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誰が世話をしますか ▶︎拾った人


 お船にゆられてどんぶらこー、どんぶらこー


 そんな船旅は、魔物が出ることも無く、無事おわる。


 港町が王都なんて、経済が活発なイメージだよね、知らんけど。夕方だけど、古の獣を討伐した報告で、お城に向かうらしい。


 お城に着いたら、すぐに王様に会えた。

 王様に討伐の報告を終えて、次に落ち人の報告だ。


「ホントに黒髪だな。んで、そいつは何か持ってた?」


 王様って言っても若い。威厳が少ない。

 もっとヒゲもじゃー! って感じの人かと思ったら、私より少し下くらいな若い子だった。


「彼女は名を奪われたようです。そして、太陽の光に弱い人種だそうです。その他、特筆すべきものは、持ち得ませんでした」


 ホントに計算できる事を隠してるよ、ゴルーダさん。

 しかも、人種で一括りにしやがった!


「だから、うちのチームで保護するよ、いいよな!」


 船から降りると、眠っていたからスッキリしたのか、アリーシャさんは復活していた。王様にタメ口って、つぇえぇ!!!


「ふーん、お前たちが欲しがる理由は?」

「ちっこくてカワイイからだ!」

「……え?」

「ちっこくて、カワイイから!!!」

「……え?」


 何か裏があるのか、と王様は目を細めて聞いてくるが、アリーシャさんは思ったままの事を言う。

 2回同じ言葉を言ったし、2回同じ返事したよ。


「いや、ほら、隠してる事とかないの? じつはすごい力があって、獣を屠るのが容易いとか」

「太陽に当たると、具合が悪くなるのです。実際、彼女を近くの町まで連れて行く時に、みるみる顔色が悪くなり、嘔吐しました」


 虹色モザイクをばらすなぁあああぁ!!!!


「この子、あたしたちの10分の1くらいのご飯しか食べないのよぉ?」


 シルキーさん、あなたたちが食べ過ぎなんです。


「あと、熱出した」


 それは、ばらしていい。モザイクってないから、それは許す。


「世話をしないと死んでしまう」


 おい、ゴリ! 弱ってる子猫みたく言うな! 眉を下げて言うな!!!

 って、王様、なんか居た堪れない顔してない?


「そ、そうだな。拾ったお前たちで、責任持って面倒を見ろ」


 捨て猫・捨て犬扱いかよぉおぉ!!!!



 かくして、私は激務の国に仕える事なく、ゴルーダさんたちのお世話になる事が決まりました。


 めでたし、めでたし。




 って思ってた20分前の私を殴りたい!!!!!


 ゴルーダさんたちのチームハウスに着いたら、なんか魔窟だった。

 壊れた装備が床に転がっているし、机の上にはお金が散らばっているし、書類も無残な姿で散らばっている。


「おかえりニャさい、古の獣、討伐お疲れさまでしたニャ」


 そんな中、チームルームのカーチェが出迎えてくれる。

カワイイ。


「すまない、散らかっているが」

「散らかりすぎです。武器は危ないので、片付けてください」


 武器、装備類、書類が散らかっているところ以外は、掃除されているようで、棚にホコリが溜まっているとか、台所が夢の島(比喩)な状態という事はなかった。

 ただ、壊滅的に整頓がダメだ。


 みんな片付けが苦手らしく、つい散らかすらしい。

 流石にハンターさんの重たい装備は、小柄なカーチェでは片付けが出来ないようで、みるみるうちに魔窟と化したようだ。

 各々の装備は、アイテムボックスへ突っ込んでもらう。

 壊れて使えないものは、鍛冶屋へ持っていってもらう。

 部屋の角にまとめて、明日持っていってもらう約束をする。



「あぁ、あんニャに言っても片付けニャかった、バカタレどもが言う事聞いてるニャ、奇跡の人ニャ! 流石、落ち人サマだニャ!!」


 なんか、カーチェに尊敬の眼差しを向けられている。キラキラしたおめめで見つめてくるカーチェ、カワイイ。


「リンディーの部屋は、どこがよいだろうなぁ…」


 ゴルーダさんが空き部屋をいくつか見て、どこがいいか考えてる。


「屋根裏部屋か、階段下がいいです!」


 屋根裏部屋の窓は、雨戸のような分厚い物で、光を遮断するものだった。その雨戸は鎧戸になっていて、換気のためについている感じで、光りを必要以上に入れなくて済む作りだ。

 階段下はもちろん窓などない。納戸だ。

 屋根裏部屋は、行くのに階段なんだよ、3階に移動する感じだよ。

 さっき掃除してる時、チェック済み!


「そ、そのような部屋に…」


 ゴルーダさんが慌てて私を止めようとするが、モクレンさんはわかってくれているようだ。


「光、あんまこないから。リンに最適」

「あ、そっか、そうだな」


 通気性の関係で、屋根裏部屋に決まった。

 カーチェが念入りに掃除を始めてくれた。カーチェばかり働かせるのも悪いので、一緒に掃除をする。


 このチームハウスは、大きなリビングとダイニングと、いくつかの執務室、そしてメンバー用の寝室がある。

 4人で使うには広すぎる家だが、ゴルーダさんの計算能力や、ハンターさんたちのお片付け能力により、メンバーを増やせなかったので、人口密度スッカスカ、物品密度ギッチギチだったらしい。

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― 新着の感想 ―
広い場所あるあるだ。 空いている場所にはついモノを置いてしまう、片付けが後回し後回しになった挙げ句、そこが置き場になるというまっこと不可思議な現象。
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