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狂っている世界で狂っている少女①

拙い物語ですが、お暇にどうぞ。


「異世界からの客人がクロエを知っている?」


話があるとグレイ王子から言われたベルは眉を寄せる。


「えぇ、アリスだけではありませんけどね。貴方の事はもちろん俺の事も力を持つこの世界の次期担い手ばかり知ってるんですよ。細かい能力までね」


本人はきっと運命だから懐かしいような気持ちになるんだと思うのっ!もしかしたらこの世界に生まれていたら親しい関係だったのかな?なんて世迷言を吐いていたが。

あの欲にまみれた瞳のなんて気持ち悪いことか……


「そして困った事に少しでも冷たくされると全てアリスが悪いことになるんですよ、彼女の脳内ではね。」


「は?」


「アリスは俺の婚約者ですが、この世界で貴方をしのぐ魔力の保持者であることはまだ明かされていません。なのに彼女アリスの事をベラベラと話すんですよ。冷たくされるたびにあの可愛い顔に騙されてるとか魔力に操られてるとかね……。いくら存在しか知らない人間でもそんなに可愛いやら魔力が強いやら悪女やら言われたら気になるでしょう?」


本当に迷惑と語りながらイライラしているグレイ王子に珍しさを感じながらベルは考える。


「……彼女がクロエに害をなす可能性は?」


「残念ながら、確実に」


「なるほど…それで貴方が私にそれを話すと言うことは考えがあってのことですね?」


「…………不本意ですが、貴方に特別講師としてお越しいただこうと思いまして。」


ベルは薄く笑う、グレイ王子はベルが今まで学園に行く手段を潰してきた。


クロエに会う手段を潰してきた人間の言うこととは思えないが今のベルにとってはどうでもよいことだった。


重要なのは……


「……それは、私の魔法で異世界からの客人が消えても良いということですか?王族は異世界からの力を手に入れようと躍起になっていると思いましたが」


馬鹿にするようにやれやれと首を傾げるとグレイ王子はため息をつく。


「確かに王族の意向としては異世界からの客人を手にいれようとしている輩が多いです。まぁ、祝福の力を使える唯一の人間だというのは駒として中々に魅力的ではありますけどね……」


一息つくとでも、と続けるグレイ王子にベルは黙って話を聞く。


「俺はアリスに害を1%でもかける要素がある駒は駒としてでも害虫にしかならないんですよ。」


綺麗な顔に似合わない冷たい顔をして外を見ると窓から見えるクロエを探す。

クロエをとらえると目に熱が隠る。


「………なるほど。解りました、後日そちらに行き学園にクロエを守る術をかけましょう。」


「…感謝しますよ。念には念をいれなければ……ね。相手は異世界からの化け物ですから」


「おや、異世界からの化け物にこの世界の化け物をぶつけようと思ったんですか」


目を細めると意外そうな顔をする。


「…俺は貴方を化け物だと思ってませんよ。貴方を化け物扱いするということはアリスも化け物にしてしまうということですから。」


ベルは思う、この腹黒王子はクロエの事にかけては本当に純粋だ。潔癖過ぎるほどにアリスを守りきろうとするその姿はいっそ哀れにも見える。

自分の守り方とも違う守り方。


「(たまに、酷く羨ましくなりますよ。その若さ故の純粋さ…)」


自分にはもう消えてしまった何かをこの王子は持っているようでベルは複雑な心境になったのを隠すように学園での仕事を聞くのだった。



◆◇◆◇◆◇


ちょっと前の話↓


「あ、グレイさまぁ!!!!!!」


私は上原 雫この世界に召喚されました!

可愛い声と仕草で王子様を呼ぶんだけと返事がないっ

なんで?あ、きこえなかったのね!次は抱きつきながら話しかけてみようかなぁ~


王子様っていうのはこの世界の本当の王子様で金髪の髪の毛に銀色の目がとーーーーってもカッコいいの!


召喚された世界が魔法の世界なんだけど私はこの世界を知ってる。

前の世界でゲームをしてたら急にバグって神様にあったの!

この世界のヒロインに転生させてくれるって言われたから二つ返事でオーケーしちゃった。


この世界は魔法のせかいでわたしだけが祝福の魔法を使えるんだから逆ハーレムも簡単に作れちゃうでしょ?

私めちゃくちゃ可愛くなってるし最強ってこんな感じよね?

でも、何だかおかしいの


私が一番可愛くて私が一番強いはずなのにグレイは初日に挨拶して以来こっちからたくさん話しかけないと相手してくれないの。

ちゃんと貴方に一目惚れしました結婚してあげるって伝えたのに………。照れて嫌だなんて言われるし照れてるにしたって悲しかったんだからっ!


でも、まぁ、転生してすぐだしちょっとは仕方ないわよね?

本当はグレイも私と一緒に居たいのに執務なんて可哀相………。


私が癒してあげなきゃね!

逆ハーレムはつくる予定だけどやっぱり結婚するなら王子様がいいっかなぁって!

でも皆安心して私は皆を愛してるから皆に愛されてあげるんだからっ!


でもね。学園に入学出来たのは良いけどほとんどのキャラがあんまり会えてなくて辛くて泣きそう……。


こっちから会いに行って会えてもあんまり話してくれないの!


こんなに会えないしイベントのひとつも起きないのはおかしいと思って考えたわ。

そしたら解った……アリス・ルビィクロエ……この世界の敵。


あの女が私ばかりが好かれるのが許せなくて邪魔してるのよ!!!!!


ぜったいに許されないんだから!!!!


邪魔されたぶん学園で会ったらやり返してやるわ。

ざまぁが楽しみで楽しみでニヤニヤが止まらない。


皆あの女の魔力が怖いんでしょ?大丈夫っ!!



   私が助けてあげるわ!!!


 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄



【なぁなぁ今回外れじゃねぇの。やることなすことだたの我が儘女って感じ見ててイライラするんだけどぉ~】

【五月蝿いなぁ何か面白いこと無いかなぁ~っていうから余所の世界から狂いそうな女連れてきて落としてみたんじゃん】

【てか、この世界別の転生者いるのなんでだよ】

【………失敗しちゃった⭐️】

【うわぁ……ま、そのお陰でちったぁ面白くなるかもなぁ……】


少女の様子を眺めながら彼女を転生させたという神様は欠伸をするのでした。


ありがとうございました。

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