神都襲来 邂逅 回想グレイス編
やっぱりこいつは嫌いだ、何回も何回も叩き潰してメンタルも壊している筈なのに再会するたびに熱苦しくなって登場してくる
こいつの父親は割と楽しめた
あの戦場で戦った時に唯一楽しかったからまだ記憶に残ってる。
「お前ら、遅いささっと第十位階級世界の扉を持ってこい」
「ハッ、申し訳ございません」
「プロフェンス、いるなら先行して取ってこいよ暇だから少し遊んでくる」
そう言って部下に伝えた後戦場のど真ん中に身体強化で肉体強化した後ジャンプする、地面が少しクレーターみたいに凹んだが無視だ無視、気にするのが面倒くせぇ
着地する時に拳を地面に打ち付けて無理矢理止まる、余波で周りの従魔や敵を吹き飛ばしてしまったがそれも気にしない
派手な着地をしたら大抵強い奴が挑んでくるから今回も待った。
手前に紅い鎧を着た騎士が剣を突き刺しながら着地し、辺りをマグマを生成してフィールドを作り出した
「へぇ、強そうだな?んでその鎧は無理矢理悪魔で作ったな?歪だぞ」
「そうか、それももう気にしなくて良いぞ」
紅鎧を着た騎司が剣をこちらに斬りかかってくる、翼が光り炎を噴出し速度が上がりながら迫ってくる
「速いねぇ、だけど少し素直過ぎない?」
拳を剣の軌道に合わして弾こうとすると剣が急にカーブし体を斬られる
「訂正するわ、お前汚ねぇぜ」
「…褒め言葉として受け取る」
「口数が少ないねっ!」
回し蹴りを繰り出す、見事に横腹に当たると紅鎧は派手に吹き飛ぶ
吹き飛んだ先を確認したら腕をもぎ取られたかのように欠けていた
「当たる前に腕を犠牲にしてダメージを軽くしたのか、良い判断だな?」
ブーストを起動して一気に距離を詰めて足を踏み込みボディーブローをする
「くっ…まだ本気を出してないだけだ」
翼が光り紅を撒き散らしながら高速で後ろを取られ剣で斬られる、久しぶりに楽しめそうだ
「なら、少しスピード上げるぞ」
ボディーブローをもう一回した後ジャブを3回当てストレートをぶち込み吹き飛んでる最中に背中を取りエルボーを入れフラフラしてる最中にアッパーを顎に当てる
「まだ耐えるのか、硬いな」
「グァ…ジィッ!」
袈裟斬りから突き上げるように剣を振り上げ回転して横に振られ片腕でガードする、ガードで弾かれたら頭突きをしてきのけぞった瞬間掬い上げるように足を弾かれ転倒する
「うぉ?!」
転倒して倒れる瞬間に背中の魔法陣を起動して立て直す
立て直す瞬間剣で何回か斬られ少し負傷するがすぐに体の魔法陣が起動して修復する
「ぐぅ……負けるわけにはいかない」
〔グレイスお嬢様、扉を手に入れましたので早めにご帰還をお願いいたします〕
「分かった、出来るだけ早めに帰還する」
少し急がないといけないらしい、残念だが遊びはこれで終わりの方が良いだろう
「すまんな、用事が出来たからさっさと死んでくれ」
魔法剣を作り出し振りかぶる
「がぁぁ!」
血を吐き出しながら残った腕で剣を持ち弾く
上段から振り下げ受け止められたからタックルをしよろめかせる、よろめいている時に足を蹴り折り曲げる
「ガハッ…」
膝を着き苦悶に顔を染めた瞬間首に向けて魔法剣を斬り込む
案外抵抗も無く首が斬れた
丁度腹が空いたから残っている腕を無理矢理千切り取り喰らう
「美味いな、でも飽きやすいなこの味は」
腕を齧りつつ死体に作り出した頭巾を被せ皮を作り出しペタペタ貼ると元の頭みたいになる
元の頭は目をほじくって喰べた後舌に噛みつき引きずり出してこれも喰べてその最中歯が邪魔だから叩き外した
「何か釣れるかなぁ」
と釣りをする感覚で糸魔法で演劇をするように糸を絡ませて動かすと人形劇を開始する
暫くすると城が見えたため魔素を周りに集めて魔術を使い見えないようにして操作する
赤い髪をした少年が死体に走り寄ってくる
面倒だから頭を外した死体がやっと見えたのか手前で立ち竦む少年の横に行き声を掛ける、ひどく驚いて飛び退いた
見せつけるように腕を齧る
「やっぱこの辺りになると美味しいな、もっと欲しくなって腹がペコペコだぜ」
喰べ終えて一息ついてる時に少年が睨んでくる
「父さんを殺したのか」
なんと、息子だったらしい
「お?息子さん?ならこれ返さないとな」
持つのが面倒になってきた頭を少年に向かって放り投げる
そこから色々と物理障壁を破ってきたり誘惑してみたが少年は耐えた、意外と強いと認識を改めた
少年を抱きついたまま締め上げていると、目が見えた
死ねない、死にたくない、許さない、そんな恐怖と怒りが混じった目を見て少し考えてみた…強くなれば父親より美味しくなるのでは?と思い締め上げてた腕をのけて呆けている少年に声を掛ける
「強くなったら喰べてやるよ、お前が生きる代わりにこの世界の全てを喰い散らかしてやるから懺悔でもしてるんだな」
少年にそう言い残しゲートを繋いで帰還した
それからは勇者共と戦っている最中に突然乱入してきたり
第九位階級世界に残していた従魔を全滅させられたりと厄介な存在になって来たが、一番の問題は会うごとにこちらに憎しみの目を向けながら熱苦しいテンションで攻められるのが面倒なのが一番の問題だ。
それから相当な時間が経ったが力は鈍ってないらしい
少し呆れながら目の前にいる今はまた少し成長した少年を見据え
手元に魔法剣を作り出した