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#26 魔王の部屋……もとい汚部屋

(……今日もいろいろあったな)


 魔王城の執務室。ガルベナードは部屋に据えられた革張りのソファに座り、ひとり物思いにふけっていた。彼の目の前のローテーブルには、昼間にグリージュから受け取った謎のタマゴが鎮座している。さすがにガルベナードもむき出しのままでは割れてしまうと思ったのか、タマゴは布の切れ端を敷き詰めた衣類カゴに入れられ、下に魔法式のペットヒーターを敷いて温めている。おそらく隣の部屋のガラクタの中から引っ張り出してきた物と思われるが、これならアルメーネの抜き打ち検査があっても合格点は貰えるだろう。


(それにしても、ひとつ仕事を片付けたと思ったら別の仕事が割り込んでくるし、聖女を預かるのは――というか、そもそも魔王の務めが楽じゃない。まあ仕方ないんだろうけどな)


 ガルベナードは心の中でそうつぶやきながら、目の前の卵を見つめる。当たり前だが卵からの返事はない。


(さてと、明日は工房まで塗料の調合を頼みに行って、ついでにマリナの紹介も済ませて置くか。あとはマグマペッパーも在庫が少なくなってきたから、それも取りにいかないとだな)


 ガルベナードは明日の予定を確認するとソファから立ち上がり、通用口を使って私室へと向かう。今日の業務はすべて終えたので、あとは布団に入って寝るだけだ。

 ……が、彼の部屋は昨晩アルメーネを追い払うためにガラクタで覆いつくされ、足の踏み場もない状況である。特にガラクタを押し込んでいたクローゼットの扉周りがひどく、物が積み上がっているせいで廊下へと出る扉が開けられないといった有様だ。

 ただし部屋の片付けが苦手なガルベナードとしては綺麗に整頓されているほうが落ち着かないらしい。部屋の出入りに関しても、執務室経由で通用口が使えればそれでいいと思っているようだ。


(そんなわけで今日はもう寝r――あれっ、寝間着が見つからねぇ。確か昨日の片付けでタンスの引き出しに入れたから、その近くにあると思ったんだが)


 ガルベナードはガラクタの山を掻き分けて寝間着を探す。昼間にタマゴ置き場を作るための素材を引っ張り出してきたからだろうか、魔王の私室は昨晩よりもごちゃついているように見える。しかし汚部屋勢の宿命というべきだろうか、ガルベナードが反省する様子はどうにも見られない。


(おっ、これだこれだ。あとは着替えて寝るだけだ)


 そうして箪笥の足元からどうにか寝間着を引っ張り出したガルベナードは、服を着替えてベッドへと向かう。幸いにもベッドはクローゼットと反対側の壁際に配置されていたため、昨晩の雪崩でも埋まらずに済んでいた――のはよかったのだが、脱いだ服をそのままベッドの上に放置しているため散らかっていることに変わりはない。

 ちなみに魔王が服を着替える時に一瞬だけ上半身が裸になる様子が見えたのだが、魔族領の統治者なだけあってそれなりの体格をしている。まあ日頃から鍛えているベルクと比べるとどうしても見劣りしてしまうが。


(何はともあれ、明日も一筋縄じゃいかないことが起きそうな気はするな)


 ガルベナードは心の中でそうつぶやき、ベッドの上に寝転ぶ。それからパチンと指を鳴らして部屋の灯りを消し、眠りにつくのだった。

読んで下さり有難うございます。

執筆のモチベーション向上につながるので、感想、星による評価、ブックマーク登録などよろしくお願いします。

また設定資料として「魔王の部屋」の間取り図を公開しました。

https://twitter.com/Izumi_subcul/status/1705548955164221638/photo/1

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