表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/5

キングコング:髑髏島の巨神を見ながら駄弁るだけのお話。

「本当にこんなの見るの?」

「見る」

「怪獣……、好きなの?」

「怪獣というか……、リアルな大ウソつき映画は好き」

「大ウソつき……」


 本日、テーブルの上のポテチは、湖池屋のプライドポテト、神のり塩味。

 湖池屋のそれは、繊細な味で、ジャガイモっぽさがとても美味かった。

 ドリンクは麦茶だ。

 一袋398円の20パック入りの徳用袋を、水出ししたもの。


「お、いきなり顔見せか、コング」

「うーん。何かリアルっぽさに欠けてる気が……」

「で、ベトナムかー。サミュエル・L・ジャクソン濃いなー」

「……」

「あ、地獄の黙示録だ」

「というか、ここのカメラワーク格好いいわね」

「あ、全滅した」



 麦茶で口を湿らせながら、ポテチを銜える。


「お、何かこの怪しい森の雰囲気、いいなあ」

「そうね……」

「あ、蜘蛛だ。おー」

「人間弱いわね」

「まあ、相手はモンスターだからね」



「あれ、一人だけAK持ってる。何か意味あるのかな」

「あるんじゃない?」

「お約束みたいな原住民だねえ」

「東洋系……かな」

「そうだね」


「サミュエル・L・ジャクソン、イカれてる。まあ、ベトナムでいろいろあったんだろうなあ。自身が負けることを許せない。だから、いろいろなものを認められない」

「そんな上官に当たったら、しんどいわよ」

「うん。それはその通り」


「あ、日本刀使ってる」

「化け物には、刃物の方がいいの?」

「そんなバカな、とは言いたいね」

「この後ろ足のない怪獣、いまいち迫力に欠ける気が」

「うーん」

「あ、最後は武器使うのか」


「あれ、コング、ヒロインに手を出さなかったわね」

「そもそもニューヨーク行かなかったな」

「それ、古いヤツでしょ」

「うん、世界貿易センタービル登るヤツ」

「エンパイアステートビルディングじゃなくて?」

「あれ? そうだっけ?」


 いつの間にか、ポテチは空になっていた。


「うん、面白かった。ひどく正統な南洋冒険映画だった」

「南洋冒険映画?」

「秘境冒険小説というべきかな。映画というよりも。アランクォーターメンとか」

「知らない」

「宝島とか、ガリバー旅行記とか」

「ああ、それならわかる」



「知られてない場所で、存在するはずのないものが存在する。それがロマンなんだよ」

「ロマン……ねぇ。はいはい」

「うーむ。理解してもらえないかー」


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ