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第七話 黄色い女

 仕方がないので、ティンと一緒に行くことにしました。

 もちろん角がバレてはいけないので、ティンをある程度町から離れたところで待たせて僕だけが町に入り、帽子を買ってから外に出て、ティンにかぶせてから再度町に入るという二度手間です。

 

 やれやれ実に面倒くさい。



「わーい。帽子♪ 帽子♪ ご主人様に買ってもらったー」


「絶対にはずすなよ」


 角を隠すために、硬質で大きめの帽子をティンには被せています。本来は急所である頭部を守る為のものなのでしょう。


「ご主人様。買い物とのことでしたが何をお求めに?」


「実はね。買い物というかフリーマーケットに出したものがあって、それが売れたかを見に来たんだ」


「ご主人様はお店持ってるんですか?」


「そんな立派なものじゃないけどね」


 いつもの場所にいくと、以前出した斧と鎧はバッチリ売れていました。お金を確認し、その場を離れようとすると。


「ちょっと待って!」

 どこからか誰かの声がします。


「ん?」


「ちょっと、そこの赤白の髪の人!」


 後ろをふりむきますが、誰もいません。


「上よ! うえ!」


 道を挟んで反対側に並んでいる家々。

 僕の店の向かい側にある家の二階の窓から、女性が顔を出して叫んでいます。黄色い髪と黄色い目をしています。


「今行くからそこで待ってて!」


「ご主人様、誰あの女?」


「いや知らないけど?」

 何故か疑うようなまなざしでティンに見られますが、何もやましいことはありません。

 慌てて階段を降りているのでしょう。ドタドタと音を立てて家から先ほどの女性が出てきました。


「あ、あの」


「はいなんでしょう?」

 女性は魔王様ほどではありませんが、整った顔立ちをされています。

 

「貴方これを売っていた人ですよね?」

 女性はドワーフの斧を持っています。見た目より力がある人ですね。


「ええそうですけど」

 

「あ、あの。私これを買わせて頂いたのですけど、あの、これだけじゃなくて鎧とか服とか剣とか、今までここで売っていたものを買わせてもらってて、えっとその、この家の二階の窓から貴方のことを何度も見かけてたのですけど、声がかけられなくて」

 

 どうやらお得意様(ヘビーユーザー)らしいですね。というか僕のお店の商品を買い続けていたお客さんが一体なんの用なのでしょうか、ノークレームノーリターンでお願いしたいところ。


「あの値段なんですけど」


 まさか価格交渉か?


「安すぎませんか? ケタが二つは間違っていると思います」


「あーそうなんですか?」 


「あの、ちょっとウチに来てください」


 ひっぱられて、家の中、居間に通される。手早くお茶を出してから、彼女は話し出した。


「私が最初に見つけたときは冒険者が身につける軽装を売っていたんです。剣と革鎧とか薬とか。それが私のお給金でも買えるような金額でした」


「安かったですか?」


「驚くほど安かったです。きっと価格を間違ったんだろうなと思いながらも価格を間違ったほうが悪い。ラッキー! ぐらいに思って買いました。そして正規の価格で転売したんです」


「テンバイですか?」


「ええ、マナーが悪いのは判ってます。でも私はお金が必要でした。その後同じことが起きないかなとさっきの場所を見張るようになったんです。そしたら貴方は定期的に訪れて、信じられない安さで、信じられない上等な物を売っていくです。まるで魔王城に攻め込むような一流の冒険者が身につけるような装備品を食器ぐらいの価格で売っていくんです。金庫のお金を見ても慌てたような様子もなかったので、値段を間違っている訳ではないのはわかりました」


 ほう、彼らの装備は一流でしたか、僕の家の付近の魔物はハイレベルが多いですからね。


「あの? 怒らないんですか?」


「怒ったほうがいいんですか?」

 人間の常識というのは僕にはわかりません、多分安いんだろうなとは思ってましたし、必要以上に儲けるのも面倒ですから。といか、この人の話を聞くのが面倒になってきました。


「話はそれだけですか? 儲かったのなら良かったじゃありませんか、僕は気にしませんよ。ではこれで」


「ちょっと待って下さい。大事なのはここからなんです」


「そうですか」

「ちょっと早くしてよね!」


 一度立ち上がろうとして座りなおす。僕の横でティンが調子こいたので一発殴っておきます。


「うへへ」


「す、すいません」

 彼女は何度も頭を下げます。

 気持ち悪い笑いかたをするティンを気にする様子もなく、続きを話し出します。


「あの、私がお金を必要としていたのは、私が奴隷で、この家に身売りをしたからなんです」


「親にでも売られましたか?」


「いえ、そういう不幸な事情とかでは全然なくてですね。私元々貧乏で、借金が返せなくなって、それで。って私の話はいいんです。えっとおかげさまで私、自分で自分を買い取りすることが出来まして、奴隷じゃなくなったんです」


「それは、おめでとうございます」


「ありがとう御座います。で、ですね。この家の方は大変お優しい方で、まだ家に仕えてこれまで通りに働いてほしい。給料もちゃんと払うと仰ってくれるのですが、私としてはせっかく自由の身になったので、社会復帰したいのですが」


 彼女の苦労話に胸を打たれたのか、ティンがうるうるしています。


「したいのですが、また貴方がとんでもないものを売っていくではありませんか、私はいつものクセで買ってしまいましたよ! もう!」


「いつものように売ってしまえばいいのでは?」


「うれるかーい!!」

 突然彼女はテーブルに足を乗せて叫びました。びっくりです。彼女本人もびっくりした顔をして、恥ずかしそうに座りなおしました。


「し、失礼しました。でも貴方が悪いんですよ。こんな品物買ったのが私だったから良かったものも、普通なら大騒ぎですよ」


「大騒ぎですか?」


「貴方が上等な物を売っていくって言いましたけど、この斧と鎧と比べたら今までの装備なんてたいしたことない装備ですよ。というかこんな国宝級の武具をどこで手に入れたんですか。というか貴方何者なんですか?」


 ほーらやっぱり面倒ごとだ。

「その質問にはお答えできません。ですが貴方はお得意様ですから名前だけお教えしましょう。僕の名前はトオフ。もう二度と会うこともないでしょう」


 今度こそ立ち上がります。もうフリマを使うのはやめたほうがいいですね。町にも当分来ないことにしましょう。


「私の名前はユリ=ホオズキって言います。あの、この斧と鎧もっていってほしいんです。これは売れないし家に置いておくのも心配なので……」


「いいえ、それはすでに貴方のものですよユリ=ホオズキさん」

 いや、マジで自分でどうにかして下さい。


魔王軍の秘密兵器(以下略)を読んでくださり誠にありがとう御座います。


読んでくださる貴方様のおかげで僕は小説が書けています。次話も是非読んで下さいネ。


応援‬は↓の☆☆☆☆☆を★★★★★にしていただくことで可能です。

面白ければ‬★★★★★ つまらなかったら、★☆☆☆☆ 

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ブックマークもいただけると本当にうれしいです。

何卒よろしくお願いいたします。

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