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私はあなたの分身です  作者: キャラキャラ
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謎の荷物

よろしくお願いします!

「史穂ー。なんかあなた宛てに荷物が届いてるわよー。」


お母さんの声によって私の朝がやってきた。


目を開けて周りの状況を確認する。


周りには、服やケータイが置いてある。


私はいつも寝る前に用意する派の人だ。


「んあ。荷物~?」


寝ぼけているためあまり記憶がはっきりしないが、確か夢の中で誰かと遊んでいたような気がする。


けれど途中でその”誰か”が笑いながらどっか行ってしまったのだ。


そのあとは何もなし。ただただ白い世界を眺めていた、はずだ。


とりあえずけだるい体を起こしそんなもの届いてたかなと思いながらも着替える準備をする。最初にパジャマを脱ぎすてたあと、私は制服に腕を通した。


そして、机の上に置いてある時計を見ると...


「やば!もう7時じゃん!」


時計を確認すると7時を少しだけ上回っていた。


いつも私は7時半に家を出ているため、急いで準備をしないと時間に間に合わない。毎回お母さんに早く起きなさいよと言われているが到底早起きする気にはなれない。


別に夜更かしをしているわけではない。ただただ起きるのが嫌なだけだ。


それでも学校には遅れたくないのであわただしく階段を降り、リビングに入った。リビングではお母さんがご飯を出してくれていた。


「ごはん早く食べなさい!時間がないわよ!」


「は~い。」


私が行った後、お母さんが小声でなんで早く起きないのかしらと言っていた気がするが聞こえないふりをして椅子の方に向かった。


特に座るところは決まっているわけではないが、最近は一番端っこの席に座るようにしている。


そして私の椅子に座ろうと椅子に向かって歩いた。


すると下の方から声がした。


「おはよう。史穂。史穂宛に荷物が届いてるよ。早く取りに行きなさいね。」


声の主が誰なのわからずあたりをきょろきょろするが、妹が座っていることに気づいていなかったため、少しびっくりしてしまった。


「お、おはよう。」


そんな私の反応が気に入らなかったのか、妹が少し怒ったように言った。


「お姉ちゃんのその反応って私が小さいってことを遠回しに言ってるようなものだよ?」


椅子に座りながら私は言う。


「い、いやそんなわけじゃないって~。」


私のその反応も逆効果だったのか、妹は私のことを一切見ず、黙食を始めた。


そういえば妹は最近学校で身体測定をしたらしいが確か身長は...150のちょっと前ぐらいだった気がする。


それはそれでいい。ちょっとロリ感があっていい。


「お姉ちゃんの身長少し分けてよ。そしたら私の身長も伸びるでしょ?」


そんな理不尽な妹の言葉に苦笑しながら私は言った。


「いや、物理的に考えて身長を分けることはできないでしょ?それに、背が低い方がかわいらしくていいと思うけどな~。」


少しでも妹の機嫌を直そうと褒めた。この前、先生が言っていたけれど、人って褒めたら育つらしい。


私の身長は170、2、3cmだった気がする。去年までは160cmぐらいだったが、今年までで10cmは伸びた。特に運動などはしてなく、部活にも何も入っていない。だから当然帰宅部ということだ。


すると、考え事をしていた私に興味がなくなったのか、あるいはあきれたのかはわからないが妹が私に向けてきつく言う。


「もう!...ま、いいわ。それより早く荷物取りに行きなよ!あれ邪魔で玄関通りにくいんだけど。お父さんもなんだこれ!ってびっくりしてたよ?私が行くまでに片づけておいてね。」


妹はあの荷物が嫌なのか、いつもより私に対してドライだ。


でも、そんな怒った顔もいい。悪くない。


妹ももう今年で14歳だ。思春期というやつなのだろうか。私もおととしまでは中学生だったがあまり人に八つ当たりはしていなかったと思う。はあ。なぜこのようなことになってしまったのだろうか。


「でも。私何も頼んだりしてないんだよねー。なんなんだろ?もしかして誰かが間違えて私に送っちゃったとか?」


すると今度は妹じゃなくお母さんが反応した。


「少しだけ見てみたんだけど、なんかどっか会社からとか書いてあったよ。どこかはわからないけど。しかもうちの住所まで書かれてたから多分誤送ではないと思うよ?」


お母さんもご飯を食べようと椅子に座りながら疑問気に聞いてくる。


そもそも私は買い物をめったにしない。私服もほとんどお母さんに選んでもらっている。


「なんかオンラインで化粧品でも買ったの?まあ、お姉ちゃんは化粧とかしてるイメージはないけど。しかも荷物でかいし。」


「だから買ってないって~。そもそも私いつも何時に起きてると思ってるの?7時だよ?そんな時間に起きて化粧ができると思う?」


お味噌汁を飲みながら私は言った。


「でも、お姉ちゃんそもそも7時前に起きる気ないでしょ?だって目覚まし時計すらつけてないじゃん。」


「ま、まあ。その通りなんだけど...」


何か言いたそうな私を見て面白かったのか妹が少しの笑みを浮かべた。


やっぱり怒った顔よりも笑顔のほうが好きだ。


「まあ、化粧品ではないことは確かだからとりあえず早く片付けておいてね。もう私行くから。」


「あ、ちょっと!待って!私も一緒に行きたい!」


「無理。」


妹の言葉と同時に扉が閉まった。


そんなにも私のことが嫌いなのかな?それとも友達と一緒に登校するからかな?


そう思いながら水を飲む。


「史穂も早く荷物取りに行きなさいよ。もう一回絵美が怒っちゃうでしょ?思春期の子は大体そうなのよ。あなたもそうだったのよ。さあ。ほらほら。」


お母さんが私をせかすように手を私の方に押してくる。


「もう!私はそんなんじゃなかったし!でもまあ、とりあえず先に取ってくるね。荷物。」


そういって私は椅子から降りた。


さっき妹が言ってた”でかい”が気になるが、とりあえず私は玄関の方に行く。


玄関にたどり着くと。何やら私の体の半分ぐらいの箱が置いてあった。


「うげ~。」


何も心当たりがないのがものすごく怖い。


とりあえず、一回持とうと試みるがびくともしない。


みんなの邪魔になると思い、少しでも部屋に入れようと階段の前に持って行くが、重たくて持ち上がらない。


何回トライしても持ち上げられないのでお母さんに手伝ってもらうことにした。


「ちょっとおかーさん!重たすぎて持ち上がらなーい!手伝って―!」


するとお母さんが不思議そうに駆けつけてきた。


「それ?別に重くなさそうだけどね。よっと!」


お母さんが力任せに持ち上げた。


「あれー?全然重くないよ?」


「えー?」


お母さんは私が知らないうちに怪力になっていたようだ。


「とりあえずこれあなたの部屋に置いておくからー。早くご飯食べて学校行きなさいよー。」


「はーい。」


お母さんが階段を上るのを見送った後、急いでリビングの私の席に戻るともうそこには妹の姿はなかった。


「もう行っちゃたのかな?」


今日こそは一緒に登校しようと思ってたのに先に出るとは。


いつも一緒に行こうと言っているのにおいていくのはのはひどいのではないだろうか。


まあ、毎日こんな感じなのだけれど。


とりあえず朝ごはんのパンを口に押し込んだ後、スープでパンを押し、そのあとに牛乳を飲んだ。


口の中がいろいろな味でいっぱいになるが何とか飲み切って上の階にスクールバッグを取りに行った。


すると部屋の前にお母さんが運んでくれた荷物があった。


なんでお母さんは荷物を中に入れてくれなかったのだろうと疑問になりながらも荷物を見てみる。


そこには『分身』とだけ書かれていた。


「あれ?会社の名前が書かれてない?」


先程妹が言っていた会社名がどこにも書かれていない。箱の横も見てみるが、それらしい文字は書かれていない。


「見間違いかな?」


この『分身』を会社名だと勘違いしてしまったのだろうか。


なんだか嫌な予感がした気がするが、とりあえず荷物を部屋に入れることにした。


「これほんとに軽いのかな?」


お母さんが持てるのになぜ私は持てないのだろうと疑問になりながらも、もう一度手を荷物につけた。


「ふぎぎ!あ~。やっぱり私の筋力では無理だ...」


少しだけ浮いた感覚があったがそれ以上は持ち上げられそうにない。


これでも私は体力テストで女子の平均は大幅に超えていたはずだ。これでも前にした腕相撲大会では帝王の座に君臨していたはずだ。


「もしかして、お母さんは私が思ってるよりも力持ちだった...?」


・・・・・・


頭の中でお母さんが怪物化していたがそれは忘れるとして、とりあえず荷物を部屋に入れることにした。


ここに置いておいたらまたもやみんなの邪魔になってしまうと思ったので荷物を少しでも部屋の中に入れようと試みた。


「ああ~。ほんとに重い!私本当にこんなもの頼んだっけ??」


自分が頼んだものに疑心暗鬼になりながらも荷物を持ち上げたり、押してみたりと悪戦苦闘した。


と、ようやく部屋の中に入れることができたのですぐさまスクールバッグを取り、学校に行く準備をした。


「早く行かないとほんとに学校遅刻するわよー。」


「は~い。」


お母さんの声に焦りを覚えながらも時計を見てまだ少し時間があることを確認する


そして階段を降り、玄関にて靴を履いた。


「行ってきまーす。」


とりあえず荷物は家に帰ってから開けることにした。

ありがとうございました!

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