暇過ぎて退屈
長いテーブルの上でシャンデリアの明かりが灯りギリギリ明るさを保っている豪勢な部屋に3人の人影が写る、しかし影を見ると人とはかけ離れた異形の姿をしている
1人は退屈そうにクッキーを齧り
1人は満足気にトランプタワーを見ており
1人は穏やかに紅茶を飲んでいる
「おい、流石にこれは暇過ぎないか?体が鈍りそうだぜ」
そう言って不満気に、クッキーを齧り暇そうにしてる赤い眼帯を巻いた少女が愚痴を吐き
「ふふふ、ついに26段トランプタワーを完成させた…!」
ドヤ顔で満足そうに胸を張る黒い眼帯を巻いた少女は、その事を無視してるのか気付いてないのか分からない反応をしている
「おい…話しぐらい聞いてくれても良いじゃねぇかよ…」
「あらアリス、貴女はリスみたいにクッキーを齧ってて暇そうに見えないわよ?」
「あ?リスじゃねぇよ、良いよなお前は暇潰し道具があってよ」
その会話に自然に混ざる感じに白い眼帯を巻いた少女が参加する
「あら、貴女はこんな暇潰し道具では満足しないくせに」
彼女達…いや、彼女達と呼んで良いのか分からないこの3つの
異形達はそれぞれ能力が違うが同じ時に生まれ一緒に過ごしている姉妹や兄弟に似た関係である
赤い眼帯を巻いている少女はグレイシャ・アリス
黒い眼帯を巻いている少女はグレイシャ・アリア
白い眼帯を巻いている少女はグレイシャ・アリサ
悠久の時を生き存在し続ける最上位の異形である
この3つの異形達はかつて様々な世界を統一し管理している天界に乗り込み無傷に近い状態で蹂躙していたが、天界の上位者による異世界からの勇者召喚により、召喚された総勢200の勇者達によりなんとか封印された存在である。
異形達は被害が無に等しいが勇者側は200の勇者の内10名しか生き残る事は出来なかった損害を出している
主な殲滅や虐殺をしていたグレイシャ・アリスは最も堅固な封印を施され
全てを狂わせたグレイシャ・アリアは最も厳しい封印を施され
事あるごとに天界ごと世界を操ったグレイシャ・アリサは最も干渉出来ない封印を施された
はずだったのだがそれを嘲笑うが如く既に封印を破壊し
神々を脅し贄を定期的に寄越す事を条件に暴れるのをやめて
3人で力を混ぜ合わせ固有の世界を創り出した
そして基本的な世界として、基準にされている地球と呼ばれる世界の平均時間でおよそ5000年が経った所で、グレイシャ・アリスが不満をぼやき始めた所である
「送られてくる贄はとてつもなく弱いしよぉ?暇潰し道具にもならねぇよ、あんな奴ら」
と不満気に言っているが送られてくる贄は第一級階級世界の各世界では英雄や勇者、はたまた魔王と呼ばれている世界の頂点に立つ者たちである
「仕方ないでしょう?ここは第一位階級世界なのよ、私達が元いた第十位階級世界とは比べ物にならないくらい質が落ちてるのだからね?グレイス」
と駄々をこねている子供を諭すようにグレイシャ・アリサは意見を述べた
「ちぇ、なら手っ取り早く第十位階級世界まで行くか?グレイサ」
「いや、天界の老害供から駄目って言われてるでしょう?」
名案と顔に出ているグレイシャ・アリスを呆れ顔で対応する
グレイシャ・アリア
「はぁ…あいつら不味いから喰えねぇんだよ、なんであんなに不味いんだよ?グレイア」
「いや、鍵をぶんどれば良いじゃない得意でしょ?脅し」
と見た目の割には随分と物騒な事を話している異形達であった、後に暇過ぎて天界に乗り込むのは割と遅くなかった