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勇者のいない世界  作者: 鉄川 俊太郎
出会い
9/18

敗北?

後ろを取られた瞬間、観客や、審判、グラン自身さえも、グランが負けると思った。だが、グランの体にバッカスの拳が当たる前に発動していた『ファイヤ・ナックル』が消え、素手のパンチになった。

(くそ、もう時間切れかよ。無理に発動するとあいつが出てきてしまう・・・・一回距離を置くか)

「おいルーキー、一瞬でも気を抜くと今みたいになるから気をつけておけよ」

周りから見れば神童が初心者ルーキーに情けをかけているみたいにみえる。しかし、実際に戦っているグランがそんなハッタリを見抜けないほど馬鹿ではない。

「おい、神童どうした。疲れたのか。技が消滅したじゃないか。まあおかげで俺は命拾いしたがな」

バッカスを挑発するグランだが、実際のところもう素手のパンチさえもくらえない状況になっていた。

「それとも何かほかの理由があって技が解けたんじゃないのか」

今まで感じていた違和感を解決するのに、この状況が一番都合がいいとおもったグラン。攻撃する体制を作りながら、バッカスに言葉をぶつけた。

「お前、ディエルが始まってから、喋り方が変わったよな。どうして会った時のあの気持ち悪い喋り方をやめたんだよ」

距離をとりたいバッカス。しかし、グランはここぞとばかりに攻撃を仕掛け、さらには、バッカス自身のことまで聞いてこられたせいで、まだ両者の腕が届く範囲のままになっている。そのため、バッカスは、グランからの質問に、グランの攻撃を全てかわしながら、答えを返した。

「さすがに気づかれたか。あの喋り方はわざとやっているんだよ」

「わ、わざとだと!なんでそんなことを」

バッカスの返答が、自分の予想とはるかに違いすぎ、攻撃の手を緩めてしまった。その隙を見逃すはずのないバッカス。

(勝機。詠唱してる時間はない。格闘術できめる)

「格闘術1『ハイパワーパンチ』。さっき言ったよな!一瞬でも気を抜くと負けるってよ!」

「しまっ―――」

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