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勇者として異世界召喚されたんだが、巻き込まれて一緒に召喚された人が実はヤバかった件  作者: 鷹沢綾乃
Act.4 今更ファンタジー!?

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21.魔法の力を強めたい

 「後、村人に認識されないようにするという方法も、あるといえばあるんだけどね」


 早見さんがそう言うと、みんな興味をひかれたような表情になる。


 「なんだ、その“村人に認識されないようにする方法”って?」


 火村が、素直に訊いてくる。


 「つまり、“光学迷彩”や“心理的透明”を使ってそこにいると気づかれないようにして探るという方法もあるということさ」

 「「「「“光学迷彩”? “心理的透明”?」」」」


 思わず声がそろっちゃったけど、光学迷彩はともかく、“心理的透明”ってなんだ?

 俺たちが『疑問です』ともろに顔に出てる状態だったのか、早見さんが苦笑気味に説明してくれた。


 「光学迷彩は、クリスの例を見ればわかるだろうから説明は省くよ。“心理的透明”だけど、それはつまり、視界には入っているけれど、気にも留められていないから、存在していると認識されていない状態のことだよ」


 ふぇ、そんなこと、起こるの?

 思わず口から出ちゃったか、早見さんが答えてくれる。


 「例えば、君たちは道端に石ころが転がっていたとして、それを気にしてじっと見ていたりするかい? しないだろう? “心理的透明”とは、それと同じで周りが気に留めなくなるから、()()()()()()()()()()()()()()が起こるんだよ」


 そして、“光学迷彩”は光魔法だが、“心理的透明”は闇魔法の領域に属するものだと言った。

 闇魔法と言われ、みなの視線が土屋さんに集中する。

 当の土屋さんは、きょとんとした顔で『わたし~?』とばかり、自分を指さしている。

 まあ、今まで闇魔法って、あまり注目してこなかったもんな、みんな。


 「闇魔法の本質は、精神操作だ。それは前に言っただろう? 相手の精神に働きかけて、こちらに意識が向かないようにすると、それが“心理的透明”になるんだよ」


 なんとなくだけど、早見さん自身が使ってる<隠蔽>とか<認識阻害>と似たようなものかもな。特に、<認識阻害>のほう。

 だって早見さんリーフ王国のお城にいたころ、<認識阻害>をすごく強めた状態でお城の書庫に入り込んで、誰にも気づかれずに機密になってるはずの資料まで読んでたらしいもん。

 それってつまり、“心理的透明”になってたってことだよね。

 ってことは……同じようなことが出来るってわけか。なんか納得。


 「闇魔法って、あたりを真っ暗にするだけじゃねーのか?」


 火村が、どストレートに口に出し、周囲の目が生暖かいものになる。

 ……そういうこと言い出すから、脳筋って言われるんだぞ。


 「……前にも言ったはずだけど、暗闇に閉ざされた時、不安な気持ちにならなかったかい? そういう精神的な動揺が、精神操作の入り口になるんだ。それが、この世界の闇魔法の本質だよ」


 早見さんにそう言われ、火村は“そんなもんかなぁ”という顔で頭を掻いている。

 まあ、これに関しては。頑張るのは土屋さんだけどな。


 「……でも、そういうことが出来るなら、やってみる!」


 土屋さんが、前向き発言をした。

 で、ここまではよかったんだけど、土屋さん、いきなり練習始めちゃったんだ。

 そのせいで、いきなりあたりが真っ暗になったり、バスケットボールぐらいの大きさの真っ黒な球体があたりを飛び回ったりして、軽くパニックになりかけたりして……


 「ちょっと! 落ち着いて! 今急に頑張らなくていいから!!」


 水谷さんが、悲鳴のような声を上げる。

 それでひとまず止まったけど、土屋さん、何かに夢中になると、やらかす人だったのか。今まで、気づかなかったよ。


 「土屋君、練習するのはいいけど、周りを巻き込むのはやめようね。やるならやると、まず周りに告知してから、魔法の範囲内にほかの人がいないことを確認してから、始めようね」


 早見さんが、頭痛をこらえるような表情で、土屋さんに言い聞かせるような口調で話す。確かにあれは、ビビった。


 「ごめんなさい。つい……」


 一応しおらしく頭を下げてるけど、なんだかまた同じことをやらかしそうなんだよねえ。そんな予感がひしひしと。

 早見さんも、なんだか深々と溜め息ついてるから、やらかしかねないと思ってるのかもなあ。


 「でも、ほかの人に気づかれずに動けるなら、すっごく便利だなって思ったら、すぐに使えるようになりたくて……」


 土屋さんの言い訳は、確かに気持ちはわかるけど……という感じのもの。

 確かに便利だと思うよ、俺も。でも、いきなり使えるようになるわけじゃないんだから、周りにみんないるときにいきなりかまさないでほしかったなあ……


 「でも、なんか気持ちわかるぜ。やっぱり、新しい魔法使えるようになるなら、使ってみたいもんな」


 火村、自分の願望も入ってるだろ、それ。


 「ねえ、それよりまず、魔力をちゃんと制御出来るようにしたほうが、後々楽になるわよ。ちょっと練習してみない?」


 水谷さんの提案に、土屋さんが飛びついた。で、なぜか火村も。

 場の勢いで俺までその練習をすることになり、結局水谷さんを先生役に、みんなで魔力制御の訓練をすることになった。


 やり方は難しくない。

 両手を合わせてその中に魔力を溜めるイメージで、魔力が溜まってきた感じになったら、それを球にまとめるような感じにして、丸く大きくなったらそれを今度は違う形に変形させてみる。

 魔力の塊を自在に操れるようになったら、魔力の塊を大気中の魔素(マナ)に溶け込ませるようにして消し去り、消滅したところで終了。

 このサイクルを繰り返すんだって。

 一連のサイクルを、素早く確実に回せるようになったら、制御の腕が上がったってことなんだって。

 当然だんだん消耗しては来るけど、少しの魔力を、きっちりと扱いきれるかどうかが大事なんだそうだ。


 どうせこのまま、ここで1泊することになりそうだから、勇者組4人がそろって魔力制御の練習をしてたって、特に問題ないよね。

 で、早見さんに見守られながら、俺たちは練習を開始した。


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