそこの時間で補給は出来たはずの場所じゃないかと思う。

 ……見つけた途端、内心テンションダダ下がりになったけどね。

 やらなきゃだめか、って。

 今の私のステータスはこんな感じ。


「水谷 瑞穂」

異世界の勇者(6Lv)

――――――――

STR(筋力)  147

DEX(敏捷) 180

INT(知力) 180

VIT(体力)  132

MAG(魔力) 190

PER(知覚)  155

――――――――

HP      165

MP      260

――――――――

<水の精霊神の加護>

<神聖魔法>

<水魔法:水の弾丸(ウォーター・バレット)6Lv>

<水魔法:回復5LV>

<武器:小剣4Lv>

<水魔法:創霧(クリエイト・フォグ)3Lv>

<風魔法:風の刃(ウインド・カッター)3Lv>

<土魔法:土の盾(ソイル・シールド)3Lv>

<光魔法:光珠(ライトボール)1Lv>

<無属性:魔力操作3Lv>

<無属性:清浄(クリーン)1Lv>


 そりゃ私だって、来たばかりの頃より、ずっと強くなったって実感はしてるわ。でも、だからって、たった4人が、この程度の力で、あの拠点を落とせるなんて思えない。

 早見さんだって、常々言ってるじゃないの、『数の暴力は成立する』って。

 あそこは軍事拠点なんだから、戦える人たちばかりが集まっていて、物資も豊富。

 そこにたった4人で突っ込むなんて、それこそ死にに行くようなものだわ。

 本当に、どうするつもりかしら。


*  *  *  *  *



―土屋視点―


 うわぁ、ほんとにあったんだ、軍事拠点。しかも、見た目結構鉄壁な守りっぽい。

 だって、近づけばすぐわかる開けた丘の上に建ってるし、高い外壁で守られてるし、よく見れば周囲に堀だって巡らせてある感じ。

 有角族(ホーンド)だってすぐにわかる門番もいるし。

 堀の深さを調べたくっても、近づけないじゃん。

 早見さんは、ここに吶喊(とっかん)かけるっぽいこと話してるけど、無理だよぉ。


 と思ったら、思いがけないことを言われた。『君の力を使えば、きっと潜入出来ると思うよ』だって!

 なんで~?!

 いきなりそんなこと言われても、わけわかんない。

 それにわたしの中で早見さんていったら、やっぱり“風間(攻め)×早見(受け)”っていう妄想の中の住人って感じなんだよね。


 水谷さんは『あの人軍師よね』って言ってたけど、確かになんかそんな気もする。

 でもねぇ……その“軍師様”が、なんでそんなこと言うのかわからないんだよ。

 早見さんは『考えてみてごらん』っていうけど、思いつかないものは思いつかないもん。

 仕方がないから、今の自分のステータスを確認してみた。


「土屋 藍」

異世界の勇者(6Lv)

――――――――^

STR(筋力)  158

DEX(敏捷) 175

INT(知力) 175

VIT(体力) 148

MAG(魔力) 163

PER(知覚) 155

――――――――

HP     182

MP      195

――――――――

<土の精霊神の加護>

<神聖魔法>

<武器:短槍6Lv>

<土魔法:石礫(ストーン・バレット)4LV>

<武器:短剣5Lv>

<土魔法:土の盾(ソイル・シールド)4Lv>

<水魔法:回復3Lv>

<火魔法:炎(ファイア)操作(・コントロ―ル)3Lv>

<無属性:身体強化3Lv>

<無属性:清浄(クリーン)1Lv>


 眺めてみても、ピンとこない。

 わたしが頭をひねってると、ほかの3人も一緒に考えてくれることになった。

 ……火村さんには期待しないけど。脳筋っぽいんだもの。

 風間さんは……火村さんよりましって感じ。

 やっぱり、一番頼りになりそうなのは、水谷さんだよね。


 それに……もしかしたら、同(・)じ(・)趣(・)味(・)で(・)盛(・)り(・)上(・)が(・)れ(・)る(・)か(・)も(・)って予感がする。

 やっぱり、同じ“萌え”を共用出来れば、きっと明日への活力になる。

 ……まあ、現実逃避だってわかってはいるんだ。

 でも、やっぱり厳重な警備が敷かれてる軍事拠点なんか、突っ込みたくないもん。

 ああもう、もっと現実逃避したいのに、早見さんがこっちをじっと見てるから、出来ないじゃん。

 ……わたしの土魔法、そんなに役に立つの? <石礫(ストーン・バレット)>とか、<土の盾(ソイル・シールド)>ぐらいしか、使ったことないんだよ……?


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