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トイレット:インポッシブル

「漏れるっ! 漏れちゃうっ! もうダメぇっ! 出ちゃうぅぅっっ!!」

「頑張って! もうちょっとだからっ、我慢してっ!」

「我慢できないっ! もうっ、我慢できないぃぃっ!」


 アリアを連れ出した少女、エルナ・パミーソンは、全力で思考を回転させていた。


 人目から逃れた瞬間、アリアは腰を突き出し、両手で出口を押さえ込んだ。

 肩を支えて歩かせてはいるが、足取りは遅々として進まない。

 かと言って、急がせれば、その場で漏らしてしまいかねない。



 間に合わない。



 何とか教室から連れ出しはしたが、このままではどうやっても、アリアはこの廊下で漏らしてしまう。


 エルナは、別にアリアのことは好きではない。

 寧ろ、傲慢で、杓子定規な正義を他人に押し付けるこの少女が嫌いだった。


 午前中のトイレの話のこともある。

 少しは辛い思いをして、最後はみっともなくトイレに駆け込めばいい、ぐらいに考えていた。



 だが……。



 廊下に広がる水溜り。その真上で泣きじゃくるアリア。

 残りの在学期間7年半以上、そしてその際の人生も恐らく、この少女は『お漏らし女』として過ごすことになる。



(それは流石にっ、可哀想過ぎるでしょうよっっ!!)


 エルナ・パミーソンは、そうゆう女だった。


 何か、何か方法はないのか?

 そう思い、周囲を見渡したエルナの目に、その表札が飛び込んだ。


 トイレとは逆側、だが遥かに近い位置にあるその部屋。

 エルナは爆発寸前の爆弾の様なアリアを抱え、そこに飛び込んだ。



「ノーラ先生っっっ!!!」



 そこは保健室。

 エルナの叫びに、保険医のノーラが振り返る。




「オムツあるっ!? この娘、もう間に合わないのっっ!!」

「っ!? 少し待っててっ!」



 エルナは、最後の手段に出た。


――――――――――――――――


(嘘っ、嘘でしょっ!? 今、何て言ったのっ!?)


 必死に否定をしようとするが、アリアの耳には、エルナの言葉がハッキリと聞こえていた。



『間に合わない』、『オムツ』



 エルナは、確かにそう言った。


「い、い、嫌っ! 嫌ぁっ! オムツなんて嫌よぉっ!」

「あっ、ちょっと!」


 エルナを振り払い、保健室から逃げ出そうとするアリア。



 だが――



 ジャアアアアッッ!!

「ああぁぁああぁっっ!!?」


 無理な力を入れたせいで、かなりの量の小水が溢れ出してしまった。

 身をこわばらせ、何とか放水を止めるアリアだが、もう一歩も動くことはできない。


「もうダメっ! 漏れちゃうっ! 漏れちゃうぅぅっっ!!」

「早く下脱いでっ!」

「嫌ああああっっっ!!!」


 強情なアリアに痺れを切らし、無理矢理にでもショートパンツと下着を下ろそうとするエルナ。

 が、そんなエルナに、アリアは激しく抵抗する。


「やめてっ! やめてぇっ! オムツなんてっ、赤ちゃんがするのよっ!? 私っ、もうっ、11歳なのにっっ!!」


「11歳にもなって漏らすよりマシでしょっ!? アンタが漏れそうだったの、みんな知ってるのっ! ショートパンツまで染みたら、隠せないわよっ!?」


「でもっ! でもぉっ! あぁあっ!? 出ちゃうぅぅぅっっ!!」


 エルナと押し問答をしている間にも、アリアの我慢は、刻一刻と限界に近付いていく。


(あ、あぁっ、ダメ、漏らし、ちゃう……! このままじゃ、私っ……私っっ!!)



 アリアの心が、折れた。



「うっ……うああっ……ひぐっ」


「アリア……」


 さめざめと泣き出すアリア。

 それは、彼女が抵抗をやめた証だった。


 そこに、オムツを持ったノーラが駆けつける。


「私が下すわね。ショートパンツ、かなりキツキツだと思うから。エルナちゃんは、オムツをお願い。すぐにできるようにしてあげて」


 そういって、ノーラは、ぶるっ、ぶるっと、絶え間なく震えるアリアの腰に手をかける。


「せ、先生ぇ……! 漏れちゃうぅぅ……!」


「もう少しだから、頑張ってね!」


 ショートパンツはかなり強い抵抗を示したが、ノーラは細心の注意を払い、焦らず、でも迅速にずり下ろしていく。

 やがて、アリアの下半身が露出し、エルナは即座にオムツを押し付けた。


「んんぁっ!? ぁっ……」


 その刺激が、固く閉ざした出口の、最後の鍵を開けた。




 ジュウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウッッッッッッ!!!!!!


 我慢に我慢を重ねた小水が、一斉に溢れだす。


(勢い凄っ!? 人間って、こんな勢いで、おしっこ出るのっ!?)


 オムツ越しでも伝わる水流の勢いに、エルナが息を呑む。


 目を下に向ければ、グッショリと濡れた下着が視界に飛び込んできた。

 よく見ると、ショートパンツも若干濡れてしまっている。


(あっちゃぁ……表まで染みてないでしょうね?)


 アリアの様子を見ると、彼女はオムツにしてしまった羞恥に、声を殺して泣いていた。

 泣きながら、時折放尿の快感にビクンっ、と震える。



 ジョオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッッッッ!!!!


(てゆうか……まだ出るのっ!? どんだけ我慢してたのよ、この娘っ!?)


「くずっ……うぅっ、んあっ! えぐっ……あぁぁ……っ」


 アリアの放尿はその後暫く続き、結局、2つ目のオムツに突入することになった。

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