漫才「ボルダリング」
二人「はいどうもーよろしくお願いしまーす(挨拶)」
ツッコミ「最近あんま動いてないのもあってさ、"ボルダリング"やってみたいのよ」
ボケ「便器の淵に出来る黒ずみ?」
ツッコミ「うーん、それは"さぼったリング"だね? トイレ洗浄は怠ってないのよ。ほら壁に石みたいのたくさん打ち付けてあって、屋内でロッククライミング出来るやつあるじゃん。五輪の競技にも選ばれて話題になったでしょ?」
ボケ「あ~あれね、行ったことあるよ?」
ツッコミ「ほんと? どんな感じか知りたいのよ。インストラクターの役やって」
ボケ「どこでもドアなんか持ってないけど」
ツッコミ「"ピンクのドアー"じゃないのよ。そんな遠回しな言い方しないでしょ?」
ボケ「歌のない楽曲のこと?」
ツッコミ「それは"インストゥルメンタル"だね。ジムとかで"トレーニング"のやり方とか教えてくれる人のことよ」
ボケ「(左手を出して)オッケー、この中指が電流の向き、人差し指は磁界の向き、そして親指が導体の動きだ。覚えたか?」
ツッコミ「"フレーミング"左手の法則を教えてくれる人じゃないのよ」
ボケ「じゃあ……(右手も出す)」
ツッコミ「右手の法則でもないのよ?」
ボケ「(フレミングのまま両手を突き出し)イェア俺ら渾身のニューアルバム『Open the pink door』、お店でチェケラッ!!」
ツッコミ「"インストアーズナウ"なんだね? 見事な流れじゃん」
ボケ「やりきった感ある」
ツッコミ「じゃあ話を戻しましょう。多分初心者向けの講習とか受けられるでしょ? そんな感じで俺にも教えてほしいわけ」
ボケ「よかろう。――ご覧下さい、こちら色とりどりの石が壁にとりつけてありますよね。この石は"ホールド"といって、同じ色のホールドを伝っていくのが一つのルートになってます。初心者向けのルートは黄色です」
ツッコミ「ほうほう、あれってカラフルな見映えとかじゃなくてコースの区別だったのね」
ボケ「というわけで、初心者の皆さんはこの黄色いチラシを周囲の一軒家の"ポースト"に投函して回ってください」
ツッコミ「いやそれ"ポスティング"だね? 『というわけで、』じゃないよ客に何やらせようとしてんの」
ボケ「建物敷地内に入ると住居侵入罪の問題になってくるので、マンションでのポスティングは上級者向けですね」
ツッコミ「法的な難易度とか聞いてないのよ、何そのプロ目線」
ボケ「さて、では登る前にマットの外から全体を眺めてコースの確認をしましょう。下の方にSのシールが貼ってあって、上の方にGのシール、それがスタートとゴールの目印です」
ツッコミ「ほうほう」
ボケ「先にどうやって登るか自分でイメージを作っておくんです。難易度の高いコースだと攻略法を考えるのも醍醐味ですね」
ツッコミ「なるほど、そういう頭を使う面白さもあるんですね」
ボケ「それと、滑り止めとしてこの袋の中の粉を手にまぶしておいてください。どうぞ」
ツッコミ「ああ、どうも」
ボケ「ハッピーターンの粉です」
ツッコミ「いや勿体ないな? ベッタベタになるだけでしょ、チョークの粉なんだと思うよそれ。さて、早速登ってみますか」
ボケ「おっと、つったりケガをしたりしないようストレッチも忘れずに」
ツッコミ「あー俺特に身体固いからね、入念にやっとかないと」
ボケ「更に、落ちた時に備えて受け身の練習です」
ツッコミ「え、初心者コースでそこまでするの?」
ボケ「後ろ受け身、横受け身、前受け身、前回り受け身、これらはマスターしていただかないと試合に出せません」
ツッコミ「いやそれ柔道じゃん」
ボケ「黙ってやれェ1年坊ッ! 受け身練習1時間だッ!」
ツッコミ「めちゃくちゃ厳しい柔道部じゃん」
ボケ「よし、よく頑張ったな。初心者の癖に見所あるじゃねーか、帰りに牛丼おごってやる」
ツッコミ「優しさも兼ね備えたいい先輩じゃん」
ボケ「というわけで、これにて講習込み1時間コース終了です」
ツッコミ「ボルダリング出来ないまま終わっちゃったよ」
ボケ「講習込みの料金だと10万円になります」
ツッコミ「それは"ぼったくりング"だ。いい加減にしろ」
二人「どうもありがとうございました~」
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