買い物
さっきの出来事があってから、グランは彼女をクエスト受付所に送り、武器屋に向かった。やっと武器屋にたどり着くことができた。あまりの人通りにたいていの武器屋は閉まっているが、(あまりに人が多いと並ぶとき通行人の邪魔になるための店からの配慮。しかしほとんど意味をなしていない)グランが来たこの武器屋は初心者しか来ない店なので、ほとんどの人が買いに来なくていつも空いている。
「よおグラン。お前もついに冒険者の資格をもらえる年になったのか。かーーー年過ぎるの早いもんだな」
「なんだよ。神官のおっちゃんが言ってたいい店ってのは、バードの店かよ。無駄話はいいからさっさと武器売ってくれよ。どうせ儲かってないんだろ。どこにあるかわかんなかったから迷っちまったじゃねーか」
「いやー、それ言われると、なんも言い返せんがな。ガハハハハハ」
「笑ってないで早く商売しろよ。いつまでもここに入れるほど暇じゃないんだよ。バート」
武器屋の店長のバードは、グランの両親の知り合いで小さい時からよく遊んだり、武器の使い方を教えてくれていたいわばグランの年の離れた友達みたいな人で役職は、鍛冶屋。武器や防具を作ることができるジョブだ。
「わかったわかった。わかったからそう睨むなや。ほい石の剣と特性鉄の盾だ。二つで300エルスだ」
「は?この二つでその値段は、ぼったくりだ。そんなん誰も買わねぇよ。もっと安くしろ」
「わわかったからそんな叫ばんでくれ。なら二つで150エルスはどうだ?半額にしてやったぞ~。」
「バード、初心者はそんなに金持ってないぞ普通」
「・・・やっぱり?はぁー、両方一応オリジナルなんだけどな・・・なら100エルスならどうだ。これダメならもう商売できないかんな」
「まあ、ちょっと高級な初心者装備ならそれくらいが妥当だろ。それとその盾、誰でも装備できるのか?」
「あぁできるぞ。なんでだ?」
「そんなんどうでもいいだろ。ほら100エルス」
「まいどあり」
武器屋での買い物を済ませたグランは向かいにあるクエスト受付所にむかおうとしたが、人があまりにも多すぎて割り込む隙間が空いていない。
(これじゃ、クエスト受付所にいつ着くかわかったもんじゃないな。まあその分、パーティのことをゆっくり考えることができるな)
そんなことを考えながらクエスト受付所に向かうのだった