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森の童子  作者: 日向彼方
11/23

法事(十三回忌)

 フェリーで帰島した翌日、祖母と十三回忌の法事の準備をする。

庭の紫陽花が色とりどりに綺麗に咲いている。

十三回忌ともなるとお客さんもほとんど来ない。

タキサン達と母の同級生が二人、そして桂木という男性が一人だ。

大島の方からお坊さんが来るのを待つ。

今回、明叔父さんは来なかった。

従兄弟の事件以来叔父さん夫婦と連絡が取れなくなっていた。


 ーー 六年前私が高校一年生のGWのときは、私は叔父とやってきた。

    両親の七回忌のためだ。

    法事が終わりお墓参りを済ませると、始終そわそわしていた叔父さんは

    そんなに暑くもないのに大量の汗をかいていた。

    昨夜遅く悲鳴のような寝言を言った叔父さんはよく眠れなかったらしい。

    帰り際叔父さんが

   「あそこの神社火事だったんですよね?」独り言のように呟いた。

   「……。気を付けてお帰りなさい」祖母はそれだけ答えた。

    この険しい顔の叔父さんを私は見た事があると思った。

    いつのことだろう?

    思い出せなかった。  ーー


 十三回忌法要の朝、黒い軽自動車から降りてきたのは、前回と違う若いお坊さんだった。

「あれ?息子さん?」祖母が尋ねると

「はい。世代交代しまして、これから宜しくお願いします」とツーブロック髪の青年は頭を下げた。

《親子なんだ。全然似ていないなぁ》と思いながら、仏間の方に案内する。

青年は庭の方を見て驚いて立ち尽くしてしまった。

紫陽花の中に童姿の陽くんが涙を流しながら立っていたからだ。

童はすぐに朝日に消えた。

振り返って私の顔を見つめた青年は「えっ、あ……」と一言だけ吐息と共に吐き出して、祖母が持ってきた座布団に座りお経を唱え始めた。

青年にも陽くんが見えたのだろう。

《でもなぜ陽くんは泣いていたのだろう?》

お焼香の匂いが風に漂う。


拙い言葉の羅列ですが、読んで頂き有り難うございます。

感想等いただけると幸いです。

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