07話
ルイが、まだレイリアを追いかけていた時のこと。
遺跡の奥に向かって通路を進んでいたルイは、戦闘の跡で血で床や壁が汚れてる場所に行きついた。
ただ状況的に血液だと判断しただけで、すぐに違和感を覚えた。
血液の独特の臭気がなく、まるで泥水のように感じたのだ。
(なによコレ。本当に泥水ならいたずら以外に考えられない。この状況でそんな事する奴は魔物側含めていないでしょ。かと言って、見れば見るほど血液には見えない。だけど、状況的に血液の可能性はあるわよね。この謎の液体を解析したら、この事件の謎を解くカギになるのかしら? レイちゃんにこの剣渡してからちゃんと調べないと……)
この場所を調べたいのは山々だったが、レイリアの支援の方が最優先だ。
ルイは後ろ髪をひかれながらその場を立ち去った。
その後、ルイはレイリアと合流して剣を渡し、目的を果たした。
そして現在。
先程の通路に戻ると、この謎の液体について調査を開始した。
何度も立ち止まっては液体の成分や感触を器具など確認した。
(本当に興味深い。これは、血液に間違いないんだけど、赤土で濁った水をぶちまけたと言われた方が、まだ納得できるわね)
調べた結果、血液中の生命力を構成する要素値が低下していた。
それ以上に不可解なのは、魔物の死骸が無い事だった。
出血状態で逃げ出したと憶測も可能ではある。
確認のため、成分を分析した結果、血の持ち主はオーガだと判明。
目視での判断になるが、出血は致死量を超えていた。
(そもそも、こんな出血量で死骸が無いのがおかしいんだけど……。これ、聖騎士様が倒した痕跡よね。聖騎士の職務として事態の収拾を優先するだろうから、遺体を処理するのは後回しにするはず。そうなると、まず考えられるのは、共食い。だけど、違うわね。それだと、骨とかの食べ滓も無いし、血の成分変化に説明がつかないわ。とにかくフィールド調査あるのみね)
血液を調べた結果、奥に進むにつれ新しいものだとわかった。
これは、聖騎士が魔物を倒しながらこの通りを進んだ結果だろう。
(魔物を構成するもの……。抜かれたのかしら? だとしても、死骸が無い理由にはならないわ。まさか、取り込まれた?)
ルイが血液解析の結果に基づいて考察していると、横道から足音が聞こえてきた。
振り向くと、3人組の冒険者で、全員がアスタ派の紋章がほどこされた装備を身につけていた。
その中の剣士がルイに気付き話し掛けてきた。
「姉ちゃん研究員かいな? 怪我はしとらんようやな?」
「怪我はないわ。それより気付いたことがあるの、私1人だと力が足りないから付いてきて欲しいわ」
遺跡の研究員と間違われたルイだったが、気にせず同行を要請する。
「あのねお姉さん。今どういう状況かわかってる? 調査は事態が落ち着いてからにしてちょうだい」
女性の魔法使いが説得しようとしてくるが、ルイは首を横に振って。
「そんな悠長な事をしている暇ないわよ。おそらくこの先に居るんだから……」
「何がいると言うのですか?」
六尺棍を持った大男が、ルイの話に乗ってくる。
「パナバス? なに言うとんねん。この人を安全な所に連れてくのが先決やろ」
「イルノア達こそ、何を言っているんだ。この人はルイ・アトリスさんだぞ」
ルイは自分を知っている人がいるならと、2人のやり取りを無視して血液の調査を再開した。
「ルイさんいうたら、ルーディスの仲間の人やろ。レイリアが港で待ついうとった。なんで、その人の顔しってんねん」
「そうか、イルノアは本部教区にいたから知らないのか。彼女は、技術者として有名で、割と顔も知られているんだ」
大男に指摘された女性魔法使いがルイの顔を確認して声を上げた。
「言われてみれば、ルイ・アトリスだわ。魔法具界の革命児が何でこんな所に?」
「仕事よ。それで、付き合ってもらえるのよね」
女性魔法使いの言葉に簡単に答え、自分の要求を通す。
「仲間って言う事でならかまわへんで」
調子の良い事をいう剣士に対し、女性魔法使いがため息をつくが、首を縦に振り了承した。
「それで、なにが居るというのですか?」
「化け物」
ルイは端的に言った。
あまりのぶっきらぼうな答えに女性魔法使いが戸惑う。
「化け物って言われても。漠然としすぎじゃない?」
ルイは少し考えて、この現場の異常を認識してもらう事にした。
「そうね、この床や壁を汚してる血を見てどう思う?」
「そら、気持ち悪いわな」
剣士が簡潔に答える。
「本当に? この泥水っぽい血の臭いがしないこの血が?」
「なんやて! 確かに、血の臭いがせえへんな。どうなってんねん」
ルイの指摘に剣士が驚いて、壁にかかった血に鼻を近づける。
「この血は力を吸い取られていると考えてるわ。証拠に赤血球と白血球それに血小板まで成分を抜かれてまともな働きをしていないのよ」
「は、はっけっきゅ? なんやそれ」
「分析魔法医学の用語で、病気の素をやっつける血の成分の事よ。そこの、えーっと魔法使いさんならわかるわよね」
ルイは専門的な説明であると途中で気づいて、知識がありそうな魔法使いに理解を求めた。
「サイスよ。こっちのチャライのがイルノアで、この大男がパナバス。私は分析魔法医学の事はあまり得意じゃないわ。魔法で身体を調べるのは好きじゃないから」
分析魔法医学とは魔力を生命力に転換させて治療を行う魔法医学とは違い、魔法を使って体の構造を解明し、それにあわせた治療を行う医学である。
以前は、異端魔法医学と言われて蔑まれていたが、近年その効果が認められ、正式な医療として認知され、名称も分析魔法医学となった経緯がある。
「それは残念ね。最先端ではシナプス構造とか興味深い話が専門家から出てきたりしてるわよ」
「それはさっき言っていた化け物と関係はありますか?」
話を戻そうとパナバスが質問をはさむ。
「そうね。血そのものを弱らせ、更にその力を吸収した強敵がいるって予測をしているわ。ちなみに、魔物と動物の違いって何だったかしら?」
「人間を害するのが、魔物ってなろたで」
「たしか、血の中に魔力が存在するのが魔物だったかと」
イルノアが回答するも、すぐに、パナバスに修正される。
「そう。体内に魔力が存在し生命活動に活用されている生物のことね」
「つまり、その化物は血から魔力を吸収する過程で、他の成分も吸収しているという事ですか? しかし、低級鬼族であれば、それほど多くの魔力量は無いのでは?」
ルイの問いかけに、パナバスが回答し、その意図をくみ取った。
「体内に魔力が存在するのだから、血だけじゃなく肉体にも宿っていてもおかしくないわよ。あなた達、ここに来るまで魔物の死骸を見た?」
「え? そういえば、血で染まった廊下を歩いてきたけど見てないわね。魔物の死骸から魔力を取り込んだ奴がいるとでも? たんなる共食いじゃないの」
「血は残り滓があるのに、死骸は骨すら残っていないわ。だから共食いでは説明つかないわよ。推論だけど、肉体からそのまま魔力を取り込めるのなら総魔力量は血液から摂取するより多いと思う。ただし、何らかの方法で魔力以外を取り除く方法が必要だわ」
「もし、そんな事ができたのだとしたら……。そんなに力を溜め込んだ相手にどうやって立ち向かおうというの?」
ルイは人差し指を口元によせ「ま、なんとかなるわよ」と笑った。
「そういえばルーディスくんは何処に居るの? 話しからするとあなたたち、今回の仕事仲間みたいだけど」
ルイの質問にイルノア答えた。
「観光客を逃がさな思てな。案内人と一緒に行ってもろたわ。姉さんこそ、レイリアと一緒やないやん」
「レイちゃんならすぐに追い付いてくるわよ。そっか、最悪ルーディスくんがいないフォーメーションになるって事ね。そうだ。アレの実験だぃ……試験をしてもらおうかしら」
ルイは少し悩んだあと、危い事を口走りそうになりながらも、腰の道具袋から目的の物を取り出した。
「これは、とある人専用に作った物だけど。サイスさん、あなたに貸しとくわ」
そういってサイスに渡した物はグローブだった。
甲の部分に大きな魔法石が1つと、人差し指と薬指の先に小さな魔法石が1つずつ付いていた。
とりあえず手に着けてみたサイスだったが使い方がまるでわからない。
「何よこれ? どう使うの?」
しばらく悩んでいたがわからず、ルイに聞いてきた。
「それは追々。今は先に進むとしましょう」
「ちょ、ちょっと、待ちなさいよ」
まだ、食い下がろうとしていたサイスだったが、イルノアが「そやなぁ。とりあえずいこか」といって歩き出したので、しぶしぶ歩き始めた。
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ルーディスは、レイリアとルイに合流をしようと遺跡の出入り口である吹き抜け部屋を目指していた。
地図には抜け道も記載されており、有効活用していた。
時折、コボルトなどの低級鬼族と聖騎士が戦っている現場に出くわした。
その都度、加勢していたが聖騎士の練度は高く、危なげなく倒していく様はとても参考になった。
ルーディスは今まで、鬼族=人型の魔物ということで、対人戦をイメージして戦ってきた。
しかし、鬼族と一括りにするには身体の造りは様々であり、聖騎士はそれを見事に利用して倒していく。
例えば、ゴブリンは前屈に近い体勢を常にしているが、これが正しい姿勢であり、仰け反る事はほぼ不可能。
うつ伏せに転ばせて背中を踏み付けてやるだけで、背骨が折れこと切れた。
他にも、コボルトは視界の関係で蹴りなど、下からの攻撃が有効だったり、オークは近視のため、遠距離から攻撃をしかけると有利だった。
ルーディスは感心しながらも、自分の技術として取り入れていく。
ルーディスは抜け道をいくつか利用し、ようやくイルノア達と別れた部屋の近くまできた。
剣戟の声を聞き、加勢に向かうも、到着した時にはすでに終わっていた。
そこには、周囲を警戒する聖騎士と案内人ナティスがいた。
「ルーディスさん! ああ、生きていたんですね。よかった。お体は……大丈夫そうですね」
ナティスが驚きのあまり大声を出して、ルーディスのもとに駆け寄ると、涙を浮かべながら大怪我が無いか確認する。
「ナティスさん。そちらも怪我がなさそうで何よりです」
ルーディスは、遺跡の管理者に聞いていたので、命の心配はしていなかった。
だが、魔法の余波で怪我をしていないかは心配していたが、それは無用だったようだ。
「私は、あの後すぐに逃げることができました。今は聖騎士様を魔物と遭遇した場所まで案内しています。私としては、ルーディスさんを探しに行きたかったのですが……」
ルーディスは、ナティスの言動から生きていないと思われていたのだと察した。
実際、分厚い遺跡の床をくり抜くほどの強力な魔法だったし、魔法の効果を相殺しても重傷だった。
「人命優先でいいと思いますよ。まずは、事態を収拾しないといけませんからね」
己の仕事は死と隣り合わせだということは、ここにいる全員が判っている事だ。
「聖騎士様、魔物の侵入経路を確認するのですね。僕も同行してもよろしいですか?」
「私は構わない。ハザンシティの悪童が味方になるのなら、こちらも心強い」
聖騎士はルーディスの事を知っているらしく、過去レイリアと行った対外試合の事をからかってきた。
「それって、僕じゃなくてレイリアの事ですよね?」
「衛兵のシンディに同じこと言えるのか?」
なんとか言い返したいルーディスだったが、お世話になった衛兵の名前を出されてはどうする事も出来ない。
「あの、お2人はお知り合いですか?」
ナティスがやり取りを見て聞いてきた。
「知り合いではない。ただ、私は現地登用ではなく、ハザンシティから出向している。地元の問題児の事くらい知っているさ」
「その話はもういいじゃないですか。目的地は近くです行きましょう」
ルーディスはそう言うと、逃げるように歩き出した。
近くだった事もあり、すぐにイルノア達と別れた部屋に到着した。
そこでは、壮絶な攻防を想わせる血の跡が残っていた。
遺跡の管理人は『声の主は施設の外、自然洞窟にいた』と言っていた。
この先は、恐らく自然洞窟なのだろう。
「この穴から魔物達が入ってきました」
魔物が出てきた穴を注意深く潜り辺りを探る。
予想通り自然洞窟になっており、岩の影から死霊騎士とゴブリンが見えた。
その足元には真っ二つにされたオーガの死体があった。
死霊騎士が手をかざすとオーガの死骸が一瞬にして灰になり、その灰は死霊騎士に吸い込まれていった。
「なっ」
思わず声を出してしまったナティスに、ゴブリンが気付いてしまった。
棍棒を振り上げ向かってくるゴブリン。
しかし、ルーディス達が迎え撃つ前に、死霊騎士の魔法によってゴブリンも灰と化した。
オーガの死骸と同じように死霊騎士に吸い込まれる。
「仲間を取り込んでいるのか?」
聖騎士とルーディスは攻撃魔法に警戒しながら死霊騎士と距離を詰める。
前回と違い、辺りに魔力を放出していなかったが、安心はできない。
なぜなら死霊騎士の手には、柄の長さが刀身とほぼ同じ1メートル程もある特殊な刀があったからだ。
死霊騎士は、素体となった者が取得した技術を使うことがあるとされる。
(あれが、英雄ラウルの長柄刀。英雄の刀技に対処できるのか? ますます弱点がわからないや)
ルーディスは遺跡の管理者に指摘された死霊騎士の弱点を探ろうと、相手を注意深く見てみる。
感じるものは禍々しい力と圧倒的な威圧感。
ルーディスは、威圧に耐えるように血が出るほど歯を食いしばる。
口の中に血の味を感じる。
聖騎士とタイミングを合わせて攻撃を繰り出すが、柄と刃を巧みに使われ弾かれる。
カウンターに対処する為、背後に大きく下がる。
案の定、ルーディスが居た場所に刀が振られていた。
その時、全ての音が消失した。
突然の事に驚いているルーディスに対して、死霊騎士が刀を振り下す。
ルーディスは戸惑いの中、なんとか剣で受け流して難を逃れる。
その瞬間、何のニオイも感じなくなった。
続けて放たれた死霊騎士の再攻撃。
それも何とか回避したが、今度は口の中にあった血の味が無くなった。
(死霊騎士が刀を振る毎に感覚を奪われている?)
ルーディスは死霊騎士に刀を振らせまいと連撃を放ちつづける。
死霊騎士は無理に攻撃しようとはせずに、防御に徹した。
そのやけに余裕な雰囲気を出している死霊騎士を見たルーディスは、僅かに疑惑を抱いた。
禍々しい魔力は感じとれるのだが、吸い取ったはずの生命力が感じとれない。
音を奪われる前までは確かに感じとれたのにだ。
そう考えると、禍々しい魔力にも厚みがないような気がしてきた。
ルーディスの直感が攻撃をやめろと告げている。
しかし、迫り来る死霊騎士をみるとどうしても身体が動いてしまう。
ルーディスは意思を決し、死霊騎士を弾き飛ばすと剣を下ろして、目を閉じた。
死霊騎士が振るう剣圧を肌に感じるがルーディスは動かない。
そしてもう一度剣圧を感じた時、ルーディスは目を開き「偽物だ」と叫んだ。
するとそこには死霊騎士はおらず、ただ魔物の血に残った魔力があり、小さな死霊騎士の幻影が蠢いていた。
「惑わされたか! クソッ」
聖騎士とナティスも同じように幻覚に囚われていたようだ。
ナティスが幻覚に囚われたままなのか、聖騎士の背後で怯えていた。
聖騎士が剣で幻影を払うと、小さな死霊騎士の幻影は掻き消えるように跡形もなくなった。
「一瞬にして悠久魔法を使うとは、流石は上位魔族レベルですね。しかも、幻影の応用で感覚を奪われたように錯覚させるなんて、ケビンさん以来だ」
ルーディスは自分の聴覚が戻っている事を確認する為にわざと独り言をいった。
「ナティス! 大丈夫だ! しっかりしろ」
聖騎士が幻影に囚われままのナティスの身体を揺さぶり目を覚まさせる。
「死霊騎士に、逃げられたとみるべきでしょうか……」
「逃げたにしては、理由がわからないな。くそっ、幻覚は覚めたというのに、足が動かん」
地上に混乱をもたらしたいだけなら、倒せる相手は倒しておくべきだろう。
このまま戦えば、ルーディスか聖騎士、どちらかの命は奪われていた。
だとすれば、時間稼ぎなのではないか。
聖騎士の足が動かないのも、時間稼ぎのひとつではないだろうか。
「肩を貸しましょうか?」
「いらん。それより、気になる事がある」
「なんでしょう?」
聖騎士が神妙な顔で聞いてきたので、魔物側の時間稼ぎの可能性を考えつつも、話を聴くことにした。
「ラウル英雄譚は読んだことはあるか? もしくは吟遊詩人が謡っていたのを聞いたのでも良い」
「ええ、『世に魔物と戦う者は多けれど、剣と魔法を同時に繰り出す者は稀有である』から始まるアレですね」
ラウル英雄譚はミードレイモン王国の英雄の生涯が語られる物語だ。
『剣を使うのは剣士、魔法を使うのは魔法使い、剣と魔法を使い分けるのは魔法戦士、剣と魔法を同時に繰り出せるのは魔導戦士のみである。その中で英雄と呼ばれるのはラウル・バートリア只一人』から始まるバージョンもあるが、今回は短い方で確認する。
「そうだ。その一説に『彼の手には、刀身と同じ長さの柄を持つ愛刀”アイギスブレード”があった。』とある。あの死霊騎士が持っていたものと合致する。しかし、実際のラウル殿は2本の刀を使い分けていたと、ルシュハルト様が語られていたと聞いたことがある」
「本部聖騎士団長様が? 二刀流と聞いたことはありませんでしたが。そうなのですか」
ルーディスの言葉に聖騎士が「ふっ」と小さく笑った。
「そっちを気にするか。私は、あの死霊騎士がラウル殿ではないかとの懸念だったのだが、お前は知っていたのだな」
「あ、はい。ええ、その……とある方から聞いています」
ルーディスは受け答えを間違ったと焦り、しどろもどろになってしまった。
「まあ、良い。2本のうち1本は精霊魔法用で、もう1本は因果魔法用とかで、二刀流だったという事ではない。ん!なんだ、あのバカでかい気配は……」
聖騎士が言うように、突如、巨大で邪悪な気配を感じた。
死霊騎士とは異なる気配。
そして、人食いの魔獣の様な獣の雰囲気でもない。
「3匹のゴミ。最後の1体か……」




