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勇者として異世界召喚されたんだが、巻き込まれて一緒に召喚された人が実はヤバかった件  作者: 鷹沢綾乃
Act.2 戦乱の先へ

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08.勇者たちの独り言 その2

 今回も、主人公以外の3人の勇者たちの目から見た顛末です。

 それぞれの勇者たちの本音をどうぞ。

―火村視点―


 慌ただしく、って言葉が本当にしっくりくるようなバタバタ感で、オレたちは砦を出発。最前線の陣地に向かった。

 でもな、案内の人についていくだけでも、結構な緊張を強いられるっていうか、いつ敵が来るかわからないっていうか。

 そりゃ、風間のヤツは霊感があるとかで、『襲ってくるのは明日』って言ってたけど、いつ何時、何があるかわからないって案内役も言ってたしな。

 実際、陣地へ移動中に襲われたこともあったらしいし。

 途中の道は、一応草地の中に通っていて、見通しが悪いわけじゃないんだが、ところどころ大きめの藪があって、そこに敵が潜んでるんじゃないかって気がして、なんだかヒヤヒヤしたんだよなあ。


 しかし、まさか早見さんがくっついてくるとは思わなかった。

 あの人、確かに度胸はあるし、一番現実を見てる人だってのはわかるんだけどな……なんで戦闘能力ないのに、最前線までくっついてくるんだよ。

 オレたちにはあんなこと言っときながら、自分はどうなんだっての!

 ま、風間のヤツがなんとかするだろうとは思うけど、ほんと、どうなっても知らねーぞ。

 一応、クリスの光学迷彩で隠れてることにはなったけど、魔法や飛び道具の流れ弾に当たったら、どうにもならなくなると思うぞ。


 それでも何とか、陣地には無事にたどり着けて……案内役の人が先触れとして話をしに行ってくれて、それから陣地に入ったんだが……

 正直、“大丈夫か、この陣地!?”って思ったね。

 1メートル半ぐらい土を盛り上げた壁があり、たった1ヶ所の出入り口は、大体幅1メートルぐらい。

 一応陣地に一番近いところには、ちょっとした足止めとして、木を組んだ車を止めるバリケードに似たようなものが置いてあった。3~4人で担いで動かせるぐらいの重さだそうだ。

 その中に、向こう(元の世界)のタープもどきの屋根がいくつかあるだけのもので、丸い形のそれは直径は50メートルちょっとぐらい。

 屋根の中に、物資が積んであったり、わらみたいなのが敷いてあって、おそらくは寝床なんだろうな、というところがあったり。

 こりゃ、修学旅行の旅館どころの騒ぎじゃないぐらいの雑魚寝になるぞ。


 オレは、自分の心を落ち着けるためにも、改めて自分のステータスを確認した。


「火村 吉輝」

異世界の勇者(4Lv)

――――――――

STR(筋力)   180

DEX(敏捷) 150

INT(知力)   80

VIT(体力)   170

MAG(魔力)  130

PER(知覚)   136

――――――――

HP     240

MP    182

――――――――

<火の精霊神の加護>

<神聖魔法>

<武器:斧槍(ハルバード)4Lv>

<武器:小剣3Lv>

<火魔法:火矢(ファイア・アロー)3Lv>

<火魔法:火球(ファイア・ボール)2Lv>

<風魔法:(ウインド)操作(・コントロ―ル)2Lv>

<土魔法:土罠(スネア)2Lv>

<無属性:身体強化2Lv>


これで、何とかなるかなあ。なってほしいな……


*  *  *  *  *


―水谷視点―


  一応、陣地に着いたことは着いたけど……いくら仮設とはいえ、ちょっとひどくない?

 まともに寝泊まり出来るところもないなんて!

 それに、トイレよ!

 砦はさすがにもう少しマシだった。ちゃんと、個室があったもの。

 ここ、囲いも何もないところに置いてある箱の上に腰かけるらしいの。中に壺が置いてあって、それに溜まるらしいんだけど……


 見かねた早見さんが、3つ並んでる箱のうちの一つを、クリスの糸で間仕切りを作って見えないようにしてくれた。

 こういうところは、さすがと思う。

 こっちの人たちが、絶対に気づかないところに気が付いて、フォローしてくれるのはありがたいな。

 でも……戦闘能力皆無なのがねえ……

 何だか、風間さんがいろいろ気を使ってるみたいだけど、どうなんだろう。

 とにかく、魔族……じゃなかった有角族(ホーンド)を押し返して、この陣地が安全になったら、私たちはお役御免になるはずなんだけど……

 いつになったら、そうなるかしらねえ。


 もうすぐ暗くなってくる。そうなる前に、私たち自身の場所を確保しておかないとね。

 ここに、何日滞在することになるか、わからないんだもの。

 私たちは物資を引き渡すと、まだ空いていた一角に自分たちのタープを張った。そして、もう1回クリスに頑張ってもらって間仕切りを作り、私と土屋さんの為の空間を確保した。

 だって、他全員男なのよ。着替えたくても、着替えられないじゃない!

 勇者仲間や早見さんはまだ信用出来るけど、他はどう考えてもデリカシー皆無としか思えないもの。

 いざとなったら、実力行使したっていいわよね。正当防衛だもん。


「水谷 瑞穂」

異世界の勇者(4Lv)

――――――――

STR(筋力)  134

DEX(敏捷) 170

INT(知力) 170

VIT(体力)  124

MAG(魔力) 180

PER(知覚)  145

――――――――

HP      160

MP      240

――――――――

<水の精霊神の加護>

<神聖魔法>

<水魔法:水の弾丸(ウォーター・バレット)4Lv>

<水魔法:回復3LV>

<武器:小剣3Lv>

<水魔法:創霧(クリエイト・フォグ)2Lv>

<風魔法:風の刃(ウインド・カッター)2Lv>

<土魔法:土の盾(ソイル・シールド)2Lv>

<無属性:魔力操作2Lv>


 これだけの力があれば、実力行使あり、よね。


*  *  *  *  *


―土屋視点―


 たどり着いた陣地が、本当にどうしようもないところだった。

 価値観がほぼ同じな早見さんが、いろいろやってくれたおかげですこしはマシになったけど、ほんとに嫌になっちゃう。

 男の中に、女が2人だよ。水谷さんが一緒に頑張ってくれて、早見さんが実際に動いてくれて、最低限の間仕切りが出来て、これで何とか陣地で過ごせるようになったと思う。

 まさか、人が実際に滞在してる陣地の中で、ほぼ野宿に近い感じで泊まることになるって思わなかった。

 いくらなんでも、もう少しマシだって思ってたんだけど……

 そういえば、その前の砦だって、そういう意味ではたいしたことなかったもんな。

 やっぱり、王宮での扱いが特別だったんだなって、今更実感してる。

 男所帯って、何だかむさくるしいっていうか、どことなく汚らしいっていうか。


 それに早見さんが『ないとは思うけど、セクハラ的なことをされたなら、容赦なくぶっ飛ばしていいと思うよ。そうしないと、相手は止まらないと思うから。大丈夫、正当防衛だと僕が言い張るから』って言ってたね。

 わたしも、そんな気がする。


 それにしても、風間さんがまた、早見さんといい感じなのよね。

 なんか、風間さんて、早見さんにいろいろ気を使ってるみたいだし、早見さんクールビューティー系でときに冷たく突き放してくるときもあるけど、普段は面倒見がよくて優しいんだってわかったし。

 やっぱり、わいてくる不平不満を散らすためにも、妄想するべきだと思う。言わなければ、誰にもわからないんだし。

 そうなると、わたしの中では風間(攻め)×早見(受け)なんだよね。正直、早見さんがツンデレだったら完璧だって思っちゃうんだけど……そううまくはいかないよね。

 あの人がツンになる時って、理由があるんだもん。

 だから、本当の意味でのツンデレとは言えないと思う。

 ツンデレがデレる瞬間って、美味しいんだけどなあ。


「土屋 藍」

異世界の勇者(4Lv)

――――――――^

STR(筋力)  150

DEX(敏捷) 165

INT(知力) 165

VIT(体力) 140

MAG(魔力) 154

PER(知覚) 145

――――――――

HP     175

MP      184

――――――――

<土の精霊神の加護>

<神聖魔法>

<武器:短槍4Lv>

<土魔法:石礫(ストーン・バレット)3LV>

<武器:短剣3Lv>

<土魔法:土の盾(ソイル・シールド)2Lv>

<水魔法:回復2Lv>

<火魔法:(ファイア)操作(・コントロ―ル)2Lv>

<無属性:身体強化2Lv>


 わたしの今のステータス。これだけあれば、セクハラおやじなんて、ぶっ飛ばせるよね。


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