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Servival Strategy(プロローグ)

作者: 風猫

大粒の雨が、このホテルの雨戸を叩く。

風は轟々と鳴り響き、海はまるで何者かに怒りをぶつけるかの如く

荒れ狂っていた。


その中で、私を含め六人の宿泊客と一人の支配人が、

このオーララホテルにて一夜を共にしている。


おっと自己紹介が遅れてすまない。

私の名前は、ホームル。

エルキュール=ホームル、探偵だ。


よく、かの有名な名探偵と名前が似ていると、各方面から賞賛の声を頂くのだが、

なぜか日本人には、妙な顔をされて不思議でならない。


まぁ、極東の蛮族の猿共には、

かの有名な探偵の事など知る由もないということだろう。


もちろん、これまで、かの有名人に負けず劣らず

事件を解決してきたつもりだ。


これまで、何人もの殺人犯を刑務所に送り、死刑台に送ってやったことだろう。

どうしてだか、殺人事件の現場に偶然にも居合わせる事が多い。

その度に、この灰色の脳細胞が躍動し、

猟犬のように証拠品を探し出して犯人を追い詰めるのだ。


犯人を前に全てのトリックを暴いた時など、絶頂にも近い快感を感じる。


自己紹介が長くなったな。


さて、今の状況を説明しよう。

私はひょんなことから、抽選が当たり、

絶壁の孤島にある五つ星ホテルのオーララホテルに

宿泊することになった。


常に殺人犯と相対しなければならない探偵稼業。

たまのバカンスもなければ体がまいってしまう。


そして、同じように居合わせた宿泊客は

さっきも言ったが、私を含め六人。

そして、ホテルの従業員一人


不動産会社の社員、ルールム

マジシャンのワンダー雅光とそのアシスタントみどり。

二人とも日本人だ。

そして、風俗嬢のヴァネッサ。

フランス料理のシェフのアダム。

このホテルを一人で切り盛りする支配人シリオット。


皆、誰一人として接点はなく

偶然この洋館にバカンスに来たのだ。


しかし、この嵐。

孤島のビーチを堪能できるはずもなく、悶々とホテルの中にて

過ごす他なかった。


迎えの船もこの嵐で、明日にならねばやってこない。


そして、なぜ私がこんな状況を説明しなければならなかったか。

聡明な読者の方なら、おわかりだろう。


私のいる所に事件あり。

この世間から隔絶された孤島にて、殺人事件が起きたのだ。


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