番外編 (陽真Ver)
今回のお話(陽真Ver)は 息子・嘉神陽真 の視点で描かれています。
俺が五歳の時 曾祖母が亡くなった。
初めてのおばあの島だ。
おばあの葬儀後、母と森に入っていく。
半分焼けただれた大きな樹に母が挨拶する。
《 もう少し時間が必要じゃよ 》
そう聞こえた。
大樹の欠片を拾うとエネルギーが自分の身体に入っていく。
《 蛙の子は蛙じゃな 》
《 生きている…… 》
色んな声が聞こえてくる。
「生きているけど、まだ時間が必要だって」
そう母に話すと泣き出してしまった。
俺の父親がここに眠っているらしい。
十三歳の時 母の叔父さんが亡くなったというので、九州まで葬儀に一緒に行った。
法事で会った桂木さんが俺達に挨拶してくれる。
母の従兄弟に当たるという宝生グループの社長もいる。
桂木さんは宝生グループの顧問弁護士だと初めて聞いた。
車椅子の少女がいた。
社長の娘で、十七歳になったばかりと聞いた。
俺と同い年の少年が偉そうに俺を見ている。
《このままだと長生き出来んな》
誰かが耳元で囁く。
彼女に近づいてそっと肩に触れる。
自分の中のエネルギーを渡すイメージをする。
先程まで青白かった頬に赤みが表れる。
驚いた顔で振り向いた少女と目が合った。
「ありがとう」と微笑んだ彼女の顔を見て俺の胸がドキンとする。
森の童子は今回で最終話となります。
嘉神陽真のお話は化け猫の転生恩返し外伝に少し登場予定です。
拙い言葉の羅列でしたが、最期まで読んで頂き有り難うございます。
感想等いただけると幸いです。




