お茶会
拙い物語ですが、お暇にどうぞ。
「なぁなぁアリス?俺と今度町に出掛けようぜ?」
『えっと………申し訳ないのだけど…』
ニコニコと声をかけてくるのはロードだ。
あのあと話しているうちにロードは宰相の息子で遠い血すじに私の遠い叔母ぁ様と姉妹だった方がいるみたいで親戚になることを知った。
ちなみにその姉妹が私の血に流れる王族の血筋なわけで、王子様とも遠い親戚になるわけだ。
「ふふ、ロード。僕の婚約者さまを余り困らないでくれるかな?」
優雅に笑う王子様は以前から友人だったらしい。
『(軟禁されてるから何にも知らないのよね私)』
特に不自由もなかったけど…と苦笑する。
「…申し訳ありません、殿下…しかし友人としてアリスを見たことないと言っていた城下へ案内したいという私の心も汲んで頂けますと有難いんですがね……森から出たことないと聞いて驚きました。」
にっこりと笑うロードは違う人のようだ。
いつもは猫のような笑い方をするのにこうしてみると王子様に似ているのだから変だ。
「……僕も行こうかな。それなら良いよ」
若干嫌そうな顔はしたが了承した。
やった、城下町に出れる!森から出たことない田舎者には楽しみだ。
わぁぁ嬉しいって顔に出てたのかロードにはウインクされてちょっと照れた。
「お茶のおかわりはいかがしますか?」
サイがお茶を追加してくれてケーキも出してくれる。
学園に来てからまだヒロインにも会ってないし平和すぎて怖くなってきた。
『(このまま何もなく王子様にフラれて学園卒業出来たらいいなぁ~あ、なんか仕事みつけとないと……手に職よねやっぱり)』
と考えているとグレイ王子が急に怖い目をしている。
『(やばっ、考えてることバレたかな?)』
王子様は心も読めそうだと考えながら背筋が凍る。
『…殿下?どうされました?』
「ん?いいや。アリスは心配しなくていいよ。ネズミがいたようでね。すぐに片付くよ。」
『…ネズミ?』
ぞわぁっと鳥肌が立つ肌をさすっているとグレイにはごめんねと笑うのだ。
それを横目に見ながらロードが茂みにヒロインがいるのに気づいて目を細めてにんまりと怖い顔で嗤ったのを私は知らなかった。
ありがとうございました。