めんどくさい初友達【ロード視点】
拙い物語ですが、お暇にどうぞ。
「なぁなぁあんたが悪女と言われるアリス・ルビィクロエ?」
キョロキョロと道に迷っているんだろう途方にくれた顔をしている少女に声をかける。
銀色の髪に紫の瞳……まるで本当に天使みたいだなぁと密かに思う。
木上に居た俺を不審そうに眺めて綺麗な顔を歪ませた彼女にドキリとする。
『どちら様かしら……?急に私悪女よばりされることしてないわよ。道に迷ってどうしよって悩んでだけなのに。』
逃げられそうで逃げられないためにどうしようか考えてとりあえず木をおりる。
「ご無礼をお許しくださいお嬢様?」
膝まずいて上目遣いでパチーンとウインクまで決めたのだからイチコロだろ?と目の前のお嬢様を見ていると真顔で見つめられた。
え、地味に傷つくんだけど。
『………では、許すので帰り道を教えて下さる?屋敷についてから散歩をしていたら迷ってしまいましたの』
帰り道を教えたらきっとすぐにどっかいっちゃうよな~と苦笑いする。
「お嬢様?帰り道だけ知りたいの?俺には興味ないわけ?」
何気に俺モテるから可愛いお嬢様もかるーく遊んでやろうかなぁなんて思ってたんだけど興味が無いみたいで傷つく。
『……学園の生徒ならもし一緒に学ぶことがあればよろしくお願いしますねとしか言えませんけどね……名前は聞いても良いのかしら?知ってるみたいですけど私はアリスと申しますわ。』
簡潔に名前を教えてくれて名前を聞いてくる少女に執着してほしい気持ちがふつふつと沸いてくる。
なんだか、この瞳に執着して欲しいのだ。
「ロードだよ」
にっこりと笑うけど効果はイマイチ
『では、ロード様わたくし帰り道を教えて頂きたいのだけど……』
「ロードでいいぜ~なんだお嬢様迷子なんだ?」
何がなんでも帰りたがるお嬢様を焦らす。
『………迷子じゃないわ…道が解れば帰るもの…』
「それを迷子って言うだろ?オッケーエスコートさせていただきますよ~お手をどうぞ、お嬢様?」
迷子と認めないのがなんだかかわいくて笑ってしまった。
にひっと笑って手を差し出す。
手をとって良いのか悩んでいるようでロードは泣きまねをする。
「あれれ~俺の手が寂しいよぉ~って泣いてるんだけど?…泣いてるってお嬢様っ!早く手をとって泣き止ませてよ?」
身ぶり手振りで幼稚園児でも相手にしているような態度をとると呆れながらも笑ってくれる。
『………ありがとう。』
ロードは一瞬驚いた顔をしてなるほどねぇ~と呟く。
悪女なんて噂があるけどなまじ嘘ではないかもしれない。
彼女は一緒に居るとなんだか、気持ちが引きづられていく感覚になる。
そしてそれを降りきるかのように歩きだして元気よく話始める。
色んな話をしていると笑ってくれるのがうれしい
「あっ!なぁなぁお嬢様色んな男を手玉にとってるって本当?ちょっとした噂になってんだよね~あ、さっきはごめんな?銀色の紫色の目で本当に居たから吃驚して聞いちゃった…」
『…私が手玉にとれそうに見えるの?』
あの気違い女が言ってた話をすると不機嫌そうな顔をする。
「うーん!取れそうは取れそうだけどねっ~手玉にとるってより気づいたら色んな手のひらに爪痕残してるタイプに見えるかな~見た目天使だけど話すと割りと普通だし~面白味はない感じ~話すのあんまり得意じゃないだろ?緊張してるぐらいだし!」
緊張しながら頑張って話すのが可愛いと思う。
『………あんまり…面白味なくて悪いわね
「いーや?俺には面白いよ~結構好きな感じ!」
てか、だいぶ好きな感じとロードは思う。
可愛い見た目に話すのが不器用な感じがロードにはむず痒くて可愛かった。
『貴方の好きな感じがどんなものかちょっと気になるけど嫌われはしなかったみたいで良かったわ。私学園で友達つくるって決めたんだからっ!』
「へ?友達?お嬢様………友達居ないの?」
かわいそうな子を見るとやめてよって目をされる。
『………居ないんじゃないわよ。作れなかったの!産まれてから先生と執事と婚約者にしかほとんど会ったことないんだもの…だ、だから、友達がいない訳じゃないはずよ…………たぶん。』
「…………へぇ~じゃぁ、俺が友達1号だなっ!」
落ち込んで黙りはじめるアリスに元気に告げると目を輝かせる。
『……もう友達でいいの?』
吃驚して聞くアリスに悪戯な笑みをして答える
「お嬢様は嫌なの?」
ヤバい俺かっこよくない?なんて心で思う。
『……っ、嫌じゃない…友達…うれしい!!』
ぎゅっと握られた手に心がぞくぞくする。
『あのね、こんなに他の人と話すのは久しぶりで緊張していたの…嫌われてなくてお世辞でも友達っていってくれてありがとうロード様』
にっこりと笑われてかっとなる…お世辞?
「ねぇ、なんでお世辞なんていうわけ?俺お世辞じゃなくて友達になりたいんだけど……それとも俺がチャラチャラしてるからお世辞で言ってるって思ってんの?」
『え、ちが…』
「あー…ムカついた…」
ぽそっと呟くと手を離される。
手離すなよ、ごめんなさい好きだから友達でいたいってすがりついてこいよ。
そのまままっすぐ行けば着くよって更に突き放してみる。
さすがに引き留めてくるよな?ってアリスを見ると涙で残酷な台詞をはいてきた。
『……ごめんなさい。ロード様失礼しましたわ。私浮かれていたみたい……っ…さよなら。道…教えて下さってありがとう』
お礼をして去ろうとするのをみる。
「(は?なんで涙で俺を捨てるわけ?捨てないで!っていってくれるだけで良いのに!)」
ロードはアリスと友達になった瞬間に一生友達でいるつもりなのにアリスは違うことにイライラする。
「ねぇっ!なんで!謝って終わりな訳?!友達でいたいならもっと俺にごめん友達でいたいってすがってくれたって良いじゃんか!!俺だけな訳?そこまでしても友達になりたいって思ったのって……辛いんだけど…」
『え、だって嫌われた…』
「ムカついただけで嫌いって言ってないけど?」
むしろ好きだから俺から友達っていったんじゃん。
俺はじめてなんだけど?自分から関係作った女の子
『だって……やな顔した……
「はぁ?好きな友達にお世辞って言われたら嫌じゃん!」
『…っ、じゃぁ、どうしたら良かったの?っ、嫌われたら離れた方が早いじゃない!』
「すがって欲しいの!俺は!俺じゃなきゃやだって友達がいいって!」
子供みたいな喧嘩をしてアリスを怒る。
すぐ捨てんなよ簡単にムカついてムカついてしかたないのに一緒にいる一秒ごとに彼女が可愛いくみえる自分にムカつく。
『…っ…ロードと友達になりたい……です…っひっ…っ』
涙を流す彼女にぞくぞくする自分にヤバいなぁって思いながらアリスを泣き止ませる。惜しいけど……ね。
「しっかたないなぁ~ほら泣き止んでよ~友達だよ俺たち。ずっと一緒ずっ~と側に居るって?ね?アリス泣き止んでよ。ごめんなぁ……泣かして」
普段こんなんじゃないのに俺どうしたんだろ?とロードは悩むのだ。自分はこんな人に執着しないしされるのも嫌いだ。
でも……涙をふきながらロードはアリスの涙が綺麗で好きだ俺だけに流してほしいと考える(舐めたいなぁ…)アレ。なんだろうこの気持ち?と悩んでいると後ろから来た執事に吹っ飛ばされるのだった。
ありがとうございました。