09話
静かな暗い闇の中。
見えない不安より、静寂が心地よい。
自分が誰で何をしていたのか、考えることも無く静寂に身を委ねていると、どこからか声が聞こえてきた。
[・・ディ・。ルー・ィス。ルーディ・。ルーディス]
微睡の中、誰かが呼ぶ声を聞こえ、ルーディスは目を開けた。
そこは洞窟のなかだろうか。
ゴツゴツとした岩肌が見え、目視はできないが水の流れる音が聞こえている。
[彼の話を聴け。彼が答えを知っている]
(彼? 誰の事だ)
ルーディスがその言葉で、他の誰かを意識した瞬間、目の前の場景に変化が起こった。
急に人影が現れたのだ。
2人が折り重なるように地面に倒れている。
そこではじめて、ルーディスは自分が立っている事に気付いた。
一方はツヤの有る鱗の肌に、背中には魚のヒレの形をした大きな翼が生え、胸に刺さった長柄刀から青色の血が流す魔族。
そしてもう一方は、その刺さった長柄刀を握り、魔族を睨め付ける騎士。
騎士の鎧は魔族の青い返り血に染まり、その腹部には傷穴が開けられていた。
[これは彼の記憶の情景だ]
どこかから声が聞こえてきた。
その声と目の前の場景が、先程まで自分がどこにいて何をしていたかを思い出させた。
同時にルーディスの目に映っているのが誰と誰なのかを知る。
「まさか、あれが水魔騎とラウル様なのか!?」
[その通りだ]
返事をしてくれたその声には、不思議な懐かしさがあった。
ルーディスは視線を正面に向けた。
そこでは水魔騎とラウルが向かい合っていた。
「まさか、俺を倒せる者が人間にいるとはな」
「千年前に貴様より上位の魔族を倒した方もいるのだ。人間を甘く見たな。魔族よ」
「クククク……。なら、俺が死んだら人間界にどう影響するかも把握しているのかな? 人間よ」
【そうだ。それだけは阻止しないといけない。魔界で生まれた上位魔族が人間界で死ぬと、その体内に凝縮された魔力が暴発する。ルシュハルトくんが提供してくれた貴重な情報だ】
魔族との会話とは別に頭の中にラウルの声が頭に直接届く。
話の流れに合わせて、目の前の場景にも変化が起きる。
そこは、遺跡の島の地上。
倒れた建物の上に、炎を纏う巨大な猛犬が見える。
(あれが、聖騎士ルシュハルト様が倒したという伝説級魔獣ケルベロス。という事は……)
部下を引き連れたラウルと聖騎士の鎧を身に着けた大弓を背負った青年が目の前に現れる。
「ラウルさん。気を付けてください。上位魔族であれば、この地は消し飛んでしまうかもしれません」
聖騎士の青年がラウルに話しかける。
「どういう事だ。ルシュハルトくん」
「以前、僕が見つけた奇跡の巫女テラ・センテブローインの手記に書いてありました。バチス半島のイラグロームという内海を知っていますか?」
「ああ、不自然な地形をしている場所と聞いたことがある。嘘か誠か遥か昔は山があったとかいう噂があるな」
「テラの手記によると本当の事です。千年前、時の法王グラム天下が剛魔将を倒した際、魔力が暴発し周囲を消滅させたとあります」
「その手記の真偽は? 本当にテラが書いた物なのか?」
あまりの内容に、ラウルが驚き声を上げる
「見つけた際に教皇庁に報告しました。結果、禁書指定を受けました」
禁書とは教皇庁から一般所有を禁じられた書物のことである。
その基準は公共に多大な影響を及ぼす内容ゆえに公開できないと判断されたものである。
逆に言えば、その内容が真実であるという認定を教皇庁が下したということ。
つまり、信憑性が高い情報ということだ。
「その内容を知っているのは? 他に誰かいるのか?」
「遠征に参加している中では、発見者である僕と、この遠征の責任者である団長くらいでしょうね」
「被害の試算は? どの程度の影響があるんだ」
「もし、魔将以上であれば第二のイラグローム海ができるでしょう。魔騎だとしても、オルトレイク都市が消滅する可能性もあります。正直、魔将との比較は難しいので何も起こらない可能性もありますが、楽観は出来ないですね」
【そして、私は考えた。死ぬことで魔力が暴発するというのは、体内に内包する魔力が一度に制御を失うことで、単純な破壊力に変わってしまうのではないか。例えるなら、魔力を込め過ぎた杖が崩壊し砕け散るような】
再び、頭の中に直接声が届く。
そして場景は、洞窟内でラウルと水魔騎が相打ちになっている場面に戻る。
「強化・封印・準備」
「人間ごときの封印で崩壊は収まらんよ」
(今の言い様。水魔騎自身も死ぬことで周囲を消滅させる事を把握しているのか)
「我が周囲に集いし魔力よ。我が声を聞け。我が求めるは太古の遺跡の守護なり。我が刀に集いし魔力よ。我が刀を形代にし盟約を結ぼう。我が好敵手に集いし魔力よ。望むものは同じなり。其方らの力は我と好敵手を永く永く永く永く永く永く永く永く永く永く永く永く永く永く永く永く………」
ラウルが『永く』という言葉を重ねる度に周囲の魔力が光っていく。
最初はラウルの周囲と刀から、だんだんと水魔騎の体からも光が弱弱しくも溢れてくる。
「クククク……。俺の魔力をも使用するか。いいぞ好きなだけ持って行け。いずれ我等が帝国に、この施設は必要となる。その時までこの施設は存在して貰わねばならん」
人間と魔族の利害の一致。
水魔騎の発言と共に、水魔騎の体から魔力の光が噴き出すように発される。
「……永く永く永く遥かな時まで封印する事に使用されん事を。 魔力・連結・融合・帰化」
「ククク……。成功だよ人間。魔力が混ざり始めた。このまま我等は息絶えるだろう。しかしこの魔法が継続される限り施設は無事だ」
「ブリンス! この事を聖騎士に伝えろ。俺からの最後の命令だ。やり遂げろ!」
ラウルの言葉に、更に1人の人物が現れる。
それは、左腕を失くし足を引き摺り鞘に納めた長柄刀を杖替わりに進む騎士の後姿だった。
(彼は、ラウル様の一番弟子、魔導戦士のブリンス・イ・ラドゥ様だろう。彼はこの後、水魔騎の封印の報告と共に息を引き取ったんだっけ……)
【これで、果ててよかったはずだった。しかし1匹のイレギュラーがバランスを崩す】
一部始終を見ていた1匹のゴブリンが、水魔騎のもとに駆け寄る。
「お前か、どいてろと言っといたはずだぞ」
ゴブリンは顔を横にふり唸るような声を発した。
そして、邪魔だと言わんばかりにラウルを押しのけ、水魔騎に刺さった長柄刀を抜こうとするがびくともしない。
「お前にその刀は抜けない。俺の魔力が防壁となってお前の行動を阻害する」
水魔騎の言葉に悲しそうな声を出す。
「ふ……死ぬ前の気まぐれだ。お前に魔粧を施してやろう」
水魔騎はそう言うと、血に濡れた指でゴブリンの顔に細かく細かく紋様を描いていった。
最後の紋様が描かれた時、ゴブリンに知能が生まれた。
「俺の魔力を使ってまで魔粧を施してやったのだ。せいぜい生き足掻け」
「わ……わが、ある、じ、さま。ゲッゲッゲ、わが、あるじさま。ち、ちからを、あ、ありがと、ごじゃい、まつ。いっ、いつか、あるじさま、の、ねがいを、この、ちを、てんに、あげます。だから、ちから、かしてくだ、さい。魔力・捜査」
ゴブリンは呪文を唱え始めた。
原論文は、魔物の言葉を使っているようで聞き取れない。
「おい! よせ!」
水魔騎が制止するも、一度唱え始めた魔法は止まらない。
「再生・促進」
ゴブリンの魔法が完成した。
水魔騎の描いた魔粧が肌に焼き付き、さらに顔だけでなく、全身に広がっていく。
【奴は、水魔騎の力を奪い取った。無理に奪ったことで、水魔騎の肉体に負担がかかり彼は息絶えた。そして、封印が完成する前に干渉されてしまったため、私の肉体が封印よりはじき出されてしまった。そして、奴を唆す者が現れる】
声と共に現れたのは、ライオンの体に歪んだ老人の顔を持つ魔獣、マンティコアだった。
「おやおや、主殿は死に、ゴブリンごときが力を引き継いだか」
「ゲッゲッゲ。マン、ティコアどの?」
「聞いた所によると、主どのをはじめとした全魔族の悲願達成のために、この地を天に上げたいというのじゃな」
「ゲっ。あるじさまの為に達成するのです」
「くははは、だいぶ口も流暢になってきたのう。よし、今から汝は、ワシの新たな主じゃ。この施設はワシの最初の主達が造ったものじゃ。その翼ある侵略者どもは、大地を天空樹の支配から切り離す研究をしていた。ワシが生まれたのも、その実験のためじゃった。そのくそったれな最初の主達の秘術を新たな主殿に教えて進ぜよう」
魔力というのは、そもそも神が不要と捨てた要素。
神に憧れた人種が、魔力を見つけ出し堕ちた種族である。
そして天空人は、神のもとへ行く前は自らの大地を切り離そうとしていた。
その実験施設や試験施設が遺跡として残っている場所が多々存在する。
この遺跡もその一つとして、研究されている。
水魔騎は、その調査に来たのだろう。
試験施設で生まれたマンティコアに出会い、遺跡の研究結果をある程度集めたはずだ。
マンティコアの口ぶりから、実際に大地を天に上げることができるようだ。
「ゲゲゲ。その秘術で、この地を天に上げられるですか?」
「ここは、いくつかある翼ある侵略者の実働試験場じゃ。他の建物はすでに崩れてしもうたがの。この地を天に上げる最終試験前にとある事情で破棄されたが、理論上可能じゃよ」
実際に大地を切り離すためには様々問題が存在する。
例えば、創世神話に残る天空樹からの離脱を監視する天空竜の存在や、単純に大地が崩壊しないかなどだ。
マンティコアの言う通り実用レベルまで研究が進んでいたとしても、幾千、幾万年経過した現代にそのまま利用可能なのかなどの問題もある。
魔族の帝国が、実際にこの施設を起動させる時は、その問題を解決出来る算段がたった後になるはずだ。
それらを無視して起動させようとするゴブリンの行動は完全に暴走と言える。
しかも、それを制止できる水魔騎は既にいない。
やがて、ラウルも息絶えた。
暫くすると、ラウルの遺体がカタカタと音を鳴らし、ついには起き上がった。
【私の鎧は水魔騎の血で染められていた。死霊騎士になるのは当然だったかもしれない。しかし、嬉しい誤算もあった。私の魂が、鎧の中に封印されていた事だ。しかも、水魔騎の骸と魔力で繋がっており、ある程度魔力の操作がこちらで可能と言う事だ。また、原論文に使用した言葉により、遺跡の守護に魔力を操る場合は優先的に従ってくれる。しかし魔力を操作できても、行動を制御することはできなかった】
「ゲゲッ! まだ生きてたのかニンゲン」
「いや、これは主殿の血によって生まれた死霊騎士じゃな。しかも、水魔の主殿の魔力で動いておる。新たな主殿にも従うじゃろうて」
「ゲッゲッゲッ。なら、このまま地上に攻め込めば……」
「それは悪手じゃな。まだ、地上にはケルベロスを倒した戦力が残っておろう。今はまだ、雌伏の時じゃよ。今は落ち延びた鬼共を集め組織せよ。それに、この地を天に上げるのならこの施設の管理を乗っ取らねばならん。こやつの力はそこに使った方が有意義じゃろうて」
マンティコアが言葉巧みに、ゴブリンの思考を誘導していく。
【私は賭けに出ることにした。遺跡の管理を乗っ取る時に死霊騎士を使うのならその時がチャンスだ。死霊騎士は人類の脅威になるだろう。しかし倒せないわけでは無い。最悪、アイツ等が居てくれるからな】
その声と共に現れた光景は、闘技場でラウルと戦う【絶対勝者】キルウェント・アスタルと、それを見守る竜を象ったフルプレートメイルに身を包む大男【竜騎兵】リージェス。
いずれも若々しい姿だった。
そして、その光景は段々と闇に消えていく。
[彼の話はここまでだ。答えはわかったかい?]
最後に謎の声が聞こえルーディスは目を覚ます。
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ルーディスは死霊騎士の右腕から噴き出した魔力の渦の中にいた。
「ゲゲゲゲ……、随分とため込んでたな。死霊騎士よ。」
ホブゴブリンは杖を掲げ、噴出した魔力を吸い取る。
しかし、圧力に耐えかね杖は崩壊してしまった。
魔粧の力が増し、ゴブリンの肌が鱗に覆れ水魔のよう変化する。
「こぼれた魔力をとったのは良いが、杖が砕けてしまった。これでは管理者の制御を奪い捕れないではないか」
先手のチャンスだっだが、イルノアとパナバスは攻撃を躊躇っていた。
レイリアは「あの魔獣、あん時真っ二つにしてやれば良かった。めちゃくちゃ悪党じゃない」と、怒りを顕にしている。
どうやら、先ほどの幻を見たのはルーディスだけではなかったらしい。
「イルノアくん達下がって! サイスちゃん援護。レイちゃん、ルーディスくん。牽制して」
いち早くショックから立ち直ったルイが、イルノア達に後退の指示を出す。
しかし、ホブゴブリンに向かっていたイルノア達は、動きを止めてたままだ。
ホブゴブリンは、イルノアの腕を掴み持ち上げるとパナバスに投げ付けた。
パナバスは避ける事ができず、まともにぶつかってしまう。
その隙を狙い死霊騎士がイルノアに止めを刺そうと接近する。
しかし、ルーディスが防御の構えをとりつつ死霊騎士の前に出る。
死霊騎士は動きを止め、ルーディスと対峙する。
レイリアも砕けた剣を捨て、もう一つの剣を握り直しホブコブリンの前へ移動する。
その間、パナバスがイルノアを担ぎルイ達がいる辺りまで下がる。
サイスが杖を掲げたのを見て、ホブゴブリンは魔法を警戒しイルノア達が下がるのを黙って見過ごした。
「しかし、どうします? あれを見た後で、水魔騎の遺体に魔法は打ち込めませんよ」
サイスも威嚇はしたが、どう攻めたら良いかわからず、ルイに相談している。
「とにかく、死霊騎士とホブ、いえ魔粧ゴブリンをなんとかするしかないわね」
ルイはホブゴブリンから魔粧ゴブリンに言い換え、今後の方針を指示する。
「ラウル様が言っていた賭けはどうします?」
「そうねえ、考慮しない方向で。賭けの内容がわからないのに、ここでギャンブルに出るのは危険よ。内容がわかって、こちらが後押しできるのなら賭けることも考えないでもないけど」
「今のところ死霊騎士の方が厄介ですね。ですが、魔粧ゴブリンが指示出せるんですよね」
「そうよね。決めた。ルーディスくんはそのまま死霊騎士に、レイちゃんも魔粧ゴブリンにあたって、パナバスさんは、イルノアくんを回復して、サイスちゃんは私が直接指示を出すわ」
ルイが手早く方針を決め、指示を出す。
「了解です」
「りょーかい」
ルーディスは、ルイに返事をすると、死霊騎士の幻術を警戒しつつ間合いを詰めた。
一方、レイリアは軽く返事をすると同時に、杖を失った魔粧ゴブリンの首を狙って剣を振る。
魔粧ゴブリンは間一髪のところで、左手を楯に変化させ剣をはじく。
その後も、魔粧ゴブリンに攻撃の機会を与える事もなく、攻め続けていく。
「レイは放っておいても大丈夫かな? しかし、ラウル様の記憶を見ても死霊騎士の弱点はわからなかったな……」
ルーディスは、レイリアの戦いを横目に見ながらも、死霊騎士の弱点探しを続ける。
それを隙だと見たのか、死霊騎士が先に仕掛ける。
左からの大振りな攻撃。
刀の軌道はわかりやすく、ルーディスは難なく受け流す。
しかし、剣と時間差で水球が3つルーディスに襲い掛かる。
たまらず、後方へ飛び下がるも、水球1つをまともにくらってしまい、遺跡の壁まで飛ばされてしまう。
ルーディスは、すぐさま立ち上がり次の攻撃に備えるも、死霊騎士の次の攻撃に顔が硬直する。
先程の水球、残り2つが長柄刀の周囲をまわっており、長柄刀自体が雷を帯びていたのだ。
ルーディスは先程の水球の攻撃でびしょ濡れであり、雷の衝撃を免れることは不可能だろう。
「ルーディスくん」
ルイが慌てて、封魔鉄製の球を投げ渡す。
ルーディスは封魔鉄製の球を受け取り、そのまま死霊騎士の長柄刀に投げつける。
死霊騎士は正面から飛来してくる封魔鉄製の球を長柄刀で弾き返した。
雷と水球の魔法は封魔鉄の中に吸い取られるが、鉄球がルーディスを襲うことになった。
間一髪で鉄球をさけたルーディスだったが、死霊騎士が何をしてくるかわからないため、視線を外すことができない。
「レイちゃん! 上手くよけてね」
「因果律・崩壊・弾丸」
攻め続けていたレイリアにルイから声をかけられ、直後にサイスの魔法が魔粧ゴブリンを襲う。
黒き破壊の弾丸が、変化した楯の手にぶつかる。
楯に変化はしていても、元々手であるため、変化した水魔の様な鱗肌はそのまま残っていた。
鱗が魔力で覆われた防壁の役割を果たしているようで、魔粧ゴブリンはなんとかサイスの魔法を抑え込んでしまった。
しかし、まったくの無事ではなかったらしく、楯に変化した右手はひしゃげ、元に戻すことができないようだ。
サイスが持っていた杖も使用した魔法の影響なのか、いきなり砕けてしまった。
魔法を使った当の本人も想定外の事態だったようで、驚きの表情を見せた。
「嘘、なんで? 先月新調ばかりなのに」
「あちゃ~、早かったなぁ~。もうちょっともつと思ったんだけどな」
ルイは頭を掻きつつ、片手でサイスにゴメンと言った。
「え! ルイさん、こうなる事わかってたんですか?」
サイスは慌てて、ルイに問いただすと、言いにくそうにルイはこたえる。
「う~ん。そりゃ、標準の使い方以外の方法で魔法を使えばね。予測はついてたけど」
「標準以外の使い方?」
「そのグローブね。杖なんだ」
「はぁ?」
「詳しい話は置いとくけど、無制限魔力放出超小形ロッドとでもしとくわ。とある人専用に作ったものなんだけど。本当はそれだけで、魔法を使えるのよ。それより、次の魔法の準備よ。一気に魔粧ゴブリンを片付けてからルーディス君の援護に回らないと」
死霊騎士に押されていたルーディスを助けようと、気を回すルイだったが、魔粧ゴブリンがそれを打ち壊す。
「ゲッゲッゲ……こやつ等の相手は俺様がする。今は遺跡の管理を奪い取るのが先決だ。行け死霊騎士。俺様は主様より、更に力を借りよう」




