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第一話 遭遇・合流・到着

 血のような真っ赤な夕焼け空の下、薄暗い路地裏を一人の少女が走っていた。


 学生なのか制服を身に着け、黒い髪をショートカットにした、ボーイッシュな雰囲気を漂わせる小柄な少女は恐怖に顔をひきつらせ、時折後ろを振り返りながら走り続けている。


「キクチー、キクチー、キクチー……」

「キクーチ、キクーチ、キクーチ……」

「キークチ、キークチ、キークチ……」


 少女の後ろから、キクチ、と呻きながらゆっくりと追いかけて来るのは全員同じ男の顔をしたキクチ達。

 彼らは動きは遅いが疲れることを知らず、獲物が疲れ果てるまで追い立て続け追い詰め、最後は噛みついて仲間にしてしまう。


「やだやだやだ、来ないで、来ないでよぉ……私、キクチになんてなりたくないよぉ」


 泣きそうになりながら少女はひた走る。

 少女の健脚ならばキクチを振り切ってしまえそうなものだが、何時間も追いかけられ続けた少女は疲労の色が濃く、振り切れるほどのスピードが今や出せていなかった。


「うそっ!? 行き止まりっ!?」


 とある角を曲がり、暫く走るとそこは袋小路になっており、少女は足を止めた。

 慌てて来た道を戻ろうとするものの、時既に遅く、キクチの群れが曲がり角から姿を見せ始めていた。


「キクチー、キクチー、キクチー……」

「キクーチ、キクーチ、キクーチ……」

「キークチ、キークチ、キークチ……」


 じりじりと追い詰められ、背中が塀に付いてしまう少女。

 塀を振り返るも、一人では登れないほどの高さで、小柄な彼女ではジャンプをしても塀の縁に手を届かせることすら出来なかった。


「もうっ! いっそあいつらに突っ込んでやろうかしら。せめて何か武器があればいいのに……」


 後ろを確認し、近づいてくるキクチの群れを見て舌打ちをする少女。


「いや、武器があったとしてもあの群れに突っ込むのは流石に無謀だと思うよ?」

「誰っ!?」


 突然、掛けられた声に少女は振り返る。

 するとそこには背中にリュックサックを背負って、金属バットを片手に塀の上にしゃがんでいる少年の姿がいつの間にかあった。

 ぼさぼさの髪に隠れて目元は見えないものの、どこか呆れたような雰囲気を出していた少年は身軽に塀から飛び降りてくる。


「……あれ? 田中さん?」

「へ? あ、もしかして菊池くん?」


 飛び降りて来た菊池と呼ばれた少年は、少女を見て驚いたような顔をする。

 まさか、こんなところにクラスメートがいるとは思わなかったのである。


「菊池くん、大丈夫なの? 世界中の菊池という菊池があのキクチになったってテレビで言ってたけど……」

「見ての通り、大丈夫だよ。何でか僕はあのキクチにならないで済んでるんだ。って、田中さん、詳しい話は後。僕が下になるから塀に上がって」


 言いながら菊池はリュックサックを地面に下ろし、塀に手を付いて田中に自分を踏み台にして上がるように促す。


「え? あ、うん。ありがとう……あっ、上、見たら駄目だからね?」

「えっ? あっ……」


 田中は少し逡巡する様子を見せたものの、菊池の背中を踏み台にして、どうにか塀の上によじ登っていく。

 菊池は上を見たら、と言われて反射的に顔を上に向けてしまい、顔を赤らめつつ慌てて下を向く。


「見ないでって言ったでしょ!! もうっ! でも、ありがとう菊池くん。菊池くんも早く上がってきて」

「ごめん、田中さん。よしっと。それじゃあ、田中さん、ちょっとこれ持って」


 田中に怒られつつ、白だったと思いながら謝る菊池。

 そして金属バットを田中に渡して、リュックサックを背負うと菊池は気合一閃、ジャンプをして塀に手を掛けてよじよじとよじ登っていく。


「それで、これからどうするの?」

「取り合えず、塀伝いに僕の家に行こう。足元に気を付けてね。背の高い奴は手が届くこともあるから、掴まれない様に。それじゃあ、着いて来て?」


 言いながら歩き出す菊池に頷いて後ろを付いていく田中。偶に背の高いキクチに掴まれそうになるのを金属バットで叩いて払ったりとしながら二人は危なげなく塀の上を歩いていく。


「ここ、段差があるから気を付けてね……焦らなくていいから、ゆっくり確実に。脚を踏み外さないように」

「うん、分かったわ。よい……しょっと。後、どれくらいで着くの?」

「もうすぐだよ……ああ、見えてきた。あの赤い屋根の家が僕の家だから」


 塀の上を二人が歩き続けること20分、見えて来た赤い屋根の二階建ての建物を指さす菊池に田中はもうすぐ到着することに安堵する。

 しかし、それが良く無かったのか。一瞬、気を抜いてしまった田中はバランスを崩してしまう。


「きゃぁっ!? 菊池くんっ!」

「田中さん!?」


 そのまま塀から足を滑らせて落ちそうになる田中の手をどうにか握るものの、菊池もまたバランスを崩して塀から二人して落下してしまう。


「あいたたたた、田中さん、大丈夫?」

「う、うん、だいじょう……いたっ」


 立ち上がろうとしたところで、田中が足首を抑えて呻く。着地の際にどうやら足を捻ってしまったらしい。


「その脚だと、塀の上を歩くのは難しそうだね……となると歩いて家まで行かないと駄目か。もう目と鼻の先だから、あいつらに出会わなかったら大丈夫とは思うんだけど。田中さん、立てる?」

「う、うん。なんとか……歩くのもなんとか歩けそう」


 塀に手を突いて立ち上がり、ゆっくりながらも歩く様子に菊池は頷いて手を伸ばす。


「肩を貸すから、一緒に歩こう?」

「ありがとう、ごめんね……」

「こういうときはお互い様だよ。それじゃあ行こう?」


 菊池の肩を借りて痛めた右足を庇いながら歩く田中。金属バットを持つ右手側でなくて良かったと思いながら、塀に沿って歩いていると前方から3つの人影が近づいてきた。


「キクチー、キクチー、キクチー……」

「キクーチ、キクーチ、キクーチ……」

「キークチ、キークチ、キークチ……」


 このまま遭遇せずに済ませられれば、と思っていたキクチ達である。

 彼らはこちらをしっかりとロックオンしており、ゆっくりとした足取りであるものの確実に近づいて来ていた。


「田中さん、すまないけどちょっと待ってて。あいつらを退治してくるから」

「う、うん。分かった。早く戻って来てね?」


 キクチを迂回するにも振り切るにも、足を捻った田中の足では難しく、殴り飛ばして退治するしかない。退治したキクチを横に退ける時間を考え、ある程度の距離が近づいたところで菊池は荷物を下ろし、バットを持ってキクチ達の方へと走り出す。


「はぁっ!!」


 バットを右手で持ち、後ろに腕を引きながら左手を先端に添える。そして走る勢いそのままにバットを思い切り前に突き出し、キクチの眉間を打ち抜く!


「キクチッ!」


 ゴインッ! といい音をさせながらキクチが後に吹っ飛んでいくのを視界の端で確認しつつ、菊池はバットのグリップを両手で掴んで別のキクチのこめかみに向けてフルスイングをする。


「えいっ!!」

「キクッ!」


 ガンッと音がしてキクチはその場に崩れ落ちる。それを確認してから、今度はバットを上段に構え、肩にバットを乗せるようにしてから体のばねを使い思い切り最後のキクチの眉間に振り下ろす。


「ちぇすとぉっ!!」

「キッ!」


 ガツンッと音がして、キクチはがくがくと震えてその場に倒れる。


「ふぅ、なんとかなったか」

「きゃぁぁぁぁぁぁっ!?」

「田中さんっ!?」


 どうにか三匹のキクチを倒してほっと息を吐いていると、後ろから悲鳴が聞こえて来る。

 慌てて振り返ると、いつの間にか三匹のキクチが田中に近づいてきていた。

 その場を走り出すものの、キクチの方が近くて間に合わないことに菊池は焦燥の表情を浮かべる。


「くそぉぉぉぉぉ!」


 一か八か、バットを投げようと振りかぶった瞬間、信じがたい光景が飛び込んできた。

 今どき珍しい学ラン姿に下駄を履き、短く刈った黒髪に学帽を被った身の丈二mはありそうな、分厚い胸板に丸太のように太い腕と脚をしたいかつい男が二匹のキクチの頭を掴み、そのまま大きく持ち上げてから地面に頭から叩きつける。頭を叩きつけられたキクチはびくんっと震えて動かなくなった。


 そして塀の上から栗色の髪をツインテールにしていて、クリっとした栗色の瞳、健康的な小麦色の肌をした少女がジャンプをし、空中でくるっと回転しながら右足でキクチの頭に踵落としをしたと思った次の瞬間、左足でも踵落としを頭に叩きつけ、キクチの頭を踏み台にしてジャンプをして地面に蹴り倒しつつ男の背中におぶさって着地する。


「にゃはははは、お菊ちん、力技過ぎるにゃー! 私みたいに華麗に決めないと!」

「お前は無駄に大技を出し過ぎなんだよ、彩良(さら)。っと、あんた、大丈夫か?」

「あ、はい、大丈夫です……助けてくれてありがとうございます」


 手をぱんぱんと埃を払うようにしながら問い掛けてくる大男に田中は茫然としつつも、お礼を言う。


「にゃはははは、義を見てせざるは勇無きなりって奴にゃ」

「まぁ、見て見ぬふりは出来ないからな。っと、そっちの人、さっきのは見事だったな。こういう時でもなかったら手合わせしてみたかったんだが」


 目の前で起きたことに驚いていた菊池にも気付いていたのか、お菊ちんと呼ばれた大男が楽し気に笑って声を掛けてくる。

 彩良と呼ばれた少女も、どこか値踏みするような楽し気な目で菊池を見ていた。


「田中さんを助けてくれてありがとう。でも、バットをぶん回すしか能のない人間と手合わせしても面白くないと思うよ?」

「そうか? まぁ、今はそんなことを言ってる場合でもないか。またキクチが集まってくる前に移動しないとだしな」

「君達は何処か行く当てあるのかにゃ?」


 荷物でパンパンになったリュックサックを目敏く見ながら彩良が問い掛けるのに、一瞬、田中と目を合わせてから菊池は頷く。


「今、僕の家に行こうとしてて。塀の上を歩いてたんだけど……」

「私が塀から落ちちゃって……それでキクチに襲われていたの」


 少し言い淀む菊池に田中が自分から落ちたことを説明し、なるほど、と言うように二人組は頷く。


「もし、良かったらなんだけど二人とも僕の家に来る? どこか行く当てがあるなら無理にとは言わないけど。田中さんの命の恩人だし、せっかく見つかった生きてる人と別れたくないし」

「いいのか? ありがたいんだが人数が増えればその分だけ、水とか食糧の消費が早くなって迷惑になると思うんだが」


 菊池の言葉に、大男はありがたいとは思いつつも、良いのかと尋ねる。それに対し、菊池はもちろんと頷いて大男に手を差し出す。


「僕の名前は菊池(たけし)、宜しくね?」

「へぇ、奇遇だな。俺以外にもキクチになっていない菊池がいたなんて。俺の名前は菊池十真(とうま)だ。こちらこそ、宜しくな」


 お互いに握手をし、まさかの菊池同士であることに驚きながらも自分以外にもキクチになっていない菊池がいることに安心して笑みを浮かべる十真。


「私は菊池くんのクラスメートで、田中天子(たかこ)、宜しくね」

「私は椰子木(やしき)彩良にゃ、宜しくにゃ。私の事は彩良って呼んで欲しいにゃ。あ、そっちのお菊ちんはたけちゃんって呼んでもいいにゃ? 名前で呼ばないとややこしいにゃ。お菊ちんはお菊ちんって呼ぶけどにゃ!」


 確かに菊池が二人いる上に、化け物になったキクチがいるので菊池と呼ぶと紛らわしい、という事で猛、十真と二人を呼ぶときは名前で呼ぶことになった。

 ちなみに彩良は自分は彩良と呼ぶようにと言って、十真を呼ぶときは自分はお菊ちんと呼ぶと胸を張って宣言していた。


「取り合えず、自己紹介はこれくらいにして……そろそろ移動しようか。ここにいたらまたあいつらが集まって来るかも知れないし」

「そうだな。それじゃあ、怪我人は俺が運ぼう。彩良、背中から降りてくれるか?」


 思ったよりも話し込んでしまっていたが、幸いにもまだ他のキクチは近づいてきていない。

 今のうちに移動しようと猛が言えば、十真も頷いて怪我をしている田中は自分が運ぼうと、背中にいる彩良に降りるように促す。


「むーっ、お菊ちんの背中は私のモノなのに。でも、怪我をしてるなら仕方ないにゃ。特別に貸してあげるにゃ」

「ご、ごめんなさい、彩良さん。それじゃあ、十真さん、お願いします」


 少し膨れながらも、流石にそういう場合ではないと分かっているので彩良は素直に十真の背中から降りていき、田中がおぶさるのを手伝う。


「……お菊ちん、鼻の下が伸びてないかにゃ? 私にはない膨らみを堪能してないかにゃ?」

「いや、そんなことはないぞ? というか、そんなことを言ってる場合じゃないだろう?」


 じーっと皿のように目を細めて十真の顔を見る彩良に、慌てて十真は否定し、背負われている田中は恥ずかしそうに体が密着しないようにする。


「準備はいい? それじゃあ行こうか。みんな、僕についてきて」


 リュックサックを背負い、歩き出す猛の後を着いて歩き出す二人とおんぶされてる一人。

 途中で何度かキクチに出会うものの、十真と彩良の活躍で問題なく道を進んでいく。


「私、こいつら嫌いにゃ。頭にダメージを入れないと倒せないから、凄く面倒くさいにゃ」

「しかも、完全に頭を破壊しないと暫くしたら立ち上がってくるしな。確かに面倒くさい」


 彩良は顎先を狙った蹴りでキクチの脳を揺らしてダメージを与えて倒し、十真はキクチの頭を掴んで頭同士をぶつけあったり、こめかみ部分を殴ったりとしながら倒していく。


「面倒くさいって言いながら、あっさり倒してるの凄いよね……」

「うん、本当に凄いね……」


 流石に背負ったまま戦うと危ないので降ろされている天子と、猛は顔を見合わせながら二人の戦いぶりに感心する。

 そして十数分歩いたところで、ようやく二階建ての赤い屋根の家の前へと到着した。

 もちろん、その家の表札には菊池、と書かれている。


「いらっしゃい、ようこそ僕の家へ。歓迎するよ、みんな。狭い家だけど中にどうぞ」


 猛は玄関の鍵を開けてドアを開いて中へと誘い、皆が入ったところで鍵を掛ける。そしてリビングへと案内してから自分は台所へ向かいリュックサックを下ろして、手を洗って人数分の水をグラスに入れてリビングへと戻ってくる。


「大したおもてなしは出来ないけど、ゆっくりしていってね」

「流石にこの状況でそんな図々しいことは言わないよ。水や食料にありつけるだけでもありがたいんだから。なぁ、彩良」


 グラスを受け取りながら十真が苦笑いをして声を掛ければ、田中の足首の手当てをしていた彩良も頷く。


「もちろんにゃ。この辺りのスーパーもコンビニも、キクチがたくさんいて入れなかったから食べ物も飲み物も手に入らなくて困ってたんだにゃ。お家に入れてくれるだけでもありがたいのに、そんなことは言わないにゃ」

「あいたたたっ! 彩良ちゃん、もっと優しく……あ、もちろん私も言わないよ?」


 足首を触られて痛がっていた天子も、もちろんと頷けば猛は苦笑いをしつつもありがとうと頷く。


「食料は節約すれば四人で二週間はもつと思うし、水はまだ水道が生きてるから大丈夫だよ。今日はご飯を食べてお風呂に入ったら直ぐに休もうか。みんなも疲れてると思うし」

「お風呂っ!? お風呂入れるにゃ!?」

「痛い痛い痛い!! 彩良ちゃん、痛いってば!」

「あ、天子ちゃんごめんにゃ。お風呂って聞いてつい」


 猛のお風呂に入れる発言に、思わず反応した彩良に足首を強く掴まれて天子が悲鳴を上げる。

 気持ちは分かるけど、と言いながら天子は自分でやるから、と彩良の手から足を離していく。


「折れるかと思った……彩良ちゃん、見た目に寄らず力が強いんだから」

「こいつ、やろうと思えば大人の男の骨でもへし折れるからな」

「お菊ちん、指相撲しないかにゃ?」

「そう言って指に関節技掛けるつもりだろ!?」


 三人の賑やかな様子を見て、猛は苦笑いを浮かべつつも内心でほっとする。

 たった一人で籠城していると気が滅入って、いつか精神的に壊れてしまうのではないかと思っていたのだ。

 賑やかなリビングを眺め、これから色々な心配事はあるもののどこかほっとしたものを感じる猛だった。

折角の菊池祭りなのでお祭りらしく彩良達にも登場して貰いました。

二人については番長菊池をご参照頂ければ幸いです。

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― 新着の感想 ―
[良い点] お菊ちんたちで、一気に安心感が増したわꉂꉂ(ˊᗜˋ*) キャラ・世界が繋がるのはワクワクしますね(๑•̀ㅁ•́๑)✧ [一言] キクチ鳴きって、自分も書いたけど、いい感じにアホキモくなりま…
[良い点] ほほう、あの作品と世界観が繋がっているのですか。 類は友を呼ぶと言いますが、菊池さん同士も引かれ合うのですね。 屈強な彼等と一緒なら、何かと心強そうです。
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