成長
ーー 二人きりの森の温泉 ーー
私はすべてを忘れてしまっていたのだ。
陽くんが御神木の力を借りて私の記憶を消していたなんて……
そして今、私は何もかも知ってしまった。
この大樹の中で、陽くんは永い眠りにいたのだろうか?
「私が帰ってきたから目覚めたの?」
陽くんは首を振った。
不安げな陽くんを私は抱き締めた。
その時、私は陽くんに何か違和感を覚えた。
目線が私と近くなっている。そうだ、彼の身長が伸びている。
全体的に……中学生くらいに見える。
何故か私は慌ててしまい、陽くんを突き放してしまった。
「今日は帰る。また明日ね。鳥居でいい?」
こつりと陽くんが頷く。
陽くんが手で目隠しすると、私一人鳥居に立っていた
辺りはもう暗くなっていた。
慌てて家に帰ると、祖母が夕食を準備していてくれた。
朝起きてすぐに鳥居に向うと、朝日を背にして浴衣姿の男性が立っていた。
それが陽くんだとすぐに気付けたのは、昨日あれから宿の浴衣を鳥居に置いておいたからだ。
しかし彼の成長は、私の想像以上だった。
陽くんは、私より背が高くなっていた。
顔も大人の男の顔になっている。昨日の陽くんとは別人のようだ。
顔を真っ赤にして 『 ゆかた ありがと 』
何故か片言に話す彼が可愛かった。
拙い言葉の羅列ですが、読んで頂き有り難うございます。
感想等いただけると幸いです。




