第61話 召喚しました。
納得してくれたところで、アンナさん、お願いします!
【畏まりました】
【生命核の消費効率を最適化します】
【権限干渉中、消費する生命核に対する現在能力値の最適化を行います】
【権限干渉中、魅了 の能力値を 召喚 及び 治癒 及び 魔力吸収 の能力値へ移植します】
【権限干渉中、現在能力値の最適化を行います】
【能力値の移植が完了しました、結果を表示します】
召喚:★★★★★★★
魅了:★★★★★★★★★★
治癒:★★★☆☆
魔力吸収:★★★☆☆
【勝手ながら召喚への移植のみでは変換可能な魅了の能力値が余ったので、治癒と魔力吸収の★を上げさせていただきました】
使用頻度が上がらなくて伸び悩んでいたやつ! ナイス判断、ありがとう、アンナさん。
【どういたしまして】
因みに生命核の残量は?
【僅かとなっております】
そうなるかぁ。まぁでも、これからは小動物くらいならボクでも狩れると思うし、アンナさんも召喚できるし、少しずつ稼いでいこう。
【不殺傷の解呪が出来なかったので、天羽様に狩りは厳しいかと。私にお任せを】
さすがに罠すら作れないなら諦めるけどね、万策尽きるまではやるだけやってみるよ。
さて、本人()もやる気みたいなので、アンナさんを召喚したいと思います。
【この時を待ち焦がれておりました】
その前に。
【え?】
え? じゃないでしょ、今までの言動からして召喚の前に約束して貰います!
1つ、完全な解呪まで方法を探すのを止めないこと!
2つ、ボクを無理矢理【自主規制】しないこと!
絶対だよ!? 守ってくれないならボクは離婚も辞さない!
【無理矢理でなければ、……良いんですよね?】
こわいこわいこわいこわいこわい!! 召喚取り止めて良い!!??
【嫌なのでお約束します】
不安しかないけど、アンナさんがボクをここまで守ってくれたのは事実だし、何より不安要素の塊でしかない魅了の能力値が高いから逆に安心が出来るのも嘘じゃない。
意を決して。
《 召 喚 》
ズズ、と目の前にブラックホールみたいな歪が現れて徐々に大きくなる。通れるくらいの大きさになって、そこから腕が、頭が、肩が、ずるり、ずるりと這い出てきた。
え、邪神とか呼び出しちゃった???? とか思ったボクは悪くない、筈。アンナさんが善神か邪神かどうかの話はおいといて。
恐怖映画みたいな演出はともかく、太陽に愛されたっていう表現がぴったりな褐色の肌、長く豊かな黒い髪、肩から続く腕は細く、胴体には女性である象徴の膨らみがあって、
「!!??」
背からは昆虫の翅が2対と足が8本、その内の一番上にある歩脚の1対には蟷螂の鎌が、滑らかな曲線を描く腰から下はハチの胴体のようになっていた。人間の女性と虫とのキメラでしかない。
それでも長い黒髪が重いと言うようにゆっくりと顔を上げれば顔はほとんど人間だった。人間の目がありそうな場所には黒目勝ちな、ていうか他の脊椎動物みたいに強膜が少ないアーモンド形をした黒い大きな単眼と、その周りに小さな赤い単眼が3対、高く整った鼻梁に、形も血色も良いふっくらとした朱唇、少し開いたそこから覗く白い牙。
まだ現界が身体に馴染まないのか視線は茫洋としていて、でもその眼がボクを捕らえた瞬間にどろりと惚け────。
あ、これはマズい、そう思って急いで結界を張ったけど、
「 あ も う さ ま ♥」
「きゃあああああああああああああッ!!!!????」
結界は秒でブチ破られた。




