第40話 なくなりました。
ほぼ勝手に伸びるツートップの使役がカンスト、魅了がカンスト間近だった。
【如何いたしますか?】
好感度が減るのは本当に嫌なんだけど、出し惜しみしても仕方ない。アンナさん、魅了の★を消費して召喚の★と使役の☆を増やして欲しいんだけど、生命核は足りそう?
【試算中──、結果を表示します。前回のデータを元に消費効率を更に最適化すれば、恐らくは足ります】
じゃあそれでお願いします。
【畏まりました】
【生命核の消費効率を最適化します】
【権限干渉中、消費する生命核に対する現在能力値及び上限能力値の最適化を行います】
【権限干渉中、魅了 の能力値を 召喚 の能力値、及び 使役 の上限値へ移植します】
【権限干渉中、現在能力値及び上限能力値の最適化を行います】
【能力値の移植が完了しました、結果を表示します】
使役:★★★★★☆☆
召喚:★★★★★☆☆
魅了:★★★★★★★★☆☆
【生命核の残量がなくなりました】
生命核の残量が分かり易くなったと思っておこう、終齢幼虫になったから再スタートだ。
……やった後になんだけど、よくよく考えると使役が伸びてもアンナさんに対する命令って特にないんだよね。強いて言うなら夫の座を返して下さい、ってなるんだけど。
【渡しません、その座は生涯私のものです】
ボクも妻の座に甘んじるのは断固拒否したいんだけど、これについては命令じゃなくて、互いの自由意思でちゃんとした決着を見たいんだよね。だって嫌でしょ、夫婦生活の中で何か一つでも強要されることがあるなんて。
【天羽様はお優しいですね】
人間なら普通だと思います。今の僕はイモムシだし、アンナさんは神様みたいな存在けど。
話を戻すと、使役を伸ばして何か得ってあったかな?
【検索中──、結果を表示します。天羽様の指示内容が明瞭且つ私に伝わり易くなります】
例えばだけど戦闘中に、魔法を使って、って言うだけで対象にどの魔法をどのくらいの規模で使うかが言葉にしなくても伝わる、ってこと?
【はい、仰る通りです。……ですがこの魔法がなくても、以心伝心の関係になれれば嬉しく思います】
うん、じゃあ、お喋りしてた時間の数値化だと思っておけば良いんじゃないかな。
【はいっ】
アンナさんが嬉しそうだ、ボクも嬉しくなる。
ほくほくした気分でいたらぐぅぅう、という音が聞こえた気がした。イモムシだからそんな音はしないんだけどね。夫婦のいちゃいちゃに水を差す邪魔者がいる……。早く成虫になってこの空腹とサヨナラしたい……。
【まもなく次の食餌へ到着します】
アンナさんが飛行機の機内アナウンスみたいな言い方で目的地への到着をお報せしてくれた。




