ハンターの資格 ▶︎試験あり
それじゃ、今日の人たちのお祈りのお手紙を書けば、しばらくは、お手紙地獄から逃れられるって事だよね!
よし、いっちょやりますか!
「リンディー、明日でいいぞ」
ホワイト上司! 上司ガチャでウルトラレアを引き当てた気分だよねぇ!
「はーい」
「お夕飯ですにゃよ!」
コックのカーチェが呼んでいる。みんなで食堂に移動して、晩ごはんだ。
「わぁ! 豪華ですね!」
量がとてつもなく多いけど。
コックのカーチェは、ふふん、と鼻息をはいて、みんなが稼ぐから、ご飯の質があげれました! と嬉しそうだ。
お金の管理が杜撰だったため、食費にまわる分も杜撰だった。節約カサ増し料理を頑張っていたコックのカーチェ。えらい。
「これも、リンディーが管理してくれてるおかげだ」
「稼いでるお金がなきゃ、管理のしようがないから。みんなの頑張りの成果でしょ」
ゴルーダさん、こうやって事務方にも気を遣ってくれる。いいリーダー。
「やっぱ、ゴルーダはいい上司だなぁ」
九石もそう思うらしい。
「事務なんて金食い虫だーって奴、いっぱいいたもんね」
「だなぁ」
私と九石は、内勤だった。
備品の補充、営業の作る見積もりの検算、押印、人事の査定のまとめや、営業のプレゼン資料の編集…などなど。
縁の下の力持ちだったけど、お客さんと話をして契約取って、お金に結びつけるのは営業だ。
直接お金にならない内勤は無駄だ! と言われた事もあった。
が、ゴルーダさんたちは、そんな事絶対に言わない。
異世界に来たけど、恵まれてるって、こういうとこで実感しちゃうよね。
「そんな事言う奴がいたのか?!」
アリーシャさん、驚きすぎ。
「お金の管理ができないあたしたちは、リンちゃんを手放す気はないわよぉ」
シルキーさん、ありがとう。でも、せめて小遣いは管理できるようになってくれ。
「リン、有能」
モクレンさん、短文だけどすごい褒めてくれる。
「よかったな、職場にめぐまれて」
「お互い、ホントそうだね」
九石と私は、ホワイト人間関係をかみしめる。
「そういや、いいの? 人が入らないと、九石は事務方に回れないじゃん?」
「あー、なんとかなるだろ。最近はソロしてないのと、みんながサポートしてくれるから、割と怖くないし」
クエストは順調のようだ。
ゴルーダさん、モクレンさんは、虹星ハンターと呼ばれる最上位ハンターだ。
シルキーさんとアリーシャさんは、金星ハンターで、上位ハンター。
九石は最近、銀星ハンターになった、中位ハンターだ。
ゲームはハンターレベル、もしくはハンターランクというもので数字にて表されていたが、そこはちょっと違う。
「昇進試験受けないの?」
シルキーさんと、アリーシャさんに聞いてみたら、ふたりとも顔が強張った。あれ、地雷だった?
「筆記試験、苦手」
モクレンさんが解説する。
「え? クエスト実績で昇進するんじゃなくて?」
ゲームでのハンターレベルが上がる条件は、大型モンスターの討伐・捕獲実績と、採取クエストのキークエストをこなすことだった。
筆記試験がある事に驚いた。
「読めるけど、書くの苦手」
モクレンさんが更に解説してくれた。
シルキーさんとアリーシャさんは、もくもくと食べ出した。
「アリーシャは、他国出身だから、この国の文字に慣れてないんだよ」
九石も解説に加わる。ってか、文字が苦手って知らなかった。
「シルキーは、勉強が嫌いでハンターになったくらいだからな」
ゴルーダさんも教えてくれる。
「ハンターが、文字書くなんて、きいてなかったわよぉ!」
シルキーさん、ほっぺた膨らませて、ぷんすこしてる。声が若干くぐもっているけど、中身は肉じゃないよな?
「口頭回答じゃ、ダメなの?」
私は聞いてみたが、ゴルーダさんは、首を振るう。
「金星までしか、無理」
金星までなら、できるんかい!! と、ツッコミたくなったが、飲み込んだよ、私えらい。
「虹星は、読み書きが出来ねばいけない」
「計算ないから、楽」
数字が苦手なメンバーで構成されたこのチーム。強さだけなら、4人は最上位レベルだそう。
「サザラシなら、そのうち虹星になれそうだな」
カラカラと笑いながら、ゴルーダさんは酒を飲む。
「無理だって、近接武器重たくて持てないし」
慌てて、九石は否定する。遠距離武器しか未だに使ってないそうだ。
「よかったな、九石。家が弓道場で」
「ホントだよな」
九石の実家は弓道場。継ぐ気はなかったが、それでも弓道をやっていた。
そのおかげもあって、野垂れ死にせずに済んだようだ。
「ん? リンディーたちのいた世界では、武器は使わないのではなかったか?」
「あぁ、習い事であるんですよ。弓を使うものが」
お嬢様が嗜む、刺繍や楽器のような感じだと伝える。伝わったようで納得していた。
「サザラシが、弱点を的確に狙えるのは、元々使っていたからなのか」
ゴルーダさんは納得している。が、狩り中の九石を私は知らない。
「いやいや、動かない的と、動く魔物じゃ全然違うよ!」
そうだよなぁ、そう考えるとすごいよなぁ。
本日の言葉
ハンターさんは すごい!
次回、最終話となります!




