4時間目
よろしくお願いします。
キーンコーンカーンコーン
4時間目の始まりを告げるチャイムが鳴る。
ぞろぞろと人が席に座っていく。
私は休憩時間が始まっても席を動かず、ずっと寝ていた。
次の時間が給食ということもあり、眠さが倍増している。
ガラガラ
先生が前の扉から入ってくる。
入ってきたのは...塩崎先生だ。
今日はいつも古典担当の雨下先生が休みのため、雨下先生の代わりに塩崎先生がやってきた。
「今日は雨下先生が休みのため、僕が授業を進めていきます。」
塩崎先生の最初の印象としては、あまりナルシストには見えない。
理絵が言うにはナルシストということらしいがあまりそのようには見えない。
「え~っと。古典はどこまで進めた?」
「教科書の118ページまで進めました。」
先生が聞くと同時にクラスの委員長がすぐさま教科書のページを教える。
「118ページか。僕のクラスト同じだね。次回授業をするときの予習ができるからよかったよ。といっても、僕は予習しなくても完璧なんだけどね。」
...もうちょっと様子を見てみよう。
授業が始まって20分。塩崎先生は真面目に授業をしている。
ちょくちょく自分は完璧アピールをしてくるが、授業はわかりやすく、自分で完ぺきと言うのもわかる。
だが正直言ってうざい。
自己主張が激しすぎるため、余計に授業に時間がかかってしまう。
まあ、私は寝るだけだから関係ないのだが。
「まあ、これはテストに出ないし簡単だから教える必要ないから飛ばしますね~。」
そうやって先生が授業の内容を飛ばそうとしていた。
「あの~。私は教えてもらいたいのですが...」
今回もクラスの委員長だ。
委員長は親から試験勉強で常に上位10位以内を取らなければならなからたとえそれがテストに出なくても知りたいのだろう。
「ん~?ここわからないの?もしかして予習してなかった?ダメじゃないか~。予習してなきゃ。」
先生が委員長を煽ってくる。
「それでももしかしたらテストに出るという場合もあるので...」
委員長も負けずに言葉を発する。
「しょうがないな~。じゃ、説明するからよく聞いていてね~。」
理絵がクラスの男子と一緒のように思う理由が少しわかったかもしれない。
最初は緊張していたのか、言葉が丁寧だったが授業が進んでいくとだんだんと言葉遣いが軽くなっていってる。
私がそう考えていると、クラスの扉が勢いよくあけられた。
「おはようございます。」
「俊也!?」
修也がやってきたことに驚いてつい立ち上がってしまい、大きな声を上げた。
修也が来たことよりも私の声にみんなは驚いており、私はすぐさま椅子に座った。
顔がものすごく暑い。多分耳がものすごく赤くなってることだろう。
「おい君。遅刻だぞ?どうしたんだこんな遅くに来て。」
塩崎先生が俊也に聞くが俊也は何も反応してない。
「しかもどうしたんdあこんな格好をして。びしょ濡れじゃないか。」
あれ?
私はここで疑問になった。
なぜ塩崎先生が俊也が濡れているということを認識したのか。
だって。私から見たら俊也は一切濡れてないんだもの。
確かに俊也が入ってきたときに少し気になったが、傘をさしていると考えれば別にどうっていうことはない。
だが塩崎先生はびしょ濡れと言っていたのだ。
「とりあえず何か言ったらどうだ?話はしゃべらないとはじまらないぞ?」
「・・・」
俊也は黙ったままだ。
...おかしい。
いつもの俊也は何かと荒っぽくて正義感あふれる人だったが、今はなんか力が抜けたような感じだ。
「おい!いい加減何か言ったらどうだ!」
だがそれにも何も答えない。
俊也はそこに立ったままだ。
「はあー。とりあえず職員室に行け。誰かがお前に対応してくれるだろう。」
「・・・」
これにも答えないままだ。
「職員室だぞ。途中で寄り道とかするなよ。」
先生が注意をするが身動き一つも取らない。
「お前ほんといい加減にしたらどうだ?少しぐらいしぇべれよ。」
先生のしゃべり方がだんだんと荒っぽくなってきている。
「9141...」
俊也が何かをしゃべった。
「あん?なんて言った?もう一度言ってみろ。」
だがそれには反応することなく、俊也は立ち尽くすだけだった。
「もういい!お前はとにかく職員室に行け!もしかして道がわからないとかいうんじゃないだろうな?はぁー。誰かこいつを連れてってくれ。」
私は反射的に手を挙げた。
「私が行きます!」
クラスに沈黙が起きる。
「...わかった。お前がこいつを連れてってくれ。」
私は先生が言うより前に席を立っていた。
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