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私はあなたの分身です  作者: キャラキャラ
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学校

よろしくお願いします!

学校につくと私は靴を脱ぎ自分のクラスに行き、端っこにある私の席に行った。


私の席は日当たりがよく、気持ちよく眠ることができるが。再来週ぐらいで席替えをするとか先生が言っていたような気がする。


もうすぐこの席ともお別れかな?


半年間この席に座り続けたためすこしだけ愛着がわいている。


「今日の天気はなんだったっけ?」


『今日の天気は晴れです。雨が降ることは少ないでしょう。』


今日の朝やっていたニュース番組を思い出す。


ふと外を見ると少し雲が見えるが、そこまで多くはなかった。


「今日は一時間目が~数学か!よし!寝れる!」


数学の先生の特徴としてはいつも眠たそうにしており、ほんとに眠いときは自習にしている。


そんな先生で許されるのかって言われたら多分許されないがそれでも先生の授業はとても分かりやすいため、私としては別に寝ててもいいと思う。


周りの席に友達はあまりいないが、ここでゆっくり眠るとそんなことも忘れられる。


すると右のほうからドアを開ける音がした。


「あ~!史穂!いたいた!今日も相変わらず来るの遅いね。」


突然入ってきた彼女の名前は理恵。去年までは私のクラスメートであり、私の幼馴染でもある。


今年で二組離れたクラスになってしまい、それぞれ新しい友達ができてしまったため話すタイミングがなかったが、最近は朝話すことが多い。当然幼馴染のため朝は一緒に登校しているのだが、私は朝起きるのが遅いため、理恵には待つだけ待ってもらい早く起きれた時だけ一緒に登校するようにしている。


「きょうはね~。なんか変な荷物が届いたの。しかもそれものすごく重くて!部屋まで持ってくの大変だった~!」


「へ~。そんなことがあったんだ。で、その荷物の中身は何だったの?」


理恵が私の横の席に座る。


座った後に理恵が大きなあくびをした。


私のために毎朝早く起きてくれているため、いつも寝る時間が少ないからだろう。


「時間がなかったからまだ開けてない。私普段インターネットで物を買ったりしないし、何かの応募とかもしてないから特に何が入ってるか全然わからないんだよね。一応家に帰ってから開けるつもりだけど、いったい何なんだろうね~。」


理恵がわかりやすく首をかしげながら聞いてくる。


「化粧品とか?なんか最近よくあるじゃん。動画配信サイトを見てたら出てくる化粧品のCM。」


私はあまり動画配信サイトは見ないが、理恵が妹とまったく同じ反応をしたため私は少し頬を膨らませ、顔をムッとする。


だが、私の朝の出来事を知らないため、理恵はまたもやあくびをする。


まあ、知るわけもないか。


すると、理恵のあくびを見てると私もなんだか眠くなってきてしまい、私も理恵と同じようにあくびをした。眠そうにしている人を見ると眠くなるといわれているが、このような感じのことなのだろうか。


一応今日は9時間寝たが、体にとってはまだ足りないらしい。


当然、このように理恵と話すことはここ最近毎日起きているため、最近は昼休みに昼寝をすることにしている。だが、今日は昼に図書委員の仕事があり、図書室で会議があるため寝る時間がない。私にとって寝るということは命の次に大事なものだ。


そこまで大事なのかとは思うが正直私は一日9時間以上は寝ないとちょっとやばい。


そのため、図書委員の活動があるときは毎日朝に寝ていた。だが当然理恵は毎日来るため最近は睡眠がとれていない。


「毎朝こんなにも遅く起きてる私に化粧をする時間があると思う?」


そしてまだ寝足りないということを示すためにまたもやあくびをする。


「確かに。こんなにも遅く起きてたら当然私と一緒に登校することすらできないもんね。」


理恵が皮肉たっぷりに言ってくる。


「だってしょうがないじゃ~ん。眠いんだもん。」


「まあ、史穂は背が高いもんね~。寝る子は育つってこういうことを言うんだね。」


理恵は最近寝不足らしい。彼女の眼の下の薄いクマがそう語っている。


クマを隠すために化粧でもしたのか、少し光って見える。


「理恵も早く寝なよー。また新しい課題でもしてたの?」


図星なのか、理恵が少し体を起こしながら言った。


「ほんと。塩崎先生めちゃくちゃ課題だしすぎ!提出期限もすぐだし...ほんと大変!」


理恵は塩崎先生のことが嫌いなのか、また背もたれに全体重をかけた。


「そんなことしてたら危ないよ。でもまあ。理恵の言い分もわかるけどさ。私の先生なんて課題疎か、宿題もめったに出さないもん。」


そんな私の先生がうらやましいのか、理恵が全体重を前にかけ肘を机につきながら聞いてきた。


「私もそんな先生と一緒のクラスになりたかったな~。ほんと塩崎ってうざいもん。多分私のクラスで一番嫌われている男子の投票したら絶対に塩崎に入れるもん私。」


「呼び捨てって...なんか塩崎先生はクラスの男子って感じだね...」


そんな私の反応が嫌だったのか、理恵が席を立った。


「だって。あいつなんかナルシストだし気持ち悪いしー...」


私はほかのクラスの先生とあまり話したことはナインが塩崎先生だけは知っている。


なぜなら毎日理恵が起きたことを報告しに来るからだ。


私から見たら塩崎先生はみんなにあいさつをする優しい先生という雰囲気だったが、突然豹変してしまったらしい。


「でもさー。もともと塩崎先生も優しかったんでしょ?じゃあ、なんでそんなにダメになっちゃったんだろうね~。」


「ほんとなのよ。最初に私がクラスに入ったときは、熱血っていう感じで優しかったし。一部の女子は恋愛感情を抱いていたほどよ?まあ、今はもう興味はないらしいけど。」


どうして塩崎先生は変わってしまったのだろうか。


「なんか塩崎先生は教えてくれないの?どういうことが起きたかーとか。」


私の質問に首を振りながら答えた。


「あいつはあの日からなんかずっと自慢ばかりしてくるよ。あーあ。ほんとに志保と一緒のクラスになりたかったな~。」


理恵が私のほうをちらちらとみてくる。


「いや無理だって。さすがにうちのおじいちゃんがが校長先生だからって。それに、理恵一人だけ変わったらみんな嫉妬しちゃうでしょ?」


「はあああ。どうにかしてくれませんかね?志穂さま~~。」


もう一度椅子に座りなおした理恵はため息をつくように言ってきた。


私のおじいちゃんは最近校長先生に就任した。もともとは学校に何の関係もなかったおじいちゃんが就任した理由としては、とにかく街のみんなに尊敬されていたからだ。


校長先生が変わるというときに副校長先生が辞めてしまい、次期校長をどうするか悩んでいたところ、PTAがおじいちゃんを推薦したのであった。


おじいちゃんが校長先生に就任した時は、生徒からの反感も大きかったが、次第にそれも薄くなっていき、今ではみんな大好きである。


「だから無理だって~。でも、おじいちゃんにそういうこと言ったらどうにかしてくれるかもしれないよ?」


私の言葉に希望を持ったのか理恵がこぶしをぎゅっと握りしめた。


「よし!直接言ってみよう!志穂のヘルプありで!」


「いやそこは一人で行くものでしょ。」


すると、私のツッコミが終わると同時にチャイムが鳴った。


私たちは知らず知らずのうちにしゃべりすぎていたようだ。


「じゃ、またね~。」


「じゃあね~。また放課後に。」


すると理恵が小走りで教室を出た。


理恵が出たと同時にクラスの担任の伊藤咲子先生が入ってきた。


教卓の前に立つと伊藤先生が日直にあいさつを求めた。


「起立。気を付け。礼!」


「「「よろしくお願いします。」」」


クラスのみんなの声が合わさり、大きな声になる。


私は大きな声が苦手なため、いつも挨拶はせず礼だけをしている。


すると挨拶が終わると同時に先生がみんなの名前を呼び始めた。


「そういえば、今日は俊也来てない。どうしたんだろ。」


私は無意識に横の席を見る。


いつもならもう一人の幼馴染の俊也が私と理恵が話している最中に来るのだが、今日はなぜか来ない。


「志穂。」


先生が私の名前を呼ぶ


「え、あ、はい!」


先生の声が全然聞こえず少し遅れて挨拶をしてしまった。


すると先生は次の人の名前を呼び始めた。


「俊也~・・・は今日は休みかな?じゃあ、鈴峰~。」


「は~い!」


クラスの元気な子があいさつをする。


そして先生が次の生徒の名前を読んでいく。


そんな感じで朝の確認は終わる。


だが結局俊也の名前が呼ばれることはなかった。


何か嫌な予感がしたため、頭を左右にふる。


「なんかやだな~。うわ!雨降ってる!」


外を見ると先ほどまで晴れだったとは思えないほど雨が降っている。


「なんかいやだな~。」


これ以上窓のほうを見ていると、何かが起こりそうな気がしたので私は急いでカーテンを閉じた。

ありがとうございました!

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