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無音の音色   作者: 長野 紗英
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小さい頃から、タ行とカ行が苦手だった。

私は、物心ついたときから吃音症、いわゆる「どもり」を患っており、それは私を苦しめた。

具体的にどのようなことが辛かったのか。と聞かれても、それは多すぎて何から伝えればいいのか迷うほどだ。でも、もしそのなかで一つ例を挙げるなら、「なにより不便であること」だ。

飲食店で注文をするときなどがそれの最たる例かもしれない。自分がオムライスを注文したいのに、いざ店員さんの前に立ち、注文しようとするが、できない。

そう。オムライスの「オ」という音が発音できないため、注文することができない。もし、「オ」が発音できたとしても、「オ、オ、オ、オオムライス」などと最初の「オ」の音を繰り返してしまったりする。

しかし、昨日は言えなかったオムライスという言葉も、今日になれば、まるで当たり前であるかのようにスラスラと話せるようになっている。

これが、吃音症の一番不思議なところだ。


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