表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

27/163

余談ですが ~運送屋はツライのです~


 領内の土木工事は、これまで現世のコンクリートを使わないでやってきたが、やはり雨水の影響を強く受ける場所や、川の工事では、耐水性と強度が欲しいところだ。

 ちなみにローマ時代の古代コンクリートと似たような技術は、こちらの世界にもあるようだ。石造りの街であるファーレでは、多用されている。

 しかし、どうしてもそれでは強度と耐久性が足りない場合もある。僕は、覚悟を決めて今回の満月には、コンクリートの材料であるセメントを現世日本から買ってくることにした。


          ◇


「DIYですか? 頑張りますねー。」

 ホームセンターの店員に冷やかされながら、一袋30㎏のセメントを三十袋買った。

 軽トラックを借りてホームセンターから、アパートまで二往復。ホームセンターでの積み込みは店員さんに手伝ってもらえたが、積み下ろしと、異世界までの運搬は、僕が一人でやらなければならない。


 最初は、一袋ずつ背負子しょいこで運ぼうと思ったが、一輪車に二袋ずつ積んで運ぶことにした。アパートのトイレのドアの前で、バランスを取りながら一輪車から片手を外してドアに手をかける。

(異世界・ウルド領・代官屋敷・宿泊棟の僕の部屋のドア)

 強く念じながらドアを開けて光の中を入っていく(一輪車を押していく)。

 これを十五回来り返した。


「うわーん。づかれたー。」

 僕が、運び込んだセメント袋の前にへたり込んでいると、ヴィーが顔をのぞかせた。

「ご主人様、終わったですか?」

「ああ、終わったよ。疲れちゃったけどね。」

 ヴィーは、部屋に入ってくると長椅子に座って、ショートパンツから伸びた自分のフトモモをペンペン叩きながら、

「じゃあ‥‥膝枕するですか?」

「‥‥する!」


 最近、ヴィーは、僕が〇ニクロで買って来たデニムのショートパンツを気に入ってくれたようで、よく履いている。


 ヴィーのすべすべのフトモモを感じながら「頑張って良かった」と僕は思った。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ