名前 ▶︎サザラシ
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残すところあと5話です!
「リン、あれ誰?」
「向こうにいた時の同僚です」
めっちゃ口調が怒ってる…何でだ??
「へー?」
アリーシャさんがうんうん、と頷いている。何の頷きだろう?
「「恋人?」」
「ちがわい!!!」
素のツッコミが出てしまった。何で声が揃ってるんだよ!
「偽シルキーが、落ち人だったので、その辺含めて話をするんだと思いますよ」
ハウスキーパーであるカーチェ、ルルルフの淹れてくれたお茶を飲みながら、アリーシャさん、モクレンさんと話をする。
何で、モクレンさん、私にピッタリくっついてるんだ?
「んで、その落ち人シルキーが、チームに入るかもだけど、リンは気にしないのか?」
「へ? 別に何も気になりませんけど?」
九石がいたとしても、私の仕事は変わらない。増えるけど。
アリーシャさんが、体を寄せて肩を組んできた。
「んで、リンちゃんよぉ、落ち人シルキーは、ホントに恋人じゃないん? ん?」
絡み方がオッサンだよ、アリーシャさん…色っぽい美人さんが台無しだよ
「あー、マジで違います。天地がひっくり返っても、世界が変わっても、絶対に、そんな関係にはなりません」
「うわぁ、思ってたよりドライな反応だ…」
「なんで、そう言えるの?」
お、モクレンさんの声色がいつものになったぞ。よかったよかった。
「モクレンは、アリーシャさんと恋人になれと」
「無理、ない」
「アリーシャさんは、モク」
「あー、ないない!」
ふたりとも、食い気味で否定。アリーシャさんはカラカラ笑っている。こういうサバサバしたところ、すき
アリーシャさん自体は黙っていれば、素敵な色っぽいお姉さんだからね! アリーシャさんに、問題があるわけじゃないからね!
「それと、一緒」
「そっか」
モンレンさん、納得したようだ。
小一時間ほどして、ゴルーダさん、シルキーさん、九石が出てきた。
「おつかれさまです」
「ああ、彼はうちのチームに入る事になった」
「そうですか」
「でも、名前かぶっちゃってるのよねぇ!」
笑いながらシルキーさんは言う。
「何で、本名のサザラシにしなかったん?」
「いや、ケモハンと言えば、って思ってね?」
ゲームじゃねぇんだよぉ! って言っても、マジモンのゴルーダさんや、シルキーさんをしらなきゃ、こうなるよね。
「んで、リン、だっけか、いまは」
「うん、もうそれで馴染んでた。ってか、あんたに会うまで名前忘れかけてた」
「思い出しても、口に出して、言えないけどな」
「ちょっと黙れ」
こういう、言葉が悪いけど気楽なやりとりが久しぶりで、なんか落ち着くなぁ
けど、モクレンさんがめっちゃくちゃ睨んでいるよ、何でだよ!
「リンディー…さっきから、大丈夫か?」
ゴルーダさんが心配してきた。うん、ごめん! 普段とは全然口調違うもんね。
「問題ありません、九石とはこういう口調でやりとりしてますんで」
「お前、ネコ被ってたのか」
「お仕事と言え。ここは私の職場だ。そして猫は被るものじゃなく、吸うものだ!」
「って事は、オレ、お前の後輩かよ!」
モクレンさんの睨みが強い。あ、近づいてきた。
「リン、あれくらいで」
「え、それは無理」
モクレンさんは、私が九石にしているような口調がいいらしい。さっきから睨んでいたのは、九石を羨ましがっていたようだ。
「それはないだろ、リン! もう一緒に暮らして2ヶ月だぞー?」
アリーシャさんが肩を組んでくる。
「あいつとは?」
モクレンさんが、訊ねる。短い言葉だけど、おそらくあいつとは、どれくらいの付き合い(知り合い)期間かを訊いているはずだ。
「かれこれ、25年ほど?」
「だなぁ」
実家は近所だし、高校までは同じクラス。大学は別々だったけど、就職先は偶然一緒。幼馴染みというやつだ。
「あらぁ、つきあい長いのねぇ」
シルキーさんも驚いている。ここの人ら、年齢バラバラだもんなぁ
「待て、リンディー。その、シルキーいや、サザラシの年は…」
「こいつも、ゴルーダさんと、私と同じ27ですよ」
「「「「はぁあぁああ?!」」」」
ふっ、九石よ、私と同じく子供扱いを受けるがいい!
「あたしと同じくらいに見えるわぁ」
ん? シルキーさんは22歳だったよな。
「だな、そのくらいかと思っていたが、俺と同い年だとは」
ん??
「あっはっはっ、年だけならやっぱ、わたしが一番下だっ!」
18歳のアリーシャさん。だけ、ってのが何かが含まれてるような、気のせいだと思いたい。
「まさかの、ゴリと同じ」
「ゴリじゃねぇ」
え、子供扱いされてなくね??
「え、九石は22歳くらいに見えたってことは…?」
「サザラシは成人」
「私も大人だよぉおおぉ!!!!」
未だにちょいちょい、子供扱いされるんだよな。
九石には、それがない。
「解せぬぅううぅ…!!!!」




